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20話目! 魔王領へ。

なんか長々と書いちゃました。

次回の更新は土曜日……にできればいいな。

GW中は他の作品もあわせて更新する予定です。

 「リリア、準備はできたのかい?」


 声をかけながら私達の家に入ってきたのはいうまでもなくマリアです。入ってきたというのはおかしいかもしれませんね。マリアは私の家の地下にある転送装置からあらわれ階段を上ってきただけですし。


 「あ、マリア。もうそんな時間?」

 「私は別にお昼でもよかったんだけどねぇ。今日が楽しみで昨日の夜に寝付けないという数百年生きて来た身としては懐かしい感覚を味わったよ」

 「そ、そうなんだ?……あ、それで準備はもうとっくにできてるけどどこにいく予定なの?」

 「もちろんトトリスに来る前に私が住んでいた場所さね」

 「前に住んでいたって……お世話になったときに聞いても教えてくれなかった事よね。何でこのタイミングでそこに行く気になったの?」

 「フフッ、そこはリリアが気にする事じゃあないだろう?……まあ準備ができているのなら早速出発しようか」

 「おっけ~。じゃあヒロミ。どのくらい掛かるかわからないけどしばらくお留守番よろしくね」

 「うぅ~、リリアヂャァァァン……いがないでぇぇぇ」


 そう、今回ヒロミにはお店の留守番をかねてアイゼングラッドに残ってもらう事にしたのです。異空間にあるお店には私の家の転送装置からいけますし、お店に来客があれば家に知らせが来るので自宅待機していても問題ありませんので。


 「ちゃんと現地についたら転送先に登録しておくからそれまでは我慢してね?それともヒロミは私のお店を任せるという信頼を裏切るの?」

 「そーじゃないけどぉぉ!さみしいのはヤッなのっ!!」

 「もう、だだをこねて幼児化しないの!今の貴女がしても変なプレイにしか見えないわよ」


 今現在ヒロミの格好はなぜかバニーガールだ。理由は私の趣味かな?お店の売り子がこう言う格好していれば男性冒険者が多く来る私の店でのウケが良いのです。断じてここ一年で急成長したヒロミの巨大な双丘をウリにしてるわけじゃないですからねっ!

 ちなみに私が店に立つときの衣装はヒロミの希望があり巫女装束かゴスロリです。私の胸が薄いといわれているようで地味にショックです。一応BからCの間くらいはあるんです。でもここにきてから同じ物を食べてるのにここまで成長率が違うと遺伝子を恨んでしまいそうです。



 「この格好をさせたリリアちゃんに言われるとショックかも……」

 「それに連絡用魔具も渡してるんだし電話感覚でいつでも話せるからいいじゃない。もともと地球あっちでも似たような状況だったんだし」

 「地球の時よりこっちの方が過ごしやすいもん。リリアちゃんとずっと一緒にいれるし!」

 「ちゃんと帰って来たらいっぱい遊んであげるから。いい子にしてるのよ?」

 「リリアちゃん。子ども扱いしないでよぉ~!」



 実は昨日の夜もこういったやり取りがあったのだけど、まさか出発直前に同じ事をすることになるとは思わなかったわよ。

 そして待ってる間のマリアはといいますと……私の家にあるお茶を勝手に開け優雅に飲みながら私達のやり取りを見ていたようです。


 「おや?もう終わったのかい?」

 「マリアもそんな笑いながら見てないで、話を切ってでも連れ出してよね」

 「何故だい?あんなやり取り私の故郷ではなかなか見れるものじゃなくてねぇ。ついつい見入っちまったよ」


 どういった生活環境だったのか非常に気になるところですね。特に今から向かう先がその場所だという事ですから。ですがそれなりに空気の読めるつもりの私はこの辺を聞くことはしませんでした。マリアもあまり話したく無さそうでしたし、知りたいなら自分の目で見て調べろって事でしょう。




 「リリアちゃん……いってらっしゃい」

 「うん。いってくるね!」



 ヒロミに見送られつつ私とマリアは転送装置を起動しました。え?足で歩かないのか……ですか?

