スタンピード1
「こちらで冒険者登録を行います」
ここはギルドに入ってきた時の正面の入口初めてこのお姉さんにあった受付だ。受付の奥には丸い水晶玉のような、物体があったり、難しそうな本などが本棚に沢山並んでいる。
「わかった。これからどうすればいいんだ?」
「はい。これからおふたりには、この水晶に触れてもらいます。この水晶は触れると触れた人のステータスをカードに写してくれるんです」
受付のお姉さんは真っ白いカードと、水色の水晶を持ってきてこちらにカードと水晶を差し出してくる。
「これに触れればいいんだな?」
「ちょっ、ちょっと待って!」
リアがこちらを止めるようにやってくる。
「ねぇ!ギルのステータスって見せていいものなの?」
耳元でリアが心配そうに聞いてくる。確かに俺のステータスは人間離れしまくっている。だが
「あぁ、それなら」
そう言って水晶に手を触れる。すると水晶が光り出す。数拍置いて水晶の光がおさまると、手に持っていた白紙のカードにステータスが転写される。
名前 ギル=クロウフォード
種族 人間
Lv 1
HP 1
MP 1
STR 1
VIT 1
DEX 1
INT 1
AGI 1
ユニークスキル
纏雷
スキル
鑑定偽装
称号
偽装の天才
「すごいね君、偽装かけまくりじゃん。しかも丁寧にゾロ目....しかもスキルにこれは偽装してありますって書いてあるようなスキル見せてるし、こんな堂々と偽装されるとこっちとしてはカード偽装するのはやめて欲しいんだけど......」
いつの間にか近くまで来ていたここのギルドマスターのカノンが俺の冒険者カードを覗き見していた。
「まぁ俺のステータスはめせたらやばいもんだらけだからな、さすがに見せられないな。あといいのか?個人情報の漏洩だぞ?」
「ま、そこはギルドマスターだからいいんだよ」
にへらっと笑いをこぼすカノン。
「ほら、次はリアの番だそ」
「この水晶に触ればいいんだよね?」
「はい、触ると自動でその人の魔力をすいとってカードに転写してくれるはずです」
受付のお姉さんがリアにそう教えてくれる。
「分かりました」
リアが水晶に触る。すると先程のように水晶から光が溢れカードにステータスが転写される。俺がそのステータスの1番上の欄をちらりと見て冷や汗を垂らす。急いで偽装を施す。そういえばカノンたちにリアが竜族というのを言っていなかった。竜族は人間から見ればドラゴンと同じである。俺はリアからその違いを教えてもらったがほとんどの人間は竜族=ドラゴンの図が頭にあるため、竜族や、ドラゴンを見たら討伐隊が派遣されるのだとか。
「ご、ごめんギル」
申し訳なさそうに謝ってくる。
「気をつけろよ、ただでさえ危なっかしいのに、まぁ偽装はしてあるから安心しろよ」
「ありがとう、さすが私のギルだね。抜け目がないよ!」
「お前のじゃない」
ちなみに偽装したリアのステータスは
名前 リア=リューグレア
種族 人間
Lv 1
HP 1
MP 1
STR 1
VIT 1
DEX 1
INT 1
AGI 1
ユニークスキル
無し
スキル
無し
称号
無し
と、こんな感じにしておいた。
「うっわ、こっちも偽装済み.....手が早すぎるよ」
またも覗き見しようとしていたカノンが見れなくて残念といったような顔をしている。
「懲りないな、カノンも...」
「まぁ、それがギルドマスターですからね。ともかくこれにて冒険者登録は終了です」
受付のお姉さんがそう言って話を戻すしてくれる。
「冒険者になったので冒険者のルールを説明させてもらいます。まず1つ目に、冒険者は基本自由です。依頼をこなしてもらったり、魔物を討伐してもらうなどその辺りは本人の自由です。そして魔物や仕事、成績によってランクが上がります。ですが緊急依頼などの依頼は、ほとんどは断ることはできません。何せ緊急なので、その時は戦場に赴いてもらいます。あとは、冒険者同士のいざこざは本人同士で解決してください。怪我しても自己責任ってことです。手に負えない場合はギルドマスターが出動します。ギルドマスターはこれでも、元SSランク
冒険者なんです。その実力が認められてギルドマスターになったんですけど。とまぁ、冒険者のルールはこのくらいです」
受付のお姉さんは丁寧に冒険者のルールを教えてくれた。
「わかった、ありが....」
ドタドタドタ
バンッ
お礼を言おうとした時大柄な男がギルドの扉を開け駆け込んで来た。
「大変だ!!スタンピードが起きるぞ!!」
駆け込んだ男がそう言うと
「なんだって!?」
先程までふざけていたカノンが叫ぶ。
「今回のはどいつが原因だ?」
カノンが男にそう聞くと男は顔を暗くして
「オークロードキングです.......」
「これから緊急依頼をだす!目的はスタンピードの沈静化!本格的に起こるのはいつからだ?」
「明日にはこちらに進行してくるかと思われます」
「聞いたか!明日までに各自装備を整え、街の外に出ろ!急げ!」
「「「「「おう!!!」」」」
カノンが叫ぶとギルド内に居た冒険者たち外ぞ出ででていき準備を整え始める。
