74話 エラー理由:好感度が足りていません
ニホからこの質問をされた瞬間、グラントの事を憎んだ。
が、アイツが俺のことをなぜそう呼んでいるのかを直ぐに思い出したため、感情を表に出す前に落ち着けた。
ニホは純粋に気になって聞いてきただけだろうし。
つーか今更俺に由来を聞いてきたってことは、グラントやニックと交流があった時には何も教えてもらえなかったってことだろうし。
「そうだなぁ」
質問に対して直ぐには返答せず、少し考えた。
そして、副団長に『ニホの監視』も任務として与えられていることを今思い出した。
「つってもよ。まあ、ザックリ言うと『平民が後天性の固有能力1つで第1騎士団に入団したから』ってだけだからなぁ」
いくらなんでも監視対象に古傷を見せる訳にはいかない。ぜっっったいに教えたところで何か起きる訳でもないと断言できるけど。
「漫画のネタになるようなことはねぇよ」
「そうだったんですね…」
「それよりもこの学園の7不思議とかの方がネタになるんじゃないか?」「な、7不思議!?そんなのあったんですか!?」
「らしいぜ。噂じゃ目撃者も結構いるらしい」
死人もいるらしいけど。
「どんなのですか!?」
「えーっと、沈む床と…マジカル瞬足ババアと…あと5つだな」
「えっ?」
「すまん忘れた」
「今出て来た2つだけでも名前のインパクト強いですね...」
「他もそんな感じだったぞ」
内容も未だによく分からないけど、名前だけでヤバさだけはひしひしと伝わってくる。そりゃあ、俺みたいな好奇心旺盛な奴なら探すだろうな。
自分の実力に自信がある、世間知らずの子供ならなおさら。
「ならその2つの内容がどんなのか教えてください!」
「詳しくは知らねぇけど、名前のまんまなんじゃね?」
「?聞いてないんですか??」
「教えてくれる予定だった人が交通事故で大怪我しちまってよ、聞けずじまいだったんだよ」
「??どうしてそういう状況になったんですか???」
「俺にもよくわからん」
正直リーダーに聞きに行けば全て分かると思うけど、タマがやたら情報を隠している辺り、会いに行ったところで教えてくれるとは思えない。
つーか教える気があるならこの話持ってきた時に話すはずだ。
…あれ、もしかして警備員を馬車で轢いたのって反乱軍側の………。
「誰か知ってそうな人…そうだ、僕たちよりも学園にいるコン太郎先輩なら知ってますかね?」
「…」
知ってる可能性は、確かにある。
ド畜生太郎先輩はド畜生とはいえ、学園の生徒とはそれなりの友好関係を築けているらしい。
性格がアレでなんでそんな芸当ができるんだよ。
少なくとも反乱軍側からは信用されていないようで、情報らしい情報は貰えてはいなさそうだが…学生からは何か教わっているかもしれない。
それに今情報を持っていそうな人の中で、1番口が軽そうだし。
「…………聞きに行くか!」
せっかくの休みにあの顔拝みたくねぇけどな。