マリアに聞いたところ目的地であるマリアの故郷へは、つい1週間前に転送装置を設置した《ジャルマニース天帝国》から移動した方が早いということだったので転送で天帝国まで飛んでそこから歩きで行った方が時間短縮になるとのことです。


 歩きで向かうといいながらも私は神速スキルを使用するのですけどね。というのもマリアはスキルを使わずとも神速に通ずる能力を発揮してくれるわけでその速さに付いていくためには神速を使わざるを得ないのです。もちろん神速を使うに当たり【堅牢】・【気功】に加え【腕力強化】、【脚力強化】も併用したので障害物は全く気になりません。



 「へぇ?リリア。あんたなかなか面白そうな移動スキル持ってるんだねぇ。今の私についてこれるとは思っていなかったよ」

 「まあね。それでねマリア、話すのはいいけど方向転換は少なめでお願い……このスキル直線移動がメインだから使い勝手が悪いのよ」

 「なんだい、制限付きかい。そのスキルを戦闘でも使いこなせれば私といい勝負できるのにもったいないねぇ」

 「それならマリアとの戦闘訓練中に応用できるようにがんばってみようかな」

 「!いいねぇ。そういう方向の努力をするなら私も手伝ってあげるよ」



 ちなみにこのような速度で移動するため、モンスターが居ても跳ね飛ばしてしまったり粉砕してしまったりあって野営時に気づけば服が魔物の血で血まみれになっていました。


 「うえぇ、服が血まみれになってるし所々破れちゃってるなぁ」

 「代えの服は無いのかい?」

 「ところがどっこい、服を代えるまでもないんだよ」


 マリアの質問に私は笑いながら答え【創造魔術・オリジナル】のなかから【服飾】を選び、空間魔法の倉庫から補修素材を取り出すと1分とかからず破れた箇所の修正が完了しました。血まみれの部分は補修のついでに新しい生地に取り替え、ついでに魔石に【飛沫防止】を付与し新しくした服に【合成】しました。



 「な、なんだい今のは?リリア、アンタは一体ナニモンだい?」


 そういえばマリアには【創造魔術】のことは教えていませんでしたね。ちょうど良いので私はマリアに【創造魔術】の説明をしました。話を聞いたマリアはやはり驚いてはいましたが気持ちを持ち直すのも早かったですね。


 「そうかい、失われた古式魔術の【創造魔術】ねぇ。そんな物をいつおぼえたのか気になるところだけどそんな大事な事を私に話してもよかったのかい?」

 「うーん。マリアは、私を助けてくれた恩人だし、しばらく一緒に暮らしてていい人だと思ってるから大丈夫よ」

 「信用しすぎじゃないかねぇ?」

 「というかマリアには聞かれなくても教えようと思ってた事だからね。それに私にはまだマリアに言ってない秘密も結構あるし」

 「へぇ!?ソイツはすごく気になるねぇ。ソイツは教えてもらえるのかい?」

 「今教えたら戦闘訓練で対策取られちゃうから今は秘密かな。訓練中にはみせることになるよきっと」

 「そういうことなら訓練を楽しみにしておこうかねぇ。そんじゃ今日のところは寝るとしようかい。私の故郷まではまだ数日掛かるから。とはいっても初日で予想外の距離を稼げたおかげで日程的には余裕ができたから問題ではないけどね」



 という事で私達は二人してテントの中に。このテントオークキング製の魔石を使っていたものですけど先月マリアがたくさん納品?してくれた黒魔石のおかげで【隠蔽・不壊・堅牢・耐熱・耐冷・耐雷・耐重圧・侵入不可】等といった鉄壁な防御機能があるものにヴァージョンアップされ、ドラゴンが100体乗ってもだーい丈夫!といえる程の強さを誇ります。



