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無色の番人  作者: 伊吉
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2.サブリナと門番

 ゾル「これで皆洗礼が終わったな、今日はこのまま解散とする。明日からは授業だからな。気合い入れてけよ」

 一同「えー、まじかよー、」「一緒に帰ろう」

 ゾル「それとヴィラとベル、そしてキルトはこの後学長室に来い。ちょっと話がある」

 ベル「あんた、また何かしでかしたんでしょ」

 ヴィラ「勘弁してくれ」

 

グリムゲートから学長室に移動

 クリュージュ「すまんのう、帰るところ呼び止めてしまって。3人には話しておこうと思う。

 まずはヴィラとベル。君たちが呼び出したリヴァイア、トルキネは半妖半獣の神獣だ。珍しがられて当然だろう、それは特異魔獣なのじゃ。扱えるものはほぼおらず極めて貴重な能力といえる。力を使って良いが実態や能力をむやみに見せるのは控えた方が良いだろう。今後標的にされることもある。まずはしっかりとパートナーとして絆を深めて鍛錬しなさい。

次にキルト。その杖だがただならぬ能力を秘めているように感じる。杖に心が飲み込まれぬように日々修練しなさい。それとその横にいる、、ペット?の子も大事に育てるんじゃよ」

 3人「はい!ありがとうございます!」


学長室を後にする。

 ベル「何かと思ったらすごいの引き当てちゃったんだね私たち」

 ヴィラ「これから強くなってあのカルロスさんと同じS級目指すぞ!!というかリヴァイアってそんなすごいのか」

 ベル「私の可愛いトルキネちゃんでボコボコにしてあげるわよ」

 ヴィラ「な、そのトルキネの角へし折ってやる、見てろよ」

 ピグボー(ヘルホース)「ウロロー!!」

 キルト「はは、ピグボーも戦いたいのか!笑、一緒に強くなろうな」

帰り姿を窓越しに見るクリュージュとゾル。

 ゾル「本当のこと伝えなくていいんですか?学長」

 クリュージュ「まだ未来ある子供じゃ。今は勉学に集中するのが重要じゃ。」

 ゾル「まさかブラックメデューサ創立メンバーの1人鬣=たてがみのグリムボーンが輪廻するとは、、あの子は何者なんだ」

 クリュージュ「ワシにも分からん。だが不穏な妖気と濃密なサブリナを纏っていることは分かる。今はまだ様子を見よう。それにあのそばにいる動物、、あれは、、ホワイトヘルホースで間違いない。

 ゾル「ホワイトヘルホースですか!?特異災害級魔獣と伝承されている、、」

 クリュージュ「ワシも文献でしか見たことがない。だがおそらくサブリナの保有量はワシ以上であろう。

 ゾル「それほどまでとは、、」

 クリュージュ「ゾル、杖とヘルホースのことは一部の者しか知らない事実、そして他言無用だ、何かあれば報告してくれ」

 ゾル「かしこまりました。それと青の番人についてどうやら白装束の新手のものが何か画策しているとの情報がありました。こちらも引き続き警戒してまいります。」

 クリュージュ「頼んだぞ、ゾル」


それから数日経ち、授業が行われている。キルトは寝ている。

 ゾル「まずはこの世界について知ってるものもいると思うが改めて基本知識を教えておこう。

 まずはサブリミナルコンプレックス=サブリナという魔力の源が存在する。サブリナは目に見えないことからインビジブルマターとも呼ばれている。

皆も知ってると思うが今の世界はとある出来事によって全く違う世界へと変貌した。異世界に飛んだんじゃない、現実にだ。都市が1日立たずして神樹の樹海へと変わったのだ。

 一度は耳にしたことがあるだろう、皇后人柱暗殺事件。記録によると皇后は強力なサブリナを保有する人物即ち人柱と呼ばれる存在であったとされている。人柱が暗殺された時に解放されたサブリナの影響により人類に異能力の発現や異形種へと変貌、街並みは神樹の創生を遂げた。今となっては獣人やエルフなども普通だが当時はヒトは人でしかなかった。この帝国学院はそんな凄惨な世界で胃能力に長けたヴィジランテによって設立された歴史のある場所である。

