始まる演習、蠢く悪
カルロス「簡単に説明するぞ、魔導師、妖導師、獣囀師に大きく分けられることは知っているな。魔術であれば、火、水、風、土、雷(鬼)、光、影などの系統があるが、妖術や獣術では加えて固有術が加わる。俺の場合は妖気を剣に纏わせることができる、こんな感じにな。 」
鞘から剣を抜き妖術を込めると形状変化とオーラが目に見える。周りの生徒から感嘆が漏れる。
カルロス「あんまり近づきすぎると魂喰われるから気をつけろよ(剣を鞘にしまう)。さて、まずは各々がどういう能力を持っているか試してみろ」
生徒一同「はい!」
昼過ぎ、授業が終わり昼食を教室で食べている。顔が皆へとへとである。
ゾル「お前ら、、自分のサブリナの保有量把握できるようにしておけ、、午後もあるからな(疲れ顔を見て顔を歪める)」
外を見ていた生徒「先生、なんか遺跡の方から黒煙上がってます」
ゾル「ん?(窓を見る)なんだあれば」
教室のドアを開けるカルロス、側にはロイ。
カルロス「ゾル、クリュージュ学長が呼んでいる、招集だ」
ゾル「何?おいお前ら、午後の授業だが指示があるまで教室で待機していろ、いいな」
カルロス、ロイ、ゾルが教室を出る。
ベル「何があったのかしら、ちょっとニュースみよう」
画面の声「先ほど水の遺跡が何者かによって破壊されました。経緯はいまだにわかっておりませんが、遺跡を囲っている堀の水がなくなっております。踏破したものがいるのでしょうか?あたりには黒い炎が近くの森を蹂躙しており、現在消化活動が行われています。周りには複数人負傷しているものがいるとのことです。冒険者の目撃情報によりますと白装束のものが火を放ったとの証言があったとのことです。まだ炎の消火活動が行われています。近くの方は絶対に近づかないでください。もう一度お伝えします、先ほど…」
ヴィラ「何かすごいことになっているな、もしかして番人殺された感じかな、」
キルト「何が起こってるんだろう」
画面の中「これは大変な状況ですね、週末には皇后即位130周年記念式典が近くで行われるので心配ですね、、」
学長室にて
クリュージュ「担任、非常勤諸君、呼び出してすまんのう、帝国魔法議会より声明があった。水の遺跡が踏破されたと。また同時に濃密なサブリナ解放が確認された。」
カンロス「つまりは水の番人が殺されたということですか?」
クリュージュ「解放レベルは9(10レベル中)。間違いないじゃろう。」
ロイ「9ですって!?人体への変質及び魔力暴走が起こる災害レベルじゃないですか」
クリュージュ「だがそれほどのサブリナ解放にも関わらず遺跡入口でのサブリナ放出は微量だった。つまり今回踏破し番人を殺したものに保有していたサブリナが譲渡されたと考えるのが妥当じゃろう。まずは生徒の安全第一に、それと皇后式典は実施、変更なしとのこと、週明けまで学院を閉鎖する、伝達を頼む」
担任一同「承知!」
その日生徒は各自解散することになった。
翌日夜中、森深くの中でストライカーと白装束が交戦する音が、鳴り響く。カルロスとロイも参戦している。
カルロス「こいつら何者だ、A級ストライカー並の実力があるな、」
ロイ「しかもおそらく中核にいる2人はS級相当だ、」
後ろから派手な格好で女性がやってくる。
ニーナ「よ!お待たせカルロス、ロイ!あれまだ倒せてないの?」
カルロス「ニーナ、やっと来たか、待たせやがって」
ニーナ「何よ、S級2人いてこの状況は!?」
ロイ「中々奇妙な術を使って来やがるから近くにいけない、特にこの黒い炎。こいつに触れると魔力を吸い取られるんだ、気をつけろよニーナ、、、」