 「なるほどねぇ。このテント私でも壊すのに時間が掛かりそうさね」

 「えぇ?一応これ、【不壊】属性ついてるんだけど壊せるの?」

 「当然さね。不壊とはいえ不壊の定義以上の力をこめられれば壊れるさ。だからこのテントも絶対に安心という事ではないね」

 「そんなぁ!信じられない!今の発言は看過できないわよマリア。明日でいいから同じ性能の魔具壊して見せてよ」

 「いいよ。私の力の一端を見せてあげるよ。ふふふっ」



 という訳で次の日の朝早くから二人して起き出し、朝食をとる。本日の食事当番は私で創造魔術を使わず魔具と腕だけで作りました。


 「うん、腕は落ちてないさね。だけどリリア、どうせなら【創造魔術】で作った料理も出してほしかったねぇ」

 「じゃあ昼食はそれで作るよ。それでマリア……」

 「分かってるよ。昨日の件だろう?魔具を出してみな」

 「うん。これで壊せなかったらマリアのこと凄く笑ってやるんだからね」

 「それは腹が立つねぇ。なおさら壊す気が起きたよ」



 結論から言いますと30分も掛からず私の魔具はきれいさっぱりと破壊されました。


 「そ、そんな。ほんとに黒ランク魔石の【不壊】でも壊されちゃった……」

 「どうだい?まあ予想以上に硬かったから17%くらい本気出しちまったけどねぇ」

 「えぇ、17%って微妙……じゃなくてあの威力で2割弱ってのが恐ろしいんだけど……」


 私達の目の前には底までの目測で20mくらいの深いクレーターができており、地下から湧き出した水で池……が出来つつあります。

まあ生き物は居ませんけどね。でも数日中には水がたまって動物や魔物の水のみ場になってしまいそうです。



 「えっと、マリア。今からいくマリアの故郷にあの強さの存在は他にもいるの?」

 「そうさねぇ……思いつくのは2人かねぇ……。あくまでもあの強さの攻撃を出せる者だろう?」

 「ふ、二人もいるんだ……」

 「安心しな。故郷には私以上の強さを持つ者は居ないよ。今言った二人も強く見積もって私の17%程度の実力しかないからねぇ」

 「17%程度……程度かぁ。私では間違いなく勝てないよね」

 「ふふふ、確かに今のリリアじゃあ厳しいだろうが戦い方によってはいい勝負できるんじゃないかねぇ」

 「私の戦闘スタイルに関してはマリアと戦いながらその辺は考えてみるよ」




 ちょっと早めの昼食 (創造魔術で作った)を食べるとその出来上がりにマリアは初めて自分で負けを認めた。マリアにとっては今まで味わった事のない至高の味だったそうだ。

 だけど次の瞬間には、その味を越えてやるさね!といいながら更に料理にハマっていく事になる。




 昼食を終え、私達はまた神速などで荒野を進む。昨日と同様モンスターが居たが気にせず跳ね飛ばしていき、夜になったらテントで就寝するという流れをその後3日行いました。




 「見えたね。あの森は魔王領の魔性の森といわれてるんだよ。私達からすると庭の森なんだけどね」

 「え?魔王領?この世界に魔王なんて居たの?」

 「そりゃあいるさね。とは言っても別に人族に対して侵略をしたり危害を与えたりなどはしていないよ?むしろ人族同士の方が争いが多いねぇ」

 「あーそれは分かる気がする。元の世界でも私のいた国はあまり縁がなかったけど外国にでれば戦争はあったもの」



 マリアに導かれるまま、私は魔性の森へ入りました。すると嫌な予感がビンビンに感じ取れました。

私の気配察知がこんなに反応するって事はもしかしなくてもほとんどのモンスターが格上ってことよねぇ。


 そんな私の状況を知ってか知らずかマリアは鼻歌を歌いながらズンズン森を進む。ちなみにマリアの鼻歌だけど多分音がズレてる……。い、いや、指摘はしないよ?この世界の音楽はズレてるように感じるだけかもしれないし。


 道中のモンスターたちですがマリアの死圧が発動と同時に大人しく逃げていきました。私の死圧だと襲ってくるかもしれませんね。それよりもマリア、当然のように死圧を使ってますけど私に死圧耐性なかったら死んでますよきっと。



