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一睡もしない僕は毎日、“妄想現実”の中で生きている。

作者: 七瀬








僕は、産まれてから今まで一睡もしたことがない!

寝ないから毎日の生活が、“現実じゃない妄想現実”を見ている。

僕の好きな女の子は、とっても可愛い女の子なんだ。

だけど? 何故か他の男性ひとは、彼女に見向きもしない。

僕の友達も、カッコイイ男性が多いのに女性にモテない。

僕の家族だって、僕の自慢の家族なんだよ。

父親は、平凡な会社員から仕事の成果を認められて社長になったんだ。

母親は、“ミス美女”というコンテストで最初のグランプリの女性

だったらしいんだ。

僕の妹も、母親譲りの美人だしね。

僕もそこそこのイケメンだよ。

僕は、“何不自由しない幸せを手に入れている”と信じていた。







 *




・・・でも“現実”は、違ったようだ。

僕の父親は会社員で、57歳の時にリストラにあって今も無職で家で

ゴロゴロしている。

毎日、【ヤケ酒だ!】とか言って、お酒を飲む口実を言ってるだけだ!

母親は、父親の分も頑張ってパートの仕事に就いた。

ミスコンで、グランプリに選ばれるには程遠いほど今時のおばちゃん!

僕の妹も、母親譲りの子デブでさ! まあ、モテる訳がないんだ。

実際の僕もオタクで、女性にモテる訳ない。

僕の友達もみんな、僕と同様にオタクでそりゃーモテないよ。

だから、何をするにも不便でお金もないしやりたい事もない夢もない

どうしようもない奴なんだ!





そのうち僕は家を出て自立の為、一人暮らしを始めると?

キレイな女性が毎日、僕の家に押しかけてくるようになった。

この女性は? 朝晩、時間を問わず僕の家に押しかけ来る。

どうやら? 彼女は僕の事が物凄くスキみたいで...。

僕を押し倒して、キスまで迫ってくるんだよ。

僕は彼女に、何度もヤメロと言うのに彼女はやめないんだ。






 *




・・・でも“現実”は?

僕は自立の為に、家を出て一人暮らしを始める。

ボロボロのぼろアパートだ! 父親の借金を長男の僕が返す事になった。

だから毎日、借金取りの大柄の男が時間問わず、僕の家に押しか

けて来るんだ!

僕がお金を返すまで、しつこく追いかけ回してくる。

僕がお金を返さないと、僕の体に馬乗りになり僕をボコボコに殴るんだ!

僕が何度やめてと言ってもやめてくれない!









僕は、“現実なのか? 妄想現実なのか?”既に分からなくなっている。

全ては、一睡も眠れないからだ!

いつからか? 僕は現実を見る事をやめてしまったのかもしれない。

汚い現実よりも、妄想の世界で生きている方が幸せだった。

辛い現実を、もう僕は受け入れて生きていく自信もない。

妄想現実は、僕を幸せにしてくれる薬なんだよ。

これからも僕は眠る事をしないと思うし妄想現実の中で生きていく。

“幸せとは?” 自分で作る世界の事だ!

逃げだしてもいいし、現実なんか見なくていい!

この世界が、今の僕を幸せにしてくれるならずっとこの世界に僕は

居続けるだろう。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] そうですね 居続けたいですね…
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