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この世界を救うにはリョナるしかない!  作者: 手厚いサービス
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召喚儀式への準備 - 1

 知らない天井だ。

 昨夜はハメを外したノーウェン辺境伯と旅の疲れからナチュラル・ハイになった面々でお祭り騒ぎになった。


 神官であらせられるキースさんは『ワインは神の血液だからセーフ』と叫びながらシャンパンを豪快に空け、イェンナさんはレストラン勤務から舌が肥えてるらしくお抱えシェフによる料理を楽しんだ後、秘蔵のボトルを出されて陥落した。


 僕はと言うと、最初は飲めないと断っていたものの舐めるだけだからと出された蜂蜜の香りがする甘いお酒をついつい飲みすぎてしまった。


 部屋を見渡す。広いベッドのシーツからイェンナさんのお見脚がチラリと……。それにキースさんまでソファーでスヤスヤと寝ている。床には空の酒瓶が転がっていた。どうやら部屋で飲み直したらしい。


 二日酔いからか、頭が痛くなり、見なかったことにしてもう一度眠ることにした。




 日が高くなり初め、再び起きると、2人ともいなくなり、部屋が片付けられていた。


「んー、よく寝た」


「おはようございます、ニシダ様」


 突然名前を呼ばれてビクリとする。


「おはようございます、えー、セバスさん」


「私めの事は、どうぞセバスとお呼びください。こちらイレブンジィズ・ティーでございます」


「ありがとう、セバス」


「ところでお風呂には入れるかな?」


「かしこまりました。当別邸には、内風呂がついておりますので準備いたします」

 言うが早いか、執事服をなびかせ、姿を消す。


「ステータス セバス」


【セバスチャン・ウィナース 執事 Lv70】

【魔法】初級治癒 中級治癒 解毒 初級爆裂魔法 中級爆裂魔法 上級爆裂魔法

【スキル】分身

【趣味】館の管理

【ステータス】HP:270 MP:112 SP:70 体力:103


 レベル70に驚いてしまったが、ステータスはそれほどでもなさそうだな、しかし分身って何でもありだな。そして趣味が館の管理。セバスさん筋金入り過ぎませんかね。





 お風呂を頂いて、正午になり昼食をみんなと食べる。



「今後の予定なのだが」

 家主であるノーウェン辺境伯が口を開く。


「ワシはまず、わが王に報告に参る。儀式は慣例により、次の日曜日になるだろう」


「今日が春の25日、水曜日だから木、金、土。準備する期間はあるようですね」


 キースさんが言葉を続ける。


「私も出るんですよ、その儀式。王都では神ユービィキリの神官は少ないですから」


「では、その間に俺とイェンナさんは誓いを行うか検討しますね」

 

「まだ腹は決めかねていると?」


「えぇ。こちらに来てまだ4日目ですよ。 神様から授かる職業、聞こえは良いですがどんな実例があるかまだ何も分かっていないです。変な職業にはつきたくないですからね。それと皆さんを疑うわけではないので気を悪くしないで頂きたいのですが、元の世界に戻れない、というのは裏が取れてないです。自分で実験する時間はなさそうですが、最低限の調査を行わないのは、怠慢でしょう」


「それもそうじゃの」


「1.聞き込み、2.文献を調べる、3.実証。聞き込みと文献の調査くらいは済ませたいです」


「よし分かった。紹介状を持たせよう。王国立図書館、王国立対魔物研究所の2箇所だ。図書館の方は【THE・ライブラリー】ヒメラギ嬢、対魔研は特任教授のアイツシュバイン殿を頼ると良いだろう。道はセバス、案内を頼む。」


「かしこまりました」


「さて、それでは食事を終えたものから活動を開始しよう。煩わしいかもしれんが、近衛兵をボディガード代わりつける。邪魔せぬように、隠密な行動を取らせる故、留意されたし」






 食事を終え、簡単な挨拶をして自室に引き上げる。


「セバス」

 

 試しに呼んでみた。流石に先ほどまで食堂にいたはずだ。来るはずが無い。



「はい、ニシダ様」


「……」

 驚きすぎて言葉が出なかった。あんたさっきまでいなかったよね。


「?」

「どうかなされましたか?」


「これからイェンナさんと街の見学に行こうと思う。主だったところまで馬車を出してくれないか?」


「それはようございます」


「従者と馬を準備いたします。5分程で出発できます、暫しお待ちください」

 スッと消えた。忍者か。




「さて」

 廊下に出て、イェンナさんの部屋をノックする。


「はい」

 ガチャリと扉が開く。


「イェンナさん、これから街を見て回りませんか?」


「良かった、誘われなかったらどうしようかと思ってました」

 手を合わせる姿がかわいい。こちらまで照れてしまう。


「セバスさんに馬車の準備をお願いしてます。直ぐに行けるはずです。ところでイェンナさんは王都はお詳しいです?」


「いえ、来たことはあるのですが、用事があってのことでしたので詳しくは無いです。ざっくりとですが、南は日用の商店が多く、東は職人達の工場が多かったと記憶してます、北は国立機関、西は……その、良く言って繁華街です、あまり治安は良くないですね。」


「城を中心に円を描くイメージですかね。住民は城壁の近くに?」


「えぇ、それぞれの職場から郊外に向かって住居を構えてる人が大半ですね」


「ニシダ様」

 突然背後から声を掛けられた。


「ウワッ、吃驚した」


「申し訳ございません。馬車の用意が出来ました。それとこちらを。坊ちゃんより預かって参りました。準備金は4日分になるとのことです。」


「わざわざすみません」

 良さそうな皮袋と招待状を受け取る。


「それでは行きましょうか」


 歩きながらこっそりと手持ちの皮袋の中身を確認する。


「オッケー コンソール」


「ステータス」


【所持金:2金貨40銀貨32銅貨】

【道具:王立図書館宛の紹介状、王立対魔物研究所宛の紹介状】


 えー、銅貨5枚で軽食だったかな。と言うことは銅貨1枚で100円くらいの価値か。

 

  3200

+ 400000

+ 2000000


240万3200円。ノーウェンさん、持たせすぎです。

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