、、、にもかかわらずそこで居眠りしているやつは、、

 ベル「キルト、キルト、キルト!」

 キルト「はい!」

 ゾル「プールで目を覚ましてこい!(ゾルの転移魔法)」

キルトは離れたプールに落とされたのだった。

 ヴィラ「先生、最近噂になっている青の番人って何なんですか?」

 ゾル「そうだな、それも話しておこう。モルガーナ宣教師焼身自殺事件。初めて人柱の存在が明るみになった歴史的事件のことだ。その宣教師がある遺書を残していた。この世はサブリナによって新たな世界に生まれ変わるだろう、サブリナの核を守る番人たちよ、私はこの火の番人から身を引く、と。他にも文献や日記が残っており調査することになった年、さらにゴーシュ大司教殺害事件が起こった、後に彼が緑の番人であった記録が存在し確証となった。ここからはあくまで噂ではあるが残された文献や記録からサブリナの核を守る番人は7人いるとされている。セブンズゲートと呼ばれている。そしてその中の一つがいまだに踏破されていない水の遺跡の主ではないかとされている」

 他の生徒「何で番人を見つけようとするんですか」

 ゾル「記録によると番人になったものはサブリナの核を守る代わりに人智を超越した力を得られるとされている。そしてもう一つ、番人を殺したものが次の番人となるということだ。そして今この世界は力を求める武力派とサブリナの核を破壊し元の世界に戻そうする環境派が跋扈している。将来プロの魔導師、妖導師、獣囀師としてストライカーを目指すものは彼らと対峙することになるだろう。」


〜教室から演習場へ〜

 カルロス「さて皆洗礼を受けた諸君はこれから力をつけていきたいと思う。その前になぜ君たちは帝国学院に来ようと思ったか聞きたい。じゃあそこのフィル」

 フィル「もっと強くなってS級ストライカーになるためです」

カルロス「良いね、エルガ、君はどうだい?」

 エルガ「私は家が貧乏だから家族のためにたくさん力を使えるようになりたい」

 カルロス「良い心構えだ。ヴィラ、君はどうだ?」

 ヴィラ「俺は小さい頃S級ストライカーのミネルバに助けられたんだ、それは鮮烈だった。だからいつかは俺も誰かを救えるように強くなりたい」

 カルロス「ミネルバか、、(あの酒飲み姿は見せられんな)、、よし、次にベルは?」

 ベル「まぁ強いていうなら、恋人探し(ハート)?

 、私のことを一生守ってくれる強い人と出会えるように」

 ロイがすっ転げる。周りは爆笑。

 カルロス「いいじゃないか、だが君に似合う人は大変かもな、、笑」

 ベル「大変って何よ!ふんっ」

 カンロス「すまない、冗談だ。じゃあキルトは?」

 キルト「人を探してるんだ。」

 カルロス「ほぅ?」

 キルト「昔人さらいに捕まった時、その人は夜中閃光の如く現れて気付いたら悪党を退治していた。ものすごく暖かい光で、でも気がついたら朝で。たぶんS級のストライカーではないかなぁーて。だから自分もストライカーになったらいろんなところに行ってその人を探してお礼を言いたい。」

 カルロス「そうか、俺もできることがあれば手を貸そう。」

 キルト「ありがとうございます」

 カルロス「最後に1人聞いてみよう、ブラン君はどうかな?」

 ブラン「俺は悪に堕ちた父を殺すためだ」

生徒が一同に固まる。

 カルロス「どういうことだ、ブラン」

 ブラン「妹ベルナを殺した、元ブラックメデューサのバロンといえば分かるだろう」

カルロスとロイの瞳孔が一瞬開く。

 ブラン「奴を葬るために強くなる」

辺りが静まりかえり一同凍りつく。

カルロス「(手を叩く)分かった、ブラックメデューサを追放されたバロンのことは我々も知っている、いざという時に備えて君を強くしてやる」

 ロイ「おい、カルロス、語弊があるぞ」

 カルロス「おそらくバロンは俺と同等だ、だからブラン。まずは俺を殺して見せろ、殺される前に。」

ブランの目に闘志が漲る。

 カルロス「みんな教えてくれてありがとう。改めて講義と実践を始める。」


 一同「よろしくお願いします!」

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