 「見えたよ。アレが魔王の城といわれる《ヴァレリアスキャッスル》さね」


 マリアの視線の方を見るとなんというか荘厳な雰囲気のお城がありました。地球にある建物では表現できませんね。というか、どうやって作っているんでしょうか。お城が浮いています。


 私の【創造魔術】なら兎も角として今のこの時代に浮かせる技術はないはずです……。

そんな内心を悟ったのかマリアが説明をしてくれました。


 「ヴァレリアスキャッスルは遥か昔私が生まれるよりも前から存在している魔王の城よ。記録によれば初代魔王のヴァレリアス・リベル・ウロボラスが自らの力で作ったとされているね」

 「えぇ?魔王様ともあろう方がが自分で城を作ったんだ?凄いね」

 「だねぇ。力に自信のある私でも、こういった浮く城を作ることはできないからねぇ」

 「なるほど~」



 という説明を受けながら城門に向かう。あ、お城までは転送装置があるそうで、位置的には城門の見える場所の真下みたい。

 マリアが進む道をついていくと古びた遺跡がありその中に古い方だが転送装置が見える。もちろん遺跡の前には数人の魔族が門番としてたっています。



 「ご苦労!門を通るけど構わないね?」


 マリアが声をかけると門番はマリアを見て驚愕の顔を浮かべました。


 「はっ!え、えぇ!?ま、魔王様!お帰りなさいませ!」



 ん?いまちょっと聞き捨てならない単語が聞こえたような?



