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異世界ビジュアライズ  作者: 諸葛幸明
3/6

しかし何も起こらない

「ふぅ…これが夢である可能性も捨て切れないが…」


小鷹は大きな部屋のベッドに寝転がる


「天蓋付きのベッドなんて初めてだ…



こんな部屋が1人ずつ与えられるなんてな…」



あれから信託の間には無言の時間が流れた


それもそのはず、なぜなら誰も何も知らないからだ


アーテム王国に召喚された小鷹や生徒たちはもちろん、訳がわからない…


だがそれと大差ないのがアルテリア王だ


女神の言葉を聞いた巫女にここに30人来るよー、としか言われないんじゃわけもわからない


女神様が言うから受け入れなければ、と言うくらいのことなんだろう…




コンッコンッ…


ドアがノックされる


「はい?」


「失礼いたします。」


メイドが扉を開けて一礼してから入室する


「こちらの部屋付きのメイドに任命されました、メルと申します。」


「あ、これはご丁寧にありがとうございます。


小鷹おだか幸明ゆきあきと申します。」


互いに一礼する


「何かございましたら遠慮なくお申し付けください。」



「はい、ありがとうございます」



その会話が途切れると無言の空間が出来上がる


「あの…なぜそこに?」


いつまでも閉められた扉の前で立つメルを見て幸明は尋ねる


「何かございましたらすぐに対応させていただくためにお側に控えております。」


「えーと…その…あ、飲み物とかっていただけます?」


「かしこまりました。


紅茶でよろしいですか?」


「紅茶でとコーヒーでもお茶でもなんでも大丈夫です。」


「コーヒー?お茶?


あまり聞き馴染みないのですが幸明様の国のお飲み物なのですか?」


「あ、この世界にはないんですかね…?


とりあえず、紅茶でお願いします。」


「かしこまりました。


少々お待ちください。」


メルは部屋を出ていく




「さて…異世界モノだとステータスオープン、と言うとステータスが表示されて…」


しかし何も起こらない



「ステータスオープン!」


しかし何も起こらない


「パルプンテ」


しかし何も起こらない



「ダメかぁ…


そう言う系じゃないとか…


でも召喚があるなら魔法もあるだろうし…




とりあえず、何の情報もないんじゃ困るし…


テンプレ通りにステータスが見えればなぁ…」


ヴン…


その瞬間に幸明の目の前にステータスウィンドウが表示された



「ぬぉっ!?


まじかよ…


唱えなくてもよかったとか?


でも、何で急にステータスが…」



幸明はステータスを眺める



名前 小鷹幸明

年齢 30


状態 普通


固有スキル 『見える化』




「これだけ?


体力とかMPは表示されないのか…



そして…固有スキルが『見える化』って…


どんな能力なんだ?」



ステータスに触れた



『見える化』


自分に関する情報を視覚化することができる


また、見える化に付随する能力として


タスクパッシブ

リスト化

フォーカス化




「ふむ…さっぱりわからんが…とりあえず、タスク化はパッシブ…つまり常時発動されてる、ってことか。


だとしたら、リスト化発動!」


幸明がそう声に出した瞬間だった



ザァァァァァァァァァァァァァァァツ…………



目の前に大量の文字が流れる


「うわぁぁぁっ⁉︎」


その速度と膨大な情報量に驚き、目を回す…


そして、強い頭痛が襲う



「幸明様、どうされました⁉︎」



部屋に入って来たメルが肩を抱く



「うげっ…くっ…キャンセル…」


そう告げるの目の前がクリアになった


「大丈夫でしょうか?」


「はい、いきなりスキルが暴発して…もう大丈夫です。」


「スキルの暴発ですか?


危険なスキルをお持ちなんですか?」


「いや、私のいた世界にスキルというものがなかったので、使い方がよくわからなくて…」


「スキルがない世界?


それは…すごく大変な世界ですね。」


メルが言う


「この世界ではスキルは一般的なんですか?」


「はい。


むしろスキルがないことを行うのは不便ですし…魔法もスキルがなければそれこそ暴発する危険性がグッと高くなりますから。」



「やはり、この世界には魔法もあるんですか?」


「はい、ありますよ。


私は才能もスキルもないので使えませんが…」


「メルさんはどんなスキルを?」


「私は料理、礼儀作法、奉仕です。


どれもレベルは5ですが…」


「へぇ…って、自分のスキルはどう確認してるんですか?


ステータスチェックする方法があるんですか?」


「幸明様、少し落ち着いてください。


スキルは判別石と言う石板に手を置くと表示されますよ。


王宮にもいくつかありますし、ある程度大きな都市の出入り口にも置いてます。


スキルの他に称号や犯罪歴が確認できます。



スキルがない世界では確かに必要ないかも知れませんが、判別石はべつに珍しいものではないです。」



「なるほど…」



「とりあえず、紅茶をお入れしますね。」


メルがにこやかに言いながら紅茶を準備しはじめた



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