プロローグ
初投稿です。自分の推しが健気なワンコ系当て馬なのでそんなキャラに幸せになって欲しい!!そんな想いで書きました。
派遣の仕事は嫌いではない、親しい人がいなくても黙々と仕事をしていれば定時に帰れるから、でもやっと慣れた頃に契約終了は毎回少なからず心にダメージを受ける。
今回も今日で契約満期。
あぁ、また新しい所かぁ、、、。
今の職場だって仕事には慣れたけれど必要以上に喋る人はいないしどこに行っても同じだけれど。
まぁ、良くある転生物みたいにブラック企業で身体ボロボロになって過労死っていう話はなさそうだけど、、、。でも、そんな転生物が大好きな私は、今日も今日とて、転生物満載のサイトを覗きこむ。
これこれ、仕事終わって家に帰って寝る前に大好きな転生物BL読むのが唯一のストレス解消なんだよね。
しかも金曜日は大好きな作品の更新日だ。
私の推しキャラ幸せになってるかな?
どれどれぇーっ、、、。
いつもの動作に指も慣れた物でさっさとスマホを開いてお目当ての最新話を読む。
え、、、、。
ちょ、ちょ、ちょ、ちぉぉぉぉおい!
開いてすぐ推しキャラ死んでる?
えっ?何これ?
心臓がドクドクと早打ちしている、身体中の血が一気に流れ込んだのか、頭がクラクラする。
ナニコレ?だって先週は幼馴染のヒロイン(BLなので正しくはヒーローだけれど)に思いを打ち明けて、幸せになる流れだったんじゃないの?それが、一週間で作者の中で何が起こったんだぁー??
え?
うそ、嘘にきまってる。
1ページ目で身体半分っ?そんなのギャグでしょ?だって今まで異世界学園物ホノボノBLだったじゃん?まぁ、魔法学校っていう有りがちな設定だったけど、なんでいきなり魔物出てきて推しがやられてるの?
こんなグロイシーンこの作者さん今まで描いた事あった?
うん、これは夢オチのやつだ。
気持ちを落ち着けて、次のページをめくる。
「ヴィクターァァァァ!!」
ヒロインが私の推しの名前を叫んで、亡骸を抱きしめている。推しはもうすでに息絶えてる模様。(せめて死に際に何が言わせてあげてぇぇぇ!)
「カーメル、危険だ。ヴィクトールは残念だが、彼は君を助けられて本望だろう。早くここから逃げる事が今一番彼にできる弔いじゃないか?」
「うぅ、ルイス、、、。わかった」
「愛してる、カーメル。君は私が守るから」
「ルイス、僕も愛してる」
私の推しを足元に抱き合う二人。
へ?何それ、だって先週はカーメルめちゃくちゃヴィクター好きだったじゃん?むしろルイスなんて、二週前から出てきて学校でぶつかったくらいじゃなかった?どこかにフラグあった?
へ?
しかもその後ヒーローが魔物倒してハッピーエンド、、、エンド?えっ?これで終わり?
今まで応援ありがとうございました!
あたりうまこ先生の次回作をお楽しみに!
って?え?打ち切り?
せめて、推しは生きたまま終わらせてやって!!!!
理不尽過ぎて、頭きた!!
幼馴染として18年間ヒロインの隣で支え続けてきた健気な推しが、こんな不幸で終わって言い訳ない。
作者が幸せにできないならば、私が、私が幸せにしてやる!!!!
あまりの怒りにスマホを持つ手が震えてる。
最後に見た景色は、血の気が引いて真っ白になった自分の左手だった。
勢いで描き始めてしまいました。ここまで読んで下さりありがとうございます。これからストーリー頑張ります。