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1話 ありきたりな死亡エピソード

前作がダメダメだったので、2作目です。

宜しくお願いします。


………ここは何処だ?


寝起きのような意識から目覚める男。

周りに音は無く、何の気配も無い。


見渡す限り何もない空間。

自分が横になっていた地面は白い。

見えなくなる彼方まで白一色。


「俺はどうしてこんな場所に?」


男が首を捻っていると声が掛かる。



「目覚めましたか?」



声に気が付いた男は周りを見渡す。

左右、正面、後ろ、見渡すが人の気配は無い。


困惑していた男は真上からの気配を感じ、真上を見上げる。


白…



真上にはとても素晴らしい景色が広がっていた。

フワッと広がるウェディングドレスのような衣装のスカートの中、綺麗な染み一つ無い長い足、そして、神聖な絶対領域の中の白い防壁の布地。


神々しい白であった。



フワッと舞い降りた美しい女性であった。

金色の髪色に金色の瞳、身長は150cm程であろうか?


「初めまして! 気分はどうですか?」



美しい女性に話し掛けられ、どもる男。


「は、初めまして。気分ですか?特に問題ないです。」


「それは良かったです。貴方の今の状態は不安定なので、錯乱するとちょっと大変だったのよね。」


「不安定、ですか?」


特に体調に変化は無く、不思議がる男。



「えぇ、今の貴方は(・・)だけの状態なので。

錯乱したり暴れた時には魔法でちょちょいとね♪」


「!…」

慌てて手足や体を確認する男。

確かに手足が透けていた。

触感に変化が無かったので気付かなかったのである。


手足や体の透け具合を確認していた男に声が掛かる。


「何処まで覚えていますか?」


何処まで?

言われた男は記憶を辿る。


「えっと、朝起きて、出勤してて、信号を渡るときに…」


思い出した!

出勤途中、いつもの道でいつもの横断歩道、渡るときに見えた止まる気配の無い車。

横断歩道の信号は青であったが、車に止まる気配は無かった。

横断歩道には渡っている最中の小学生の女の子。

気付いた時には体が動いていた。

最近は仕事仕事で使っていなかった筋肉に鞭打って飛び出す。

手を前に、間に合え!


女の子の背中にあるランドセルに手が届いた。

届いたは良いが車は視界一杯のところまで迫っていた。

抱えて離脱は間に合わない。

仕方ない。

覚悟を決めた男は触れていたランドセルに力を込めて押し出す。

多少怪我をするかも知れないが()かれるよりはマシと判断する。


突然、飛ばされた女の子は横断歩道を渡りきった所まで飛ばされた。

あそこまで飛ばされれば車は来ないであろう。

その姿を見た男は安堵した。


その後は一瞬であった。

居眠りか、わき見か、分からないが運転手は事故の瞬間を認識していなかったようである。

ブレーキの音は無く、ドンッと響く音を一つ響かせ、ドコッ!バキャッ!グシャ!と日常生活では聞かない音を響かせながら男の意識は消失した。


後の調べで、車は過労働による居眠りで、男は即死であったようだ。



事故を思い出した男はブルッと恐怖を思い出し、体を震わせる。



「思い出したようだね。」


震える男に一声かけ、抱きしめる女性。

女性に抱きしめられ、その温もりに身を委ねる。


しばらく立ち、落ち着いた男。

「あの、ありがとうございます。」


「いえ、大丈夫ですよ。

貴方は人を助ける素晴らしい行動を起こしたのですよ。

結果は残念だったかも知れませんが、その心は大事にして下さいね!」


その女性の言葉に心がじんわり温かくなる。



「さてっ!ここに居る理由も分かったでしょうし、自己紹介するわね。

私は女神リーヌ。中級神リーヌよ!」




女神様キターーー


転生物のテンプレな展開に心踊る男であった。



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