18話目! プロモ制作してみます
今回は空間魔法で店を作ったときのお話とその入店方法と店の宣伝についてを軽く思い返しますね。
まずは物理的な意味でのお店作りのほうからですけども、先も述べたようにこの転移装置を設置するために世界中を冒険し道中で集めたクズから希少素材まで空間魔法に入れてあったのでそれを【創造魔術】を使い【空間魔法】の中で形を作ります。素材の例を挙げますと魔賢樹という魔法を使うトレントの最上級のモンスターだったり、妖精さん達に出会って連れて行かれた先で得た世界樹だったりですね。
それを製材し床材、屋根、壁、扉にあたる部分を作ります。
次に空間魔法と創造魔術を組み合わせて作り出した空間魔法に属する3つ目の魔法【異空間創造】で作った異空間に移動し先ほど作った世界樹製の床材の下に魔石を敷き詰め、【腕力強化】に物を言わせ残りの屋根、壁・扉部分を積み木で遊ぶ子供のように組み立てると……あっ!という間にログハウスの出来上がりなのです!
外観ができた後は内装ですよね。ぶっちゃけつかった素材と各所にある床下収納……ではなく床下魔石に付与効果【埃吸収】・【保湿・乾燥防止】・【保温】・【冷蔵】・【酸化防止】・【錆止め】・【持ち出し禁止】等の効果をつけておきました。最初の方はともかく最後の方は「?」と思われる方がいらっしゃるでしょうから簡単に説明を。
【埃吸収】:他から持ち込まれた塵や埃、微生物を吸着し吸収する。
【保湿・乾燥防止】:乾燥に弱い薬や食材などを保管する。
【保温】:温度変化に弱い食材や素材を保管する。
【冷蔵】:常温や高温に弱い素材を保管する。
【酸化防止】:ポーションなどの回復アイテムは酸化しやすいのでこの効果をつけておかないとだめ。
【錆止め】:武器や鎧など鉄など錆に関連する素材を守るための付与効果。
【持ち出し禁止】:会計の済んでいないものを店外に持ち出すことができない。もし、持ち出したりしたら……(ヒィィ)
とこんなものでしょうか。もちろんこれらのスキルもモンスターから頂いたのではなくアイテム等に含まれる効果を習得しただけの話。それを色々組み合わせる事でまた新しいスキルがたくさん増えたのですがもう面倒です!多すぎて書いてたらきっと3回くらい日が暮れそうです(そんな気合も根性もありませんよ!)
お店作りはこの辺でいいとしまして次はお店の利用条件などですね。
「ヒロミ~。あなた一人で潜れるダンジョンってどのくらいまであったっけ?」
「え?う~んとね、ボスが金10ランクまでなら一人でも行けるよ?もちろん罠回避用魔具とか全部借りた上での話しだけど」
「それは当然よ?金10まで潜れるのかぁ。それなら話は早そうね」
「リリアちゃんそんなこと聞いてどうするつもりだったの?」
「私が作った店が異空間にあるじゃない?基本は転移装置からのランダム転移で到着する設定にしようと思うんだけど、それじゃ店に来るのが目的の場合、転移装置利用代がバカにならないじゃない?」
「うん。そうだね。転移を何回使えば着くのかも分からないもんね」
「そこで考えたのだけど。転移無料券を作って適当なダンジョンに放り込んでいくのよ。今考えてるのは次の2つよ。他はまた後々考える事にするつもりよ」
1・ギルドのつけていた冒険者のランク制度、ダンジョン攻略難易度でもある 黒(15~)・金(10~14)・銀(4~9)・銅(1~3)の各ダンジョンに私の店に間違いなくこれるようになる魔具を色ランク別に設置する。黒ダンジョンで取得した黒の利用券で店に来れば、それにふさわしい最高級素材、神話級付与能力等がついた商品を選べる。その分値段は張りますけどね?まあ黒ランクに成れるならお金位持ってるでしょうし問題ないでしょう。
金の利用券なら黒には劣るけど上級な素材を使った商品を……といった具合に使用された転移券で扱う商品を変えていく事。
銀・銅もその利用券の色により選べる商品が変わります。ちなみに転移装置でランダムで来たお客様には銀ランクまでにお出しする高性能な商品を掘り出し物として並べる予定です。掴みは大事ですものね。
2・ダンジョン以外の入手方法として冒険者ギルドに適当な依頼を出してその副報酬として渡すのもありですね。この場合一定数を集める事で転送利用券に変化するように設定しておきましょうか。こちらの方法でこられた場合は、ランダム時とほぼ同じ対応としましょうか。
ちなみにどの方法で来ても装備品や魔具の製作予約はできますが性能に関しては冒険者ランクに依存します。素材や魔石の持込まれればその分値引きもする予定です。
店を作っておいて言うのもなんですけど私達2人だけならもう一生働かなくていい位の蓄えがありますし、それに加え転送装置利用料が毎月入りますから。それでも店を作ったのは暇が嫌だったからという一言に尽きますね。
私が生前読んだ他の異世界ものでしたら、異世界に来た主人公はゴタゴタに巻き込まれたり、自分から首を突っ込んでいきますが私はそういうのはごめんです。暇はたしかに嫌なんですけどそういった変なイベントを経験したいとも思っていませんから。何事も平凡が一番なんですよ?
