フォーカス
「つまり、スキルはそのスキルに関係あることをし続けると経験値のようなものが溜まり、一定値でスキルを習得する。
ただ、特別に才能があると生まれた時、また、とくに関係がなくても発現することがある、と。」
幸明はメルの話をまとめる
「はい、急な発現につきましてはまだわからないことが多いとは言われますが、キッカケは何かとあるようです。
例えば、マイナス面だとダメージを受けるとか、ショックを受ける…
プラス面だと結婚した時、出産した時、仕事で出世した時、などがあるとか…
また、才能がある方ならそのスキルに関連した行動を取ると少ない経験値で発現すら方もいるそうです。」
「ふむ…。
さっぱりわからんが…俺のスキルで使ってないのはフォーカス化、か。
しかし、さっきのリスト化はやばかったしなぁ…
あんなに大量の文字が流れてたら酔うし、読めなかった…
とりあえず、フォーカス化、発動!」
ウィンドウが現れる
『フォーカス化を使用する際はリスト化も同時に使用されますがよろしいですか?』
「えーと、イエス」
『フォーカス化の条件と表示数を指定してください』
「条件?
条件無しでとりあえず5件表示で」
『条件指定がない場合、身近なモノを5件表示しますがよろしいですか?』
「身近?
イエス。」
剣術 ー 刀剣類の素振りを10000回
採取術 ー 何らかの採取5000回
会話術 ー 会話総時間が98時間48分
美食家 ー 美味しいものを99種口にする
思考 ー 思考を299時間06分する
「もしかして…これ、スキルの取得条件か?
てか、どれも簡単には取れねえ…
こーゆーのはスキルは簡単に取得できるもんじゃないのかよー…」
「どうかされたんですか?」
メルが言う
「はい、まぁ、スキルの能力で他のスキルを取るには何をどのくらいしたらいいか、見えるようになったんですけど…取得条件が結構手間がかかりまして…」
「スキルは簡単には取得できないモノなので仕方ないかと…
でもそれで見れるスキルが取れるならすごいことじゃないですか?
スキルって才能がないと取得できませんから…」
「ふむ…そう言うことなら、今表示されてるスキルは全て取得できる、ってことか。
…。
さっきのリスト化で流れた大量の文字はこのリストだったのか…
つまり、あれだけの膨大な量のスキルを俺は取得できる、と。
まぁ、条件がムズいのも多いんだろうなぁ…」
「幸明様、そろそろ夕食の時間になりますので食堂はご案内いたします。」
「お、そういえばお腹が空きましたね。
お願いします。」
幸明はメルとともに部屋をあとにした