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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
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父と伯父の話

作者: 冬野天
掲載日:2023/11/15


 僕の父さんと、父さんの兄は血が繋がっていない。

 父さんが中学二年生、伯父さんが高校一年生の時に親の再婚で義兄弟になった。

 とても仲が良く、父さんが母さんと離婚した時も一番気にかけてくれていた。

 僕の事も可愛がってくれて、何でも買い与えようとするから父さんによく怒られている。


 伯父さんは昔、少しヤンチャしていたらしい。

 当時の写真を見せてもらったけれど、少しどころじゃなかった。

 金髪で耳にはたくさんのピアス。そして鋭い眼差し。

 一緒に写っているお友達も中々の強面だ。

 そんなヤンチャをしていた伯父さんは、今では会社を経営している。

 この写真を見てからだと余計に驚きだ。


 会社も経営していて、顔立ちも整っている。

 性格だって、頼りになるし気遣いが出来る人だ。 

 なのに何故か恋人がいない。

 モテる要素はあるのに不思議に思って、本人に聞いてみた事がある。 


 「伯父さんは、どうして恋人いないの?」

 「どうしたんだ急に?」

 「社長でイケメンだから、恋人の座を狙う女性はたくさん居そうなのになと思って」

 「陽汰……まだ小五だろ? 大人びてないか?」

  伯父さんは片手で顔を覆いながらため息を付いた。


 「伯父さんはな、ずっと好きな人がいるから恋人はつくらないんだよ」

 好きな人がいると聞いて驚いた。 


 「その人に好きって伝えないの?」

 「伝えないよ。 言ったら今までみたいに会えなくなるから」

 そう言うと伯父さんは少し泣きそうな顔になった。

 聞いてはいけない事を聞いてしまったかもしれない。

 それから、伯父さんにその話をするのをやめた。  


 

 高校一年生になった僕は、その時の事を今思い出していた。

 小さな喫茶店を営む父さんのお店には、よく伯父さんが訪ねてきている。 

 僕も学校が終わったらたまに手伝っていて、今日も手伝っていた。 

 

 父さんがコーヒーを入れている姿をジッと見つめる伯父さん。

 その目はとても優しくて、愛おしいって伝えている。

 友達が好きな女子を見ている目と同じだ。

 だから、伯父さんの好きな人が分かってしまった。

 気持ちを伝えない理由も。



 でもね、伯父さん。

 伯父さんが今コーヒーを飲んでいる姿、父さんがどんな目で見ているか知ってる?

 伯父さんと同じ目で見ているんだよ。

 好きって伝えても、会えなくならないよ。 

 

 二人とも素直になっても良いのに。 

 大好きな二人が幸せになってくれる事が、僕はとても幸せなんだから。



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