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14話目! 転移装置

 【創造魔術】を取得しアイゼングラッドの街に戻って3ヶ月と時間が経過しました。この頃になるとアイゼングラッドをはじめトトリスの村や聖国領のガラパゴに転移装置が設置されたのです。

 もちろん、それをしたのは私ですが設置を認めさせるには聞くも涙?語るも涙?という大変な苦労があったのですよ。




 ~2ヶ月前~ 創造魔術取得後1ヶ月経過……


 アイゼングラッドのリリアの家の地下にて……


 「リリアちゃんが頼んでいた金ランク級の魔石とどいたよ~」

 「ありがと~。手が離せないからいつもの倉庫に入れておいてくれる~?」

 「わかった~」



 この声をかけられたとき私ことリリアは誰でも使える転移魔具作りを佳境に入ったところまで進めていたので手を止めるわけにはいかなかったのだ。この作業に入ってからはヒロミも作業場に入るなど私の気が散るような事はせず協力的で非常に助かっています。

 ただ食事をあ~んと私の口に運ぶのはやりすぎだと思います……。



 「できたぁぁ!!この造りの魔回路ならそこらの魔具職人には真似できないし仮に解析ができても【創造魔術】を扱えない限りは作れないわ!」

 「リリアちゃん!できたんだね?お疲れ様!」

 「ありがとうヒロミ。でもちゃんと動くか実験しないと……まあ転移もちの私が試すのが一番いいよね」

 「だ、ダメだよッ。リリアちゃん!ここ数日徹夜で作業してたんだから寝てからじゃないと許しません!」

 「このテストしたら寝るからいいでしょ?おねがーい」

 「ダメったらダメェ!不具合が分かったら絶対そこ直すまで作業するからだめなの!」

 「くぅ……ヒロミがそこまで言うならしょうがないか……今からちゃんと寝るわ。具体的には12時間くらい!」

 「えぇ?それはそれで寝すぎのような??」

 「じゃあおやすみ~。ぐぅぅぅぅ~スヤスヤ」

 「……やっぱり疲れてたんだね。寝るの速すぎだよぉ。せめておやすみくらい言わせてくれたっていいじゃない……」




 きっかり12時間後、爽快な目覚めをした私は、ヒロミと食事を取り、久しぶりに面と向かって話しをしました。ここ数日ヒロミが言っていたように気を散らす事ができない状態だったから構ってあげられずヒロミも寂しかったと思うんだよね。だから今日は色々連れまわして遊ぼうと思います。(注:遊ぶ=金ランクモンスター狩り)


 「ヒュ~ヒュ~ヒュ~……」


 家に戻ってくるとヒロミは息も絶え絶えになっていました。そんなに楽しかったかな?喜んでもらえてよかったよ(違)



 「ヒロミ。いい気分転換になったよ。付き合ってくれてありがとうね」

 「ヒュ~……ど、どういたしましてぇ~……ヒュ~」




 ちなみに新開発した転移魔具【ワープゲート君】のテストは大成功でした。

私はこの装置を言ったことのある都市に配置すべくまずは地元?のアイゼングラッドの城に住む王様に許可を得にいこうと思います。


 「金ランク冒険者といえど、王にアポイントも無く会わせるわけには参りません。どうぞお引取りください」


 城門前の門番さんに追い返されてしまいました。無理やりでも入れますけどそんな事でお尋ね者になりたくないですしね。しょうがありません。事後認定して貰うことにしますか。とりあえず国内の領地だったら繋げてもいいですよね。



