野外実習3
野外実習が始まりました。
色々設定で長くなりましたがやっといいところにはいります。
目を開けると朝日が窓から顔をのぞかせていた。するとそこへ
「おーい、ギルー朝だよ、起きてるかーい?」
そんな声が扉の外から聞こえてくる。
扉を開けるとやはりいつもの金髪イケメンの姿が
「朝からそんな大声出すなよ、クロス」
「いいじゃないか、朝だからこそ元気に行こうよ」
そう言って歩き出すクロス。
「ちょっと待ってくれよ...こちとら起きたばかりなんだ着替えさせてくれ」
「わかったわかった、早くしてくれよ?」
そう言って俺は着替え始め、クロスは俺の部屋の前で俺の着替えを待っている。
「ほいほい、おまたせっと」
そう言って野外実習用の服装に着替えた俺が扉を開ける。
ちなみにクロスも俺と同じ野外実習用の服装だ。白い生地をベースにあちらこちらに金色の模様がある。いつもの服は黒色をベースとした野外実習用の反対の色合いだ。
「よしじゃあ、集合場所に行くか」
「いくかぁ」
そんな気の抜けたような声が廊下から聞こえる。
場所は変わり王都の壁の外に俺らはたっていた。王都は魔族からの襲撃に備えて、壁で覆われている。そこから外に平原が拡がっておりその奥には広大な森が見られる。今回の野外実習はこの森で行われる。
「はいはーい、みなさーん今回の実習はパーティーを組んで魔物を討伐してもらいまーす」
そう言って前に立ってのほほんと話しているおっとり系のアルナ先生がそう言った。
「みなさんは将来、魔族と戦ったりー、国を守るための騎士となるためにアルファードに来ていまーす。自分たちの力で戦って欲しいですがーいざと言う時にはこの紙を魔物に向けて魔力を流してくださーい。」
そう言ってアルナ先生が手に持っている紙を生徒たちに見えるようにヒラヒラとさせている。
「この紙はー魔術を流すとー刻印されている魔術がその紙から出るものでーす。結構強力なレベル4の魔法が刻印されているのでここの森の魔物ならワンパンですよー。」
そう言って手に持っている紙を未だヒラヒラさせているアルナ先生。
「では、早速パーティーに別れて森に入ってくださいー」
「「「「はい!」」」」
各パーティーから勢いのいい返事が上がる。
どのパーティーも気合が入っているようだ。
「よし、じゃあ僕達も行こうか」
「そうね」
「よーし!頑張っていこー!」
そう各々が声を上げる。
そして森に入って数十分....今まで討伐した魔物は、頭に角の生えているホーンラビット5体、魔力で牙を強化して突進してくる魔猪が6体と順調である。
「結構な数を倒したわね」
「そうだねー!この調子ならもうちょっと強い魔物も倒せるよー!」
「順調だけど、気を抜いたらダメだよ。気を抜いてやられるなんてよくある事だからね、用心することに越したことはないよ」
そう言ってクロエ、レナ、クロスの順に様々なことを口にする。
「そうだな、ここから先は強めな魔物が出てくるから気をつけていこう」
「そうだね」
俺がそう言うとそれに同調するようにクロスが言う。
そしてさらに奥に進む。出てくる魔物は変わらないが奥に行くほど長く生きている魔物が多く、同じ魔物でもレベルが高かったりする。
「ふぅー、これで結構倒したね」
そう言って剣をさやに収める、クロス。
他のふたりも剣と杖を収めて今倒したばかりの魔猪を見る。
「そろそろきつくなってきたね、この辺で切り上げて、帰ろうか」
そう言って壁の前に戻ろうと提案するクロス。
「そうだな、そろそろいい頃合だし、これだけの素材を持っていけば先生たちもびっくりするぞ。」
そう俺が言うとクロエがこちらを見て何か言いたげな顔をしている。
「なんだ?何か言いたいことがあるなら言ってくれてもいいんだが?」
「なら、言わせてもらおうかしら。貴方はなぜ普通の実力のようにし《・》ているの?」
なんでだ?俺今侮辱されてる?
「普通の実力ね、俺はクロスが入学条件に俺が入学することを条件としたから仕方なくこの学校に来たんだ」
「そう.....」
クロエは何かを言いたげな表情をしていたがこれ以上詮索されるとボロが出そうなのでここで話を切りあげることにした。
「まぁそんな話より、早く壁の近くまで戻るぞ」
そう言って振り返り歩こうとした、瞬間
「ッ!」
俺の頭の中で警笛が最大限に鳴った。
振り向くと、後ろの3人のさらに後ろに巨大な影があった。
大きな眼光はこちらを見すえていて、銀色の体が太陽の光を反射して眩く見える。だがそこに居たのは神などではなく、絶対的破壊の象徴、ドラゴンだった。
次回やっとドラゴンが出てきます。
書いていると読んでいるのとは違い色々考えたりしますね。