転生、しかし……?
2話目です。会話多いです。読みにくかったらすみません。
一一一沈んでた身体が水面に上がる感覚がする……
あれ、僕はバスに轢かれて死んだんじゃないの?
もしかして走馬灯ってやつ?それとも病院に運ばれたのかな?
でも、目が開けられない…失明でもしたのかな?
じゃあ、耳は聞こえるかなと思い、耳を澄ましてみると微かに音が聞こえる。
「………。…………!」
ん、誰かいるのかな?どうやら話し声みたいだ…もう少し注意して聴いてみよう。
「これ、危なそうじゃない?なんかこのデカい繭、脈動してる気がするんだけど…」
「大丈夫だ、なんかあったら俺が切り伏せるし、ケントも盾で護ってくれるだろ!」
繭?切り伏せる?なんかよく分かんないけど、何か反応見せて生きてるってことを伝えなきゃ!
ピキッ、パキパキパキッ
そう思い手を伸ばそうと意識すると、どこかから何かが割れるような音が響いてきて、徐々に視界に光が差してくる。
「っ!!繭が割れるわ!みんな構えて!」
「おう、アオイは下がっとけ!カズキ!」
「分かってる!さて、何が出るか!」
急激に目に光が入ってきたことで、眩しさで前が見えない。
咄嗟に腕で光を遮るとともに、女の子のような高い声が僕の口から漏れでる。
「………んっ、う…ん。」
「なっ!」
「うおっ!」
「えっ?」
数回瞬きをすると見えるようになってきた。
どうやら、さっきの話し声の正体は目の前にたってる、ファンタジーな格好をした3人みたい。
しかし、どうして3人ともこんなに驚いた顔をしてるんだろう?
そう思ってたら、3人の中で紅一点の女の子が口を開いた。
「ふ、二人とも見るな〜!後ろ向いとけ〜っ!」
「お、おう!」
「ああ、ごめん!」
「ねえ、貴女大丈夫?見た通り人間じゃなさそうだけど…。」
ん?何?人間じゃない?どういうこと?
今、目の前にある腕は確かに人間の腕だと思うんだけど…あれ、僕の腕ってこんなに白くて細かったっけ?
もしかしてやせ細ったのか?と思い下を見てみる。
するとそこには……女の子の身体に巻き付くように畳まれた蝶の羽があった。
「っ!?えっ、なっ、えぇぇぇぇっ!?」
「ど、どうしたの?どこか痛いの?」
「…………いえ、どこも痛くないです!それよりも、ここは何処ですか!?ていうか、何なんですか、この状況!教えて下さい!…っ!」
身体と蝶の羽を見た瞬間パニックになり、女の子に捲したてた。
そして、女の子に縋りつこうと歩こうとしたが、足に力が入らなかった。
「取り敢えず落ち着いて、ね?そんなに一気に言われても分からないわよ。あと、貴女、裸だから予備のコート貸してあげるから、隠しといて。」
「え、あ、はい。ありがとうございます…。」
女の子に肩を貸して貰いながら歩き、女の子からフード付きの全身を覆えるような茶色いコートを借り、しっかりとボタンを閉じて着た。
「よし、ちゃんと前も閉じたわね?あそこの男2人をこっちに向かせても大丈夫?」
「大丈夫です。」
「二人ともこっち見ても大丈夫よ。」
「了解。…近寄っても大丈夫か?」
「私が近寄ってるんだから危ないわけないじゃない。」
「そうか…君はなんでこんなところにいるんだ?ここは迷宮内の隠し部屋だぞ?それと君は人間か?それも教えてくれ。」
迷宮?なんだろ、それ。ラノベとかに出てくるあれのことかな?
ってことは、もしかしなくても転生ってヤツしちゃってるの!?
それと人間か?って聞いてるけど、こっちが知りたい。女の子になってるのは取り敢えず置いといて、なんで僕の身体に蝶の羽が付いてるのか…
「すみません。ここがどこなのか、どうやってきたのか、そして、なんで自分に蝶の羽が付いてるのか、何も分からないんです…。」
「そうか、……記憶喪失ってやつか?じゃあ、名前は?」
「蝶野 雄大です。あっ、ユウダイ・チョウノ?です。」
思わず日本のときの習慣で名字から言ったけど、転生してるなら名字が後にくるから言い直しておいた。
「!おい!お前、日本人か?」
「え、そうですけど、知ってるんですか?」
「知ってるも何も、私たちも日本人よ。…まさか、私たち以外にも日本人がいるなんてね。」
この3人も日本人なのか。うーん、ますます訳分からなくなってきた。まずはこの人たちの素性とこの世界について聞いてみようかな。
「あなたたちも日本人なんですか。なら、この世界について教えてくれませんか?あと、あなた達の名前も…。」
「ええ、いいわよ。私は黄瀬 葵。こっちの世界でいうとアオイ・キセになるわね。」
「俺は成田 和輝。こっちの世界だとカズキ・ナリタだな。で、こっちの脳筋っぽいのが石山 堅斗。ケント・イシヤマだな。」
「おい!俺は脳筋じゃねぇ!成績だって平均よりは上だっつの!」
「はは、そんなに怒るなよ。で、この世界についてついて知りたいんだったよな?」
「はい。お願いします。」
眠い…