「そうだ!プロモを撮りましょうか!」
「プロモ……ってプロモーションビデオの事?なんで?」
「なんでって……新装オープンするお店の存在を世間に知らせるために決まっているでしょう?」
「……そんな宣伝しないといけない場所に店を作るなら初めから商業ギルドに頭を下げて土地を借りればよかったのに」
「私の頭はそこまで安くないのよ?……冗談よ」
「本気で考えてそうだけど?」
「じょ、冗談なのよ?」
「ジィ~」
とりあえず私は先ほどからずーっとジト目を向けるヒロミにプロモを作る経緯を話し、何とか納得してもらいました。
プロモ撮影のために私達はたくさんの土地を行ったり来たりしましたよ。
最初こそ着ぐるみを使って【念動】【副音声】スキルを使いましたけどそれじゃリアリティにかけるというか……。
そういった理由でリアリティを求め、辺り一面雪の国の氷の洞窟から砂漠の国の火山洞窟やダンジョンに潜ったりしましたので。この辺りは一通り2人で踏破済みでしたのでワイワイいいながら遠足してました。ちなみにその時それぞれの場所で出会った冒険者が驚愕の表情を浮かべていましたけど気にしません。
雪国で薄手のTシャツ(耐寒付与)とミニスカ(耐寒付与)だったり、物凄くあつい火山洞窟内でコート(耐熱付与)を何重にも着込んだりしたくらいですから大したことありませんよね?
ちなみにこの二つの場所をあげたのはこの洞窟ないしダンジョンボスがドラゴンだからです。
プロモを撮るに当たって必要なのはまずはインパクト!迫力のあるドラゴンに対し私のような女の細腕で振るう武器でドラゴンを倒す事ができればきっとインパクト十分だと思うのですよね。
あ、倒す事ができればじゃないですね。倒せるのは間違いありませんのでぶっちゃけヤラセです。
「リリアちゃんもっと右~……あっ行き過ぎ!少し左に戻って~……そこでポーズ!」
「あいっ!(キラーン)」
「GYaoooo~!」
氷のドラゴンのすぐ隣で有名人?との記念撮影をすませ、必死に戦ってる感を出しながら少しゆっくり目に戦っている。いつもみたいにあっさり倒しちゃうと見た本人もヤラセだと気づいちゃうもんね?
ちなみに会話から分かるようにキャストは、主人公兼ヒロイン=女優の私、モンスター役は天然物の氷属性のドラゴンである氷竜、カメラマンはヒロミでお送りしておりまーす。
「うーん、ヒロミ~私あまり剣は好きじゃないんだけど……」
「リリアちゃんは文句言わない!まだ斧、槍、ハンマー、刀、棒など他にもあるんだからね!」
「弓はまだなの?」
「リリアちゃんが弓を使ったらすぐに倒したーって休憩取るもん。そんなことはちゃんと撮影のノルマをこなしてからにしてよね」
「ぐぅ、ヒロミが鬼だぁ……」
「……何か言った?リリアちゃん?」
「な、なんでもないよ?早く撮影の残りも頑張ろう!?」
「怪しい……でもその意見は事実だもんね」
この後何度も撮影は続き、狩られた氷竜の数は14頭。ドラゴン系素材がまた多く手に入りましたね。
後は適当にダンジョン内の永久結晶も幾つか頂いたので次の目的地の砂漠にある火のダンジョンへ行きますかね~。
火のダンジョンの事は大半省きます。氷のダンジョンと同じく火竜の攻撃を華麗に?避けたりしながら決めポーズを取る簡単なお仕事です。氷とは別バージョンで撮りたかったのでここに来たわけですけどやってる事はフィールド環境が違う以外同じですので。
この撮影で狩られた火竜の数は16頭。もちろん丸ごとお持ち帰りです。
これらの素材は宣伝用のエサに使いましょうか。ウロコ一枚、肉1kgでも超高級食材や素材ですからね。
大分と端折りましたが、右往左往しながら編集作業を終えたので各町に設置された転送装置を通じてプロモを流しました。女の人が武器を持ち一人でドラゴンを倒すところが写っている。
長すぎると見てくれない人もいるのでドラゴン1回当たり4分で倒すように心がけました!
参考までに本気を出せば7秒ですよ?
「こんな私でもこの店の武器を使えばドラゴンを倒せました!」
と現代日本では誰にも通じないだろう大根役者ぶりだったけどこの世界には映像技術はないのでそれだけで掴みはバッチリでした。転送装置に突如写る映像に街の人や冒険者は興味津々。町に住む男の子たちは「すげぇすげぇ」のコールだし、冒険者達はというと「女の子の剣捌きも良いがあの武器も確かにいいものだな……」という感想を口にしていた。
初日は流石に1人しか来なかったけど(きたのかよ!?)お客さんは店の売り物に満足して帰ってくれました。これで口コミでも広まるかもしれません。さすが異世界、日本では考えられないくらいチョロい!
蔵咲理亜 ヒューマンLV34
職業 魔狩人
体力 452
魔力 593
腕力 240
敏捷 388
幸運 120
スキル:【棒術】【鑑定】【隠れ身】【採取】【気配察知】【弓術】【魔具製作】【空間魔法】【交渉】【変身】【生活魔法】【調理】【腕力強化】【疾走】【命令術】【幻斬】【複製】【分解】【消滅】【不可視】
【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【異臭(封印)】【嗅覚上昇】【分裂】【槍技】【水陸両用】【幻夢】【耐寒】【絶氷】【地獄爪殺法】
【擬態】【魅惑】【透過】【幻影】【魔力増幅】【消費魔力半減】【○○(種族)特化】【神速】【早駆け】【悪路走行】【飛行】【堅牢】【気功】【威圧】【死圧】【創造魔術】【埃吸収】【保湿・乾燥防止】【保温】【冷蔵】【酸化防止】【錆止め】【持ち出し禁止】【念動】【副音声】【耐熱】
職業スキル【隠蔽】【遮音】【鷹の目】
職業特性【追跡】【魔獣・獣特攻】
特殊技能 【創造魔術・オリジナル】