 「ほらリリア!さっさといくよ」

 「う、うん分かった」



 困惑する私を余所にマリアは転送装置で移動していったので門番に一礼してから慌ててついていく私。

そしてそれを驚いた表情のまま見送る門番達。



 「さて、ちょっと驚かせたみたいだけど無事城に着いたね」

 「ちょっとどころじゃないくらい驚いたんだけど?てかマリアが魔王様だったなんて」

 「いやだねぇ、リリア。私は魔王の前に元がつくのさ。だから今は力を持った一般魔族さね」

 「元……ねぇ。でもあの門番さん。魔王様って今でも敬ってたみたいだけど?」

 「それこそ私には関係ないさね。ちゃんと出て行く前に魔王の座を退位して後釜も用意したからね」

 「ふーん。まあいいっか。それでマリアこの街で寝る場所どうするの?魔王様辞めたなら城の中には入れないんでしょ?」

 「そうでもないさ。私の名前……覚えてるかい?」

 「えっと、そういえば昨日聞いたっけ。たしかマリア・リベル・ウロボラスだよね……ウロボラス?」


 ウロボラスという苗字はつい先ほど初代魔王様の説明時に聞いたばかりですよね。私が気付いた所でマリアはニヤリと笑みを浮かべるとウンウンと頷きました。


 「そういうことさ。城自体が私の家だから帰ることには問題ないのさ」


 という訳で私達二人はお城の中にある宮殿へいく。もちろんすれ違う人たち皆が一様に驚いた表情を浮かべた後に安堵の表情も浮かべていたのが……私、非常に気になります。



 宮殿前の門番にも顔パスで通され、マリアがもともと使っていた部屋に通されました。



 「おぉ?マリア、この部屋のもの全部凄いね」

 「そうかい?私にとっちゃ、見慣れたものだけどねぇ」


 その部屋は煌びやかな飾りはないですが、上に立つものの部屋としてふさわしい装飾品が置かれ鑑定してみた所、古代からある調度品だと気づきました。


 「たった2年だけど懐かしいもんだねぇ」


 ポツリと呟かれた一言だけど近くにいた私は聞き逃しませんでした。





 「ままま、魔王さまぁぁぁ」


 廊下の方から大声でしかもかなりの速さでマリアの部屋に走ってくる存在を感じ取れました。


 「なんだい?騒々しい。帰ってきていきなりアンタとは話したくないよ。帰っとくれ」


 部屋の中から外に向かってすげなくあしらうマリアはちょっとカッコイイと思いました。


 「も、申し訳ありませんがそれはできかねます!火急の用件がございまして」

 「イヤだよ?私は魔王をやめたんだからね。そういったのは弟に任せればいいじゃないか」

 「それがですね、弟君……リーベルト様が2日前より行方不明となっておりまして……」

 「……な、なんだって?リーベルトが行方不明になるなんて何の冗談だい」

 「冗談ではございません。事実でございましてこの事は既に場内に限らず城下にまで広まってる始末。なにとぞリーベルト様の捜索に協力いただけませんか?」



 結局マリアも予想外の案件だったらしく部屋の外にいた男を招き入れました。その姿はなんか見覚えがあるようなないような? ですが男の方は私に気付くことなくマリアと話を始める。


 「詳しく話しな、カツラギ。帰っていきなり厄介ごとに巻き込まれるなんてね……ツイてないさね」

 「申し訳ありません。リーベルト様が行方不明になったときのことからお話しますと……」




 話によるとマリアの弟でマリアの次に即位した魔王であるリーベルトが公務の途中で消えるように居なくなったとのこと。城の中や森も捜索したが全く手がかりすらつかめないという。


 「そうかい、考えられるとしたら魔族召喚の儀……そこに居るリリアのように異世界に呼ばれた可能性もあるねぇ」

 「は?異世界から……ですと?」


 そこでようやくカツラギと呼ばれた男がリリアに気付く。



 「え!?お前は蔵咲理亜??」

 「や、やっほー。ナギ君。久しぶり?」


 カツラギと呼ばれた男の名前は本名【葛城凪】といい、私の元クラスメートで幼馴染でもあります。

ちなみに本人はナギ君と呼ばれるのを非常に嫌がります。女っぽい名前だからイヤだそうです。



 「ナギっていうなあぁぁ!ってこの呼び方するってこたぁ本当に理亜なのか」

 「ナギ君こそなんでこの世界に居るのさ?呼ばれたの?それとも……」

 「俺か?俺は気付いたらこの森に居てモンスターに殺されそうになったとき先代魔王様……マリア様に助けてもらったんだ。それ以降はお城で雑用や参謀っぽいことをやっている。あとナギっていうなよ?」

 「森で助けられた……って私と同じ展開ね。モンスターのランクは桁違いだけど」

 「お前もかよ……てかそれよりも地球で死んだお前が何故ここにいるかの方が不思議なんだが?」



 「オッホン。カツラギはリリアと知り合いなんだね……ということはアンタもリリアと同じ世界からの来訪者ということになるが……」


 話に花が咲き始めたところでマリアから横槍が入る。そうでした今はリーベルト様を探すという話でしたね。


 「申し訳ありません。マリア様。お察しの通り俺とコイツとは小さい頃から住んでいた場所も近くだったんですよ」

 「そうかい。まあリリアの知り合いならそれはそれでいいさね」



 「ねぇ、マリア?私達のせいで脱線しちゃったけど元の話に戻さなくて良いの?」

 「おっと?そうだったねぇ。リーベルトが召喚されたかもしれないことだけどその場合は召喚契約が終わるのを待つしかないねぇ」


 マリアがそういうとナギ君……じゃなかったカツラギが焦りはじめました。


 「それは困りますよ!ただでさえ魔王としての仕事がたまっているのに!」

 「そうだろうねぇ。ならカツラギ。しばらくはアンタが魔王をやんな」

 「へぁっ?むむ、無理っすよぉ!参謀とかいわれてますが重大な用件は全部魔王様任せだったんっすから」

 「なんだい。根性がないねぇ。男なら誰しも王の座に付きたいものじゃないのかい?」

 「そうは言われましてもマリア様が戻られた以上、俺ごときが王座に付くよりもマリア様に一時的でも復帰して頂ける方が領民は喜びますよ」

 「それはお断りさね!」

 「ど、どうしてですか!?」

 「めんどくさいね!リーベルトの捜索はまあ手伝ってやるが、魔王の座に戻るのはごめんさね」

 「そ、そんなめんどくさいとか理由が酷いですよ~」


 カツラギはもう涙目だ。というかここにきて私はようやく気付きました。マリアを見た後安堵を浮かべたこの城の人たち。きっとマリアならば解決してくれると信じているからだったのでしょうね。


