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22話目! 黒ランクの脅威

 マリアに啖呵を切った手前、どういう手を使ってでも黒ランクモンスターを倒さなくてはいけません。ですが、その方法が思いつきません。一応試しに弓で攻撃【遮音・誘導・不可視】を仕掛けてみましたが黒ランク1の狼モンスターにすら当たりませんでした。

 あ、黒ランク1というのはですねモンスターだけにあてがわれたランクで黒以上のモンスターをさらにランク分けしたもので最低が黒1ランクといわれ最高が黒8までという分け方をされています。


 ちなみに人間の中で最高ランクといわれる黒ランク冒険者が一人で倒せるのはせいぜい黒2まで。

黒3から上になると黒ランクが複数人必要です。複数いても失敗した黒ランク冒険者もいたみたいですよ。

 そういうこともあり黒ランクの討伐依頼は人族はあまり受けないそうです。なので黒ランクモンスターが生息周辺の地域には人族は住まなくなって行ったわけです。


 そんな黒ランクモンスターを倒せるのがこの城にすむ兵士達な訳ですけどね。もちろん一人ではあたらずに複数人で陣を組み、追い詰めて倒すという堅実な方法をしています。

 黒ランク1モンスターにすら攻撃を当てられない私にはそれだけでも尊敬できる事です。




 「うーん。スキル付与をしても何かを感知されるんだね。一体ここの魔物は何を感じて攻撃を回避するんだろう」


 私は、たまに転送陣近くに来るモンスターを倒したりする兵士の動きを見て勉強しています。兵士達の武器を鑑定する限り、人族の住むところではあまり見かけない高品質武器ですけども普通の材質で作られていますし。 兵士達にも話を聞き魔物を相手にする時にしてはいけないことも聞いてみた。


 「そうだねぇ。この森のモンスターは魔力の流れには凄く敏感だから魔力の付与されていない攻撃が一番いいね」

 「それはつまり魔具では勝てないという事ですか?」

 「腕がよければ魔具持ちでも倒せるだろうけど、俺達からすると無い方が楽だね。もちろん魔具がない以上ある程度の腕前は必要だけどね」

 「なるほど。参考にしてみますね。ありがとうございました」



 どうやら、私はスキルに頼りすぎていたようですね。矢に付与するという時点で矢本体に魔力が宿り、それを察知してモンスターが回避するという芸当をやってのけていたという至極単純な理由。


 「でも困ったなぁ。私がスキルなしだと銀ランク程度しかないのよね。となると、変身スキルでモンスタースキルを習得して生身の状態で使いこなすのが一番手堅い方法ということになるかぁ。流石に黒ランクモンスターを相手に一人で動きを見続けるなんてできない。だからこの手段をとることにしましょう」


 私が思いついたのは数日ごとに森を巡回する兵士たちについていき、兵士達と戦うモンスターの動きを覚え習得する事。 思いついた事をすぐにマリアに相談してみると

 「何をするかはしらないけどアンタが強くなれるのなら許可するよ」とのこと。



 そういうことで私達が来る3日前(私達が城に来て一日経過しているので4日前のこと)にしたばっかりだという森の巡回を急遽組んでくれました。そして指定された場所に行くと5人の兵士がいてその内の一人が私に声をかけてきました。


 「君がマリア様の言っていた人族か。くれぐれも我々の邪魔をしないでくれよ?本音を言うと人族が同行すると我々の仕事が増えるのでね」


 口の悪い兵士だけど実際この兵士の言うように邪魔をしてしまうことがあるかもしれないので反論はできない。


 「はい。できる限り邪魔にならないようにしますので、指示をお願いします」

 「フン。言い返しもしないのか……つまらん。まあいい。我々の指示には必ず従うように!」




 転送装置からでて巡回経路を進む事1時間、出会ったモンスターは私の弓で捕らえられなかった黒ランク1の狼のモンスター【ベリアルウルフ】と始めてみる黒ランク2の移動植物型の【天狗樹老】に戦う事はなかったが黒ランク3の氷を操る鳥型モンスター【フリュンベルグ】。たった一時間で金ランクパーティだと全滅するモンスターが多く現れたのですが兵士達は手慣れた手つきでそのモンスターたちを倒していく。


