野外実習4
ドラゴン登場!!
ドラゴン、それはどの世界においても力の象徴。それはここでも揺らぐことの無い事実。ドラゴンの種類で違いが出るが1匹で国が滅ぶほどの脅威なドラゴンもいる。そんな絶対的な力が目の前にいた。通常のドラゴンよりも遥かに大きく、明らかに普通のドラゴンじゃないことが見てわかる。
「グルァァァ」
「ひッ」
ドラゴンがひと唸りするといつも元気があって明るかったレナが引きつったような悲鳴をあげる。レナの横を見ると顔が真っ青なクロエがいた。声を出さなかったまでも恐怖で足がカクカクしている。すると
「ここは任せろ!ギルたちは先に壁に戻って先生を呼んできてくれ!」
そう言ってドラゴンを睨み返すクロス、
「くらえ!」
クロスはそう叫ぶと胸ポケットから紙を取り出す。先生から配布された風魔法のレベル4が刻印された紙だ。
「風魔法レベル4ウィンドブローッ!」
クロスがそう叫ぶと同時に紙から風で作られた大きな腕が出てくる。そしてその風の腕がドラゴンへと殴りかかる。
風の腕がドラゴンに触れる瞬間.....
風の腕が消失した。
「は?」
そんな気の抜けたような声がクロスの口から漏れてくる。
そう、消失したのだ。ドラゴンに当たって霧散するのではなく、当たる前にもかかわらず消失したのだ。
それを見て、気を取り戻したクロスは腰にある剣に手をかけ抜刀する、そして抜刀すると同時剣に炎を纏わせる。炎魔法レベル3バーンチャージ、今クロスが使える魔法の中で1番レベルが高い魔法を剣に付与したものだ。神童と呼ばれた者の全身全霊ドラゴンに向かって一閃。
「はぁッ!!」
気合いの入った一撃それと同時に
パキンッ
「え?」
剣が...折れた....?
状況が理解できないクロス、今のは自分の全身全霊今自分ができる最高の攻撃レベル3の魔法を使いさらに付与を使い攻撃したのだ。付与すると武器は耐久度、攻撃力共に格段に上昇する。それなのに折れたのだ。ドラゴンの皮膚が硬すぎて耐久度があまりにも足りなかったということだ。
折れた剣を見つめるクロス、その目の前には、ドラゴンが高速で腕を振りあげ爪をこちらに向けて振り下ろす。
普通なら見えないはずの早すぎる一連の動作、生物は死ぬと悟った時、世界がスローに見えることがあるという。そんなスローの中でクロスは見た。
スローの中でも速すぎて目では追えないような動きをするギルを、そして次の瞬間ドラゴンは目の前にいなかった。
スローの世界が終わったクロスの目の前には、足を蹴りあげているギルの姿があった。
「は?」
今回3度目となるすっとんきょんなこえがクロスの口から出てくる。そして
「グギャァ!?」
ドラゴンの声がした。上空から。
ドラゴンも困惑の声を出している。
それを見たギルは一蹴り、先程までギルがたっていた地面がえぐれギルの姿が消える。
ギルは上空へと飛躍するとドラゴンを見添える。
「悪いな、今は野外実習なんだ、邪魔者はどこかに行ってくれ」
そう言って回し蹴りをドラゴンにかます。回し蹴りをくらったドラゴンはギルの何十倍もの体の大きさなのにも関わらずとてつもない勢いで森の奥に吹き飛ばされる。
「ギュァァア!」
と、ドラゴンの姿が見えなくなる。
ギルは地面に降り立つ。そしてギルはクロスをみる。
クロスは、なにかこちらに言いたげな顔をしているがそれを飲み込んで口を開いた。
「ありがっ」
多分、ありがとうと言いたかったのだろう。その言葉を聞き終わる前に、俺の体はすごい勢いで空中に持ってかれた。
俺は空中でクロスを見直すと
「ギ、ギルゥゥウ!!!!」
クロスは俺の名前を叫んでいた。
ギルの姿が消えた!空中に持ってかれた!!
さぁ!なんだかわかってきた人もいるかもですが、
次回ドラゴンとの出会い