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異世界ビジュアライズ  作者: 諸葛幸明
5/6

王子と王女

食堂



幸明が足を運ぶと数人が着席していた


とはいえ、幸明は初対面であるためとくに会話もせずに1番入口に近い席に座る


「幸明様、もっと奥側でも良いのでは?」


メルが尋ねる


「ここでいいんですよ。


私の国の作法では偉い人から順番に奥に座って、扉に近い席は1番下の者が座ると言うものがありますから。」


「この国も基本的にはそうですが、幸明様は来賓としてもてなすように王命を受けております。」



「だとしても、です。


奥側はもちろん、王様や王族、貴族の方が座るでしょうし、重要度で言うならばその次は選ばれた30人の生徒さんたちです。


だから、順番的にはこの席で正しいんです。


変ないざこざにも巻き込まれる心配もないですし。」



幸明は次々と食堂に訪れて、仲の良い者たち同士で座り始める生徒たちを眺める



「はははははは!


面白いな。」


どかっ、と音を立てながら金髪金眼の男性が幸明の向かい側に座る


「どちら様ですか?」


「なーに、ただの腹を空かせた者だ。


気にする必要も固くなる必要もない。」


男性は笑いながら言う


男性はまだ幼さを残してはいるが貫禄も兼ね備えている、と幸明は判断する、が、


「そうですか、私もなんですよ。


奇遇ですね。」


幸明は軽く返す


「奇遇、などとはおかしな話です。


食堂などは空腹にならねば訪れぬモノです。」


金髪をきれいに靡かせながら女性が話しかける


「リーシア、いきなり会話に入ってくるとは無粋ではないか…」


「お兄様がこんな端の席に座っていらっしゃるので何事かと思いまして。」


「えーと、妹さんですか?」


幸明が男性に尋ねる


「申し遅れました。


私はこの国の第二王女、リーシア・アーテムです。


以後お見知りおきください。」


リーシアが名乗る


「丁寧にありがとうございます。


この度、異世界から参りました、小鷹幸明と申します。」


幸明は立ち上がり、頭を下げながら名乗る


「あら、召喚された方の中にもある程度の礼儀がわかる方もいらっしゃるのですね。」


リーシアが幸明を値踏みするかのように見つめる


「第二王女のお兄さんとなると…」


幸明は男性を見る



「バレては仕方ないな。


第三王子のグラン・アーテムだ。


とはいえ、堅苦しいのも嫌いだし、継承権は第4位だから気軽に接してくれ。」


グランは笑いながら言う


「お姉様、そんな庶民に関わったら穢れますわ。


それと、お父様がお呼びです。」


リーシアを呼びに来た女性…とその女性に手を繋がれてる小さな女の子がいた


「お兄様は呼ばれてないのですか?」


リーシアが言う


「グラン兄様のことは放っておけ、とおっしゃってましたわ。


ほら、ウルルも行きますわよ。」


女性はウルルと呼ばれた小さな女の子の手を引いて歩く


ウルルは幸明を珍しそうに見ながら手を引かれていく



「ばいば〜い」


幸明は小さくウルルに手を振る


「ばいばい!」


ウルルは満面の笑みで手を振り返す



「こら、ウルル!


庶民に関わると穢れるわよ!」


幸明を睨んで足早にウルルを引っ張って食堂の奥に行く



「妹がすまないな。


あれは第三王女のリーン、そして第五王女のウルルだ。」


「兄弟が多いんですね。」


「父上の性欲は相当らしい…が、それに平気でついていく母親も恐ろしいがな。


我らは全員王妃の子でな…これだけの子宝に恵まれつつも側室がいないのは歴史上でもそうそうあり得ない。」



グランは呆れながらに言う


その後、アルテリア王が食堂に入ると静寂が訪れ、簡単な挨拶ののち、食事が振舞われた



豪華な料理、味も量も言う事なし



食事会は騒がしく執り行われた



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