 私は私で変身に活かす為、目を皿のようにしてそれぞれのモンスターの特徴・攻撃方法・クセを見て覚えていきました。とりあえず変身できる程度の情報は集まったところでまた新しいモンスターが現れました。


 黒ランク2の【スパークコング】体の回りをバチバチと雷がまとわりついているモンスターです。


 「むぅ、厄介なモンスターが近場にいたものだな……」

 「このモンスターは強いのですか?」

 「あぁ、コイツは見た目どおり雷を纏っており近寄ろうものならその雷で痺れてしまい、そこをあの豪腕で殴りつけてくるから厄介なんだ」

 「対処法はないのですか?」

 「あるにはあるが今はその魔具を持っていないんだ」

 「どういった魔具か説明して頂けますか?あと狼の魔石もいただけると助かります」

 「なにに使う気だ?」

 「この場で魔具を作ります。これでも魔具職人ですので」

 「!そうか。人族の冒険者の割には多彩な技を持っているのだな。欲しい魔具の性能は水、もしくは氷属性の魔具だ。できるか?」

 「問題ありません。簡易ですが魔石を魔具化します」



 私が魔石を受け取り10秒ほどで【絶氷】をこめ兵士に渡す。


 「ほぉ?この魔力はすばらしいな。少しは見直したぞ人族の娘。この魔力があればすぐに片付ける事ができる」



 兵士の言葉通り、スパークコングはすぐに倒された。方法は単純。スパークコングは雷を纏っている間は移動速度が遅いので魔具での攻撃が通りやすい。

 だから兵士は【絶氷】の魔石を投げスパークコングを凍結させ兵士全員の力任せの攻撃でタコ殴りにして倒したのだ。


 「もしかしてあのスパークコング私一人で倒せるんじゃ……相性良過ぎだもんね」


 その後も城の転移措置まで戻る間に私と相性最悪のベリアルウルフの群れを2度遭遇しましたが兵士達が討伐。

 城の近くに来た所で先ほど見かけたフリュンベルグとも戦闘をしましたが私がプロモ作成の為に引きこもった火山洞窟のフレアドラゴンから習得した【溶火】の魔石を使う事で兵士達が危なげなく討伐。

 うん、やっぱ魔族ってみんな強いよね。私はフリュンベルグとの戦闘時魔石付与した後は物陰に隠れて行動パターンの見学してました。もちろん変身できるようになりましたよ。



 そんなこんなで無事兵士の誰も欠けることなく巡回が終わった。いつもなら1人は重傷者が出るとのこと。


 「人族の娘!行く前の言葉を取り消そう。お前の事は邪魔にはならなかったし、むしろ我々への補助等もすばらしいものだったぞ。また巡回行く時があれば一緒に来てくれると非常に助かる」



