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26話目! 愛のキューピット?

 「出来たぁ!」


 ヴァレリアスキャッスル2階の奥まった場所にある【新生・魔ボラトリー】の中から女の子の叫び声が聞こえる。そしてその声を確認した魔ボラトリーの二人いる警備兵のうちの一人が足早に持ち場を離れていった。



 「リリアちゃーん!ムギュッ…アゥチッ!」


 入室制限が解けた事で入れるようになった魔ボラトリーに、この一年で胸部装甲のバージョンアップを繰り返した偽勇者が一人入ってくるなり、中にいた女の子リリアに抱きつこうとしたが、それをあっさりと阻止。


 「あれ?ヒロミ来てたの?」

 「ちょっとぉ~それはひどいよ。リリアちゃんが連絡をくれるっていうからずっと待ってたのに、いつまでたっても連絡してくれないから転移装置調べてみたらここへの転移が登録されてたから来たんだよぉ!」

 「あれ?連絡してなかったっけ?ごめんね~。忙しくて忘れてた」

 「むぐぅ!久しぶりに会ったからかリリアちゃんが可愛すぎて我慢できない!」


 再度、スキルを多用してでもリリアに抱きついて頬ずりしようとするヒロミの虚像を回避しながらヌラリクラリと回避するリリア。


 「くっ!リリアちゃんに抱きつけなくなってる」

 「ヒロミ~。私開発続きで疲れてるんだからもう寝てくるよ~。起きたらちゃんとお話しするからね。良い子で待っててね~ ふぁ~」

 「あっ!リリアちゃん。私も一緒に寝るからまってぇ~」

 「えぇ~!……寝るのを邪魔しないなら勝手にしても良いわよ。なんせもう限界ぃ~ムニュ Zzz」

 「ゲッヘッヘ~。寝てるリリアちゃんを独り占め~ジュルリ」


 部屋に向かう途中でスリープダウン?したリリアを担ぐと、魔ボラトリー前にいた衛兵から聞いたリリアの部屋へ向かう。だが先ほどまでとは違い、リリアを見るヒロミの目がさっきの下心満載の目つきでは無い事に気づいたのは少なくはない。


 「もう、いっつも心配させて……。魔具作りで根を詰め過ぎなんだよリリアちゃんは……」




 リリアの部屋の前には一人の男性がいた。ヒロミがリリアを部屋に連れ込もうとすると男が声を掛けてくる。


 「おいおい、無視すんなよ真坂」

 「えっ?誰?」

 「お、おまっ!マジで忘れてるトーンなのか?」

 「なんてね、記憶にあると雰囲気と顔つきが違うけど分かるわよ。久しぶりナギ?」

 「何故疑問形にした!? くそっ、お前と言いリリアと言い、何故俺の下の名前で呼ぶんだ!?」

 「「もちろん、そのそのガックリした表情を見たいから(だ)よっ!」」

 「お前ら最低だっ!」

 「あっ?リリア起きてたの?」

 「今気付いたんだよ。ありがとうヒロミ。部屋まで連れてきてくれたんだね」


 研究所から自室までの短い距離とはいえ、一眠りしたことで少しは疲れが取れた気がします。眠気がまた来るまでは3人で話しでもしようかと思い誘いましたが、ナギ君はまだ宰相というか魔王補佐の仕事があるので、魔ボラトリーの前にいた衛兵から知らせを聞き、長い(数週間)研究と実験の末、完成したリーベルト捜索魔具【探してヘルパーさん7号】の概要を聞いたあと、ヒロミと久しぶりの口論をしてから執務室へ戻っていきました。



 「ナギったら、年齢だけしか変わってないのね」

 「まあ、そんなもんじゃない?ナギくん的には私達とは3年もの時間のズレがあるんだからね」

 「それはそうなんだけど。同い年のはずが3歳も年上になったのがズルイ気がするのよ」

 「だね。最初見たときたった3年でちょっとイケメンになってて驚いたもん」

 「!?だだ、ダメだよ?リリアちゃん。ナギなんかと付き合ったらしたら……」

 「大丈夫。ヒロミの邪魔はしないよ。良かったねヒロミ。会えて」

 「!?もぅ、リリアちゃんいつから気付いてたの?」

 「小学校5年の時の遠足の時からそうじゃないかなぁと思ってたけど?」

 「……最初からじゃないの……そっかぁ気付かれてたんだぁ」




 ダイジェスト?で言いますと、小学校の遠足で小学生でも登れる山として、300メートル位の山に登った時、私と広美にクラスメイトの男女3人を加えた5人1班とし、登った時、前を歩いていたどこぞの登山者の落とした石が呼び石となり、巡り巡って私達の前に大きな巨石が転がり落ちてきたのです。

 私やクラスメイトたちは何とか避けることができたのですが、当時登る事に必死で体力の無かった広美は避ける事ができず、岩に押しつぶされるかと思いきや何処からとも無く走って来た葛城凪に助けられたのです。


 「大丈夫か?真坂!」

 「あ、ありがとう。 葛城……君」

 「あぁ。こう言う事にならないようにちゃんと上も向きながら歩けよ?」

 「うん」


 という事があり、それ以降広美は私を話している時も、凪君が近くを通るとその姿を視線で追っていたので、子供心の私でも分かりました。

 もちろんこの時から私は広美と凪君を近づけさせる為に、疎遠になりつつあった凪君との関係も詰めていき今に至るのです。今は先と同じように口で言い合える位になっているので、後は当人同士に任せることにしましょうか。愛?のキューピット理亜ちゃんは今日を以って卒業します!




 この後、ヒロミと色々昔話に花を咲かせ就寝。起床後は開発した魔具についてマリアやナギ君に改めて説明する必要があります。

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