 という訳で私がやってきたのはなつかしの《トトリスの村》。

早速マリアに会いにいくと、マリアは凄く歓迎してくれました。


 「!?リリア?リリアじゃないのかい?」

 「こんにちはマリア。おひさしぶりです」

 「リリアあんた、そんな敬語使う子じゃなかったろうに……さぞかし《カストゥール》で苦労したんだろうねぇ」


 そういえばマリアにもディカルド村長にも無事町に着いたとは手紙を書きましたがどこについたか迄は説明してませんでした……。

 私はカストゥールではなくアイゼングラッドについてしまった事を言うとマリアは一瞬驚き大わらいしたではありませんか!むむぅ。そんなに笑わなくったって……。

 その後は冒険者ランクのことを伝えれば驚き、魔具職人として経験を積んだ事を言うとそれはもう自分の事のように喜んでくれました。


 「そうかい……弓もまともに射てなかったあのリリアが金ランク冒険者ねぇ。まだ村をでて1年経っていないのに対したもんだよアンタは」

 「なんか馬鹿にしてるように聞こえるんだけど?」

 「前半はそうさね!後半はちゃんと褒めているだろう?」

 「マリアァァァ」

 「金ランクになったとはいえ、まだあんたに捕まる気は無いよ」



 マリアは宣言どおり私の追跡をことごとく避ける俊敏さを見せてくれた。

……ふふっ、その動き見せてもらったよマリア……こっそり私が笑みを浮かべたのは言うまでもない。



 「で顔を見せにわざわざアイゼングラッドの街から遠いこの村に戻ってきたのかい?」

 「それもあるけどほんとはディカルド村長に用事があるのよね」

 「そうかい?じゃあ今から行っておいでよ。今日は泊まっていくんだろう?」

 「うーん村長さんの答え次第では泊まらないかも……」

 「……そうかい……せっかく腕の上がった私の料理を食べさせてあげようと思ったのにねぇ。勝負の約束もちろん覚えているだろう?」

 「当然だよ!でもごめんね。料理の腕あれから上がってないから今戦うと負けちゃうよ」

 「あれま?なんだい。楽しみにしていたのに残念だねぇ……」


 創造魔術を使えば勝てるだろうけどマリアとの勝負にそれを使うのは卑怯なので使う気など全くないのです。マリア以外になら使うんですけどね?


 その後、私はディカルド村長宅へ。ここに来るのは魔法を習って以来ですね。その魔法も最近は使っていませんけども。



 「んっだれかのぅ?……お、おぉ?リリアじゃないか!元気にしておったか?」

 「お久しぶりです。ディカルドさん……あっ村長」

 「あの時と同じくディカルドさんでよいぞ?なつかしいのぅ」

 「まだ旅に出て一年も経ってませんよ」

 「そこはあれじゃ~空気を読んでじゃな?」

 「それはその~気づかなくてすみません……」


 相変わらずディカルドさんの突発的ボケ……もとい悪ふざけと気づいた(思い出した)私は簡単な世間話をしてから本題を切り出した。



 「ほぅ?この村に転移装置を設置したいとな?お主が作り出した魔具じゃというならわしはかまわぬよ?行き先はどこに通じておるのじゃ?……アイゼングラッドじゃと?なるほどのぅ」

 「凄いあっさり許可出してますけどいいんですか?村長さんなのに、一応村を離れた人間の言う事を簡単に聞いちゃっても?」

 「構わんよ?村に住んどったころから不思議な感じのしたおぬしのことじゃ、わざわざ戻ってきて害のある行動などしまいて……」


 そこまで聞いてトトリスの村では私はまだ記憶喪失という設定が生きてる事を思い出したのでその辺りを謝罪しておこうと思いました。


 「ありがとう。ディカルドさん。あとその昔の件で色々お話したいのでマリアの家までご足労いただけませんか?」

 「うむ。いいぞ。ではしばらく後にそちらにお邪魔するんでマリアにも伝えておいてくれるかな?」

 「はい。ではお待ちしてますねディカルドさん」



 ディカルド村長宅を出た私は、マリアの家に行き大事な話の関係で村長さんが来る事、それに同席して欲しい事を言うとマリアは思いつく事があるのか了承してくれました。

 ディカルド村長がマリアの家に到着し食事を取った後に私は記憶喪失が嘘だった事、異世界からの転生者であること、再会した親友がいて今一緒に暮らしている事等を打ち明けました。



 「やっぱりそうだったのかい。記憶喪失で頭カラッポにしては基礎的な知識の覚えが悪いと思ってたんだよねぇ。まさか異世界で死んでこっちの世界に転生してきたなんて普通は信じないさね。その点では記憶喪失というのはいい手だったと思うよ」

 「リリア……いや理亜も初めての事ばかりで大変じゃったろうが、今は生き生きとしておるのがわかる。せっかく新しく生れ落ちたんじゃ後悔の無い生活をおくればよい」

 「マリア、ディカルドさん、ありがとうございました。そして騙していてごめんなさい」



 その日は結局マリアの家に泊まり(その前に自宅に戻りヒロミを連れてきたところマリアは凄く驚いていました)色々な話をしました。


 翌日、トトリスの村の隅に転移装置を設置しました。何故端っこかというと、中心部に作ると危ない人が村に来たら大変なので!あとマリアの家にもマリアと私専用の転移装置を設置して自由に会えるようにしておきました。



 トトリスの村に転移装置を設置した事と設置した人物が魔具職人として今話題の私という事でいろいろな町から転移装置を設置を願う要望書が届きました。お城からもお呼び出しがありましたが、許可を得に城に行った時に無碍に追い返された事を伝え一度拒否した所、あのときの門番さんが部下などを連れて総出で謝りに来たではありませんか。あの門番さんなかなか偉い人だったんですね。


 この件については謝ってもらう気も無く、実はそんなに怒ってもいなかったし、単にこういうことがあったよと言う意味合いだったのですが深読みされてしまった様ですね。言葉って