 あの口の悪い兵士が帰ってくる頃には私のことを認めてくれてました。黒ランクを倒せる腕前を持つ人に認められるって嬉しい事ですね。


 「いえ。こちらこそありがとうございました。おかげでマリアに言われた条件達する事ができそうです」

 「そうか。俺が手伝えそうな事があれば言うといい。できる限り力になろう」

 「ありがとう。じゃあ早速一つお願いが……」

 「ふっ、いい根性している娘だ!いいだろう。すぐに訓練場を手配しよう!だが兵士以外は基本立ち入り禁止のため俺がつくことになるが構わないか?」

 「うん。でもマリアと訓練が始まるまでは誰にも言わないでほしい」

 「ふむ?なにかあるようだな。だが分かった他言はしない事を誓おう」




 朝から巡回をして城に戻ってきたのは夕方。そしてその夕方からすぐに訓練場でスキル習得をした訳だけどその風景を見ていたあの口の悪い兵士は口を大きく開けて驚いていた。

 そりゃ、人族が先ほどまで戦っていたモンスターに変身してスキルを使用してたら驚くよね。

 ベリアルウルフ・天狗樹老・フリュンベルグ・スパークコングへの変身を重ね新しく増えたスキルは次のもの達。


 ベリアルウルフからは【集団戦闘】【危機回避】

 天狗樹老からは【光陰合成】【しなる腕】←もともとは【しなる枝】でしたが人間用なので腕に変化。 

 フリュンベルグからは【反重力】

 スパークコングからは【雷光爆撃】【ドラミング】



 【集団戦闘】:集団行動時指揮能力が上昇。

 【危機回避】:本能のままに危険を回避する。

 【光陰合成】:光合成の上位スキル。光がない真っ暗闇でも大丈夫!

 【しなる腕】:使用時、間接というものがなくなる。使用後反動がある。

 【反重力 】:反重力を操る事ができる。

 【雷光爆撃】:雷を指定位置に降らせることができる。

【ドラミング】:敵対者を威嚇し、友好者には勇気を与える。



 「しなる腕以外は使えそうね。フリュンベルグからは一つしか覚えられなかったけど人のままじゃ使えないスキルだったのかもしれないね」


 とスキルの考察をしていると訓練風景を見ていた口の悪かった兵士が話しかけてきました。


 「人族の娘よ。お前は一体なにものだ?人が魔物に変身できるなど聞いたこともないぞ。その上固有スキルまで……」

 「ちゃんと約束は守ってくださいね?一応これ秘密ですから」

 「あ、あぁ。ではなくてだな?質問に答えてくれないか」

 「見てのとおり…とかしかいえませんね。私にはそういった力があり利用しているだけですから」

 「……そう、だな。すまない。だがこれだけは教えてもらおう。お前は本当に人か?」

 「人だと思います。一度は死んだ身ですけどね」

 「そ、そうか。一応忠告しておくがあまり変身しない方が良いのではないか?理由はおまえ自身で考えるといい」



 訓練が終わったので兵士と別れ私はあてがわれた自室へ戻ると部屋の前にはナギ君がいました。


 「よう!無事に戻ってこれたんだな」

 「うん、周りの兵士さんが強かったおかげで無事だよナギ君」

 「それならいいんだ。後ナギって(ry」



 ナギ君は私が心配で身に来ただけらしく、一通り安心したら自室に戻っていきました。

私も今日一日でたくさん変身したので疲れましたので寝ることにしますね……。

 あっでも何か忘れてるような気がしますけど……なんだ……った……っけ…。スゥスゥスゥ。

蔵咲理亜 ヒューマンLV41

 職業 魔狩人

 体力 533

 魔力 685

 腕力 300

 敏捷 410

 幸運 186


 スキル:【棒術】【鑑定】【隠れ身】【採取】【気配察知】【弓術】【魔具製作】【空間魔法】【交渉】【変身】【生活魔法】【調理】【腕力強化】【疾走】【命令術】【幻斬】【複製】【分解】【消滅】【不可視】

【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【異臭(封印)】【嗅覚上昇】【分裂】【槍技】【水陸両用】【幻夢】【耐寒】【絶氷】【地獄爪殺法】

【擬態】【魅惑】【透過】【幻影】【魔力増幅】【消費魔力半減】【○○(種族)特化】【神速】【早駆け】【悪路走行】【飛行】【堅牢】【気功】【威圧】【死圧】【創造魔術】【埃吸収】【保湿・乾燥防止】【保温】【冷蔵】【酸化防止】【錆止め】【持ち出し禁止】【念動】【副音声】【耐熱】【不壊】【飛沫防止】【耐雷】【耐重圧】【侵入不可】【溶火】【集団戦闘】【危機回避】【光陰合成】【しなる腕】【反重力】【雷光爆撃】【ドラミング】


 職業スキル【隠蔽】【遮音】【鷹の目】


 職業特性【追跡】【魔獣・獣特攻】


 特殊技能  【創造魔術・オリジナル】

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