 「ねぇマリア。弟さんリーベルト様?だっけ……の捜索は私がするからマリアは領民の人を安心させてあげてよ」

 「だけどねぇリリア。リリアじゃあこの森のモンスター相手はきついだろう?」

 「うん。近接戦ではきついというか無理ね。でもマリア、私はこれでも金ランク冒険者だよ?モンスターランクが黒だというなら私は様々な方法を駆使して黒ランクモンスターも倒して見せるよ」



 私が冒険者ランクを口にしたとき、ナギ君……あ、カツラギはポカァンと口を開けていました。そんなに私が高ランク冒険者ということが意外だったのかな?



 「へぇ?そこまで言うなら証拠を見せてもらおうかねぇ。城の周りにいるどの黒ランクモンスターでもいいから倒してきな。期限は今日を含めて3日。それをこなすことができたらリリアの希望を飲もうじゃないか」

 「分かった。任せて!」




 という感じで話がまとまり、その後はナギ君に呼び出されました。きっとさっき口走ってた件についてだと思うけど。


 「理亜が生きてたことは素直に嬉しいけどよ。何でこんな危ないことしてんだよ」

 「ナギ君。その表現は間違ってるよ?私は確かに地球では死んでる。これは現場に居たヒロミに確認してるから間違いないよ」

 「広美?って真坂もこっちにきてるのかよ?」

 「うん、アイゼングラッドって町で一緒に暮らしてるよ」

 「アイゼングラッドか、えらい遠い場所だな」

 「そうでもないよ?私が転送装置作ってから移動は楽になったもの」

 「はぁ?理亜が転送装置を作っただって?モノ作りもできて冒険者ランクも高いって事かよ。やべぇな俺なんもできてないぜ……」

 「ほらほらナギ君。勝手に落ち込んでないの。ナギ君なら自分にできることがわかってるよね?地球にいたときのようにできることからやっていけばいいんだよ」

 「……だな。あとナギっていうなってば……」



 その後も地球での思い出から今現在こちらで起きている事件?を教えてもらいました。でも機密に関することは聞いてないよ?一番タメになった話は森に生息しているモンスターの特徴かな?


 ナギ君との会話の後、魔王城のあまり人が来ない部屋に転送装置を置かせてもらいました。ちゃんとマリアに許可を取ったよ?マリアの家でもあるんだからリーベルト様に許可を得られない以上マリアにお願いするしかないもんね。


 マリアから出された課題だけど、とりあえず明後日までに解決しないとだめだから明日は本気出すよ!

蔵咲理亜 ヒューマンLV41

 職業 魔狩人

 体力 533

 魔力 685

 腕力 300

 敏捷 410

 幸運 186


 スキル:【棒術】【鑑定】【隠れ身】【採取】【気配察知】【弓術】【魔具製作】【空間魔法】【交渉】【変身】【生活魔法】【調理】【腕力強化】【疾走】【命令術】【幻斬】【複製】【分解】【消滅】【不可視】

【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【異臭(封印)】【嗅覚上昇】【分裂】【槍技】【水陸両用】【幻夢】【耐寒】【絶氷】【地獄爪殺法】

【擬態】【魅惑】【透過】【幻影】【魔力増幅】【消費魔力半減】【○○(種族)特化】【神速】【早駆け】【悪路走行】【飛行】【堅牢】【気功】【威圧】【死圧】【創造魔術】【埃吸収】【保湿・乾燥防止】【保温】【冷蔵】【酸化防止】【錆止め】【持ち出し禁止】【念動】【副音声】【耐熱】【不壊】【飛沫防止】【耐雷】【耐重圧】【侵入不可】


 職業スキル【隠蔽】【遮音】【鷹の目】


 職業特性【追跡】【魔獣・獣特攻】


 特殊技能  【創造魔術・オリジナル】

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