「なぁ、スタンピードって」
「あ、そうか君達は王都から来たんだよね。王都にはスタンピードは無いからね。説明するとこのリベルの街は周りに森が多い。今回は君たちがきた方向とは逆の方から来てるみたいなんだ。そもそもスタンピードって言うのはね、ある魔物を中心として構成された軍隊のようなものなんだ。今回のリーダー格それがさっき言ってたオークロードキング、オークの最上位種だね」
「そのスタンピードを止めるには?」
「そうだね、スタンピードを止めるには敵の全滅もしくはリーダー格、指揮官を打ち取ること。スタンピードの原因はまだ分かってないが魔族が裏で関与してるや魔物の特異進化など色んな理由が考えられているがまだ正確にはわかっていない。この街は数年に1度スタンピードが起きるんだ」
「まぁ、大体だか事情は理解した。緊急依頼なんだから俺らも参加なんだろ?」
「そうだね、というか今回は君が出ないとちょっとまずいかもしれないんだ」
元SSランクがいるのに何がまずいんだろうかと疑問に思っていると、その疑問にカノンは答えてくれた。
「オークロードキングはSからSSランクの冒険者じゃないと勝てないんだ」
「なるほどなオークロードをカノンが倒したとしてもその間に他の魔物たちが攻めてくるからって所か」
思ったことを口にするとそれは当たっていたようで、カノンは俺がそう言うと肯定するように頷く。
「わかった、じゃあ俺たちは明日に備えて宿で休むわ」
「そうだね、明日に備えて休んでおいてね。僕は作戦とか考えないといけないから」
そう言って俺達はギルドを出て宿を探すことにする。
ギルドがあった通りからふたつ離れた通りに宿屋があった。
「いらっしゃいませー、食事だけですか?それとも泊まっていきますか?」
宿屋に入ると看板娘なのかな?元気な猫耳の女の子が出迎えてくれる。そして、宿屋の1階食事を食べるテーブルからおぉ!というような声が聞こえてくる。もちろんリアを見てだろう。そんな声や視線を無視して
「泊まりで頼む、食事付きでひとまず1泊だ」
「わかりました、お部屋はどうなさいますか?」
部屋をどうするか?当たり前だ分けるに決まっている。
「2つ部屋を借り.......」
「いえ、ひとつで結構です」
俺がふたつ借りようとするとリアがその途中で言葉をさえぎっていた。リアの顔を見ると、まるで獲物を見すえたような顔が.....そして店内はざわつき始める。「あの嬢ちゃんやりやがった!!」「どうなんるだこの後!」
と言った声が店内から聞こえてくるが一番は目の前の看板娘顔が真っ赤で興味津々な目をこちらに向けてきていた。
「は、はい!一部屋ですね。晩御飯は1時間後になります。部屋は2階に上がって一番奥の部屋を使いください」
「ちょっ、俺は2部屋って.....」
「行きますよギル」
もはや俺の意見は通ることは無いだろう。諦めてリアに連行される俺。連行される時に食事中だった人や料理を作っていた人がこちらをずっと見ていた。
部屋に連行されベットに座らされる。あ、終わった。そう思ったが
「よし、交尾しますか」
あ、考えさせてくれる時間はくれるんだ。じゃなくて!
「しねーよ!!」
「まぁそう来ると思っていました」
そう返答が来ると思っていたような答えを回さえしてくるリア。
「なら、交尾する代わりにギルのステータス、本物の方ですよ?を見せてください」
交尾する代わりにステータス見せろってどんな交換条件だよとも思ったが断る=交尾なので大人しく従うことにした。元々リアには見せるつもりだったし
「見せるが、俺のも見せるんだリアのも見せてくれよ?」
「もちろんです!」
勢いよく返事を返すリアそんなに見たいのだろうか?
「ほらこれが俺のステータスだ」
そう言ってステータスを映し出す。
名前 ギル=クロウフォード
種族 神族
Lv582
HP 814,000
MP 1,020,080
STR 639,000
VIT 560,000
DEX 672,300
INT 412,030
AGI 820,340
ユニークスキル
纏雷 Lv 5
神器生成
神器創造
赤雷 Lv 4
スキル結合
????
スキル
鑑定偽装
危険察知
従魔契約
空間魔法
限界突破
魔力増強
筋力増強
全魔法適正Lv Max
付与Lv Max
剣術Lv Max
体術Lv Max
????
????
称号
偽装の天才、魔法を極めし者、神に最も近き者、竜族に認められしもの、????、????
「何これ?」
ギルのステータスえぐすぎ問題。ちなみに途中でギルドにスタンピードを教えてくれた人のステータスがこちら!
名前 男
種族 人間
Lv21
HP 980
MP 300
STR 750
VIT 450
DEX 653
INT 200
AGI 480
ユニークスキル
無し
スキル
剣術Lv 2
体術Lv 2
こんな感じですね。
次回はリアのステータスから入ります。
長らくステータスを出せていなかったので今回やっと出せて良かったです。
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