マネキン人形になったあたし(クリスマスVer.)
クリスマス直前に
失恋したからじゃない
いつであっても
同じことだったと思うよ
英語じゃ、
失恋のことを
心が破れる、
って、いうよね?
あたしの心は、破れたうえに
2度と再生できないように
綺麗さっぱり紙吹雪にされ、
(咲くや、この花、
(この花、咲くや
と、枯れ木に花を咲かせる灰に
なぞらえ虚空へばら撒かれてる
えーと、あたしにはもう一度、
あんな恋は、できないんだね?
これから死ぬまで
たとえば人を慈しむことはあっても
そこに、あの、嵐のような恋という感情が
芽生えることは、ないというのね?
えーと、あたしにはそれでは
なにも残っていない
生きている意味なんて、
もともとあいつに心を破られたとき
2度と恋なんてしない、と、
自暴自棄になって、毎晩飲み歩いては
自分を魂の抜け殻のような
マネキン人形のようなぎこちない
人間になってしまったなぁ、と、
打ちのめされて、
えーと、ほんとに、
ほんとに、あたしには、なにひとつとして
なにも残っていない
生きている意味なんて、
なにひとつないと、断言できたわ
英語じゃ、
失恋のことを
心が破れる、
って、いうよね?
あたし、心を破られたまま、
しっかりそのまま逃げられてしまい
目も当てられない、バカな顔して
心を治せず、あいつも憎んだ
あゝ、
クリスマスを迎えても
あたし、
マネキン人形のまま
ただ息していると思う
苦しみながら。
そう、
どんな幸せもあたしには届かないのを
街を彩る美しく聖なる光の中
うつむき歩きながら、
いやっていうほど
噛みしめるんだ
もう、
なにも見えやしないこの世界には
ほんとうになにもないと知ったからには
もう。