リーナ「分かったゎ、つまりは光魔法でぶっ放せばいいってことね」
彼女の持つ杖が光り輝くと同時に空が一瞬にして、真っ白になった。
気付けばあたりにいた白装束に光の弓矢が降り注いでいた。
ロイ「相変わらず派手だね、やることが」
リーナ「あーら、私はただのか弱い美少女だ・け・ど」
カルロスとロイ「んなわけ、あるか!」
カルロス「さて片付けますか」とその時
ガルバン(中核の白装束バイデントの1人)「時間転生ー。」
倒れていた白装束が起き上がる。
ガルバン「死んで良いなんて一言も言ってねぇぞ」
他の白装束も起き上がる。
ニーナ「あーら、タフな男は嫌いじゃないね」
ベイル(中核の白装束バイデントのもう1人)「ガルパン、その技は使うな、今日はもう引き上げた、相手の技も分かったからな、じゃあね国の犬さんたち」
カルロス「待て!」
ベイルの大規模な魔法陣が発動、全員が見えなくなった。
カルロス「一度にあの人数を転移だと、、」
ロイ「あの回復能力はなんだ、、ニーナの千光は相手を麻痺させて捕縛する。そう簡単に治せられるものじゃない」
カルロス「なんなんだ、、」
一夜の戦いは幕を閉じた。
数日後、皇后式典当日。厳重な警備隊のもと多くのマスコミや市民で溢れて街は催し事とあって祭りムードで賑わっていた。
ヴィラ「警備隊の数は異様だな、、」
キルト「ストライカーもいるだけ招集かかってるらしい。カルロス先生とロイ先生もどこかで、、」
ベル「なんかあれ、、」
マスコミとたくさんのファンで囲まれてるカルロスとロイ。
マスコミ「遺跡の事件どう思いますか?白装束の正体は?」
カルロス「いやー、近くで遺跡も踏破されたって聞きますし、今は学院の非常勤なんで分からないですね、なぁロイ。」
ロイ「俺に話しかけないでくれ、、」
ヴィラたちはあっけ顔で式典の方に向かっていった。
すると遠くから叫び声が聞こえる。
通行人「強盗だ!魔法石を盗みやがった、誰か捕まえてくれ!」
カルロスが間髪つけずに強盗の前に立ちはだかる!
ルドルフ(盗人)「なぁっ!カルロススペンサー!なんでここに!?
カルロス「返してもらおうか魔法石」
ルドルフ「畜生、魔法石を使うしかっ!汝を不可視せよ」
カルロス「何、消えた!?」
ロイ「知ってるぞ、その顔は類人猿の野盗ルドルフだな、俺には見えているぞ、いけホロウ(フクロウの妖霊)!」
カルロス「なんで野盗が街のど真ん中で盗みをやるんだ?しかも特に人が多い中で」
ルドルフ「バイデント2人は分が悪すぎる。やつはこれを想定してたな、、白装束のやつめ」
逃げるルドルフと追いかけるカルロスとロイ。広場では皇后式典が始まる。
アナウンス「それではこれより皇后即位130年式典を始めさせていただきます。まず初めに区長よりご挨拶がございます。〜」
ルドルフ「始まったか!俺の仕事はここまでだ!が、こいつら強すぎる!(攻撃を避けながら)バイデントの力これほどとは、、!(仕方ない仕事の対価でもらった特異石は使うしかないな。)お前ら強いな!ほれ魔法石はくれてやる。」
カルロス「なんだ、こうもあっさり、何が目的だ!?」
ルドルフ「いや何、仕事をしたまでだ!だが世界がまた一つ変わるだろう、また会おうカルロススペンサー、ロイクロムウェル」
特異石が光るとその場にルドルフの姿はなかった。
場面変わって式典。
ヴィラ「お!始まってる!近くで見ようぜキルト、ベル。」
アナウンス「それでは130周年を記念して皇后よりお言葉を頂戴いたします。」
皇后「えー、皆様まずはこの式典にご参…加…」
空から1人の白装束の男性が音一つ立てず皇后の前に降り立った。
白装束「見つけたよ、人柱。」