爆弾発言
食堂での食事会も終盤になり、ポツポツと途切れ途切れに世間話をするグランと幸明
食事を終えたグランは先ほどより鋭い眼で幸明を見る
「何か気に障りましたか?」
幸明が尋ねる
「ふむ…なかなかどうして…」
グランは先ほどより鋭く、何かを探るように幸明を見つめる
「あまり見つめられると照れるのですが…」
「ふっ。
やはり、他の召喚された者よりも不思議だな。」
「えーと、それは褒められているので?」
「受け答え、貫禄のある態度、それらは人脈の広い貴族や商人のそれに近い。
されど、その他者と関わらない立ち位置を維持し、先ほどから口には出さぬが周囲を視野に入れている。」
「まぁ、最低限のコミュニケーションとか、周りを気にしたり気遣いは元の世界でも大事だったので。」
「面白いな、幸明も、幸明のいた世界も。
社交会でもあるまいし、当たり障りのない話ではなくもっとお前の話が聞きたい。
幸明、お前自身の話、国の話、文化、実に面白そうだ。」
グランが目を輝かせる
「興味を持っていただけで嬉しいです。
ですが…少しやることがあるので…」
「やること?
もう夜だぞ。」
「ええ、3日後くらいにはこの城を出ようかと思いまして。」
幸明のその発言にグラン、そして後ろに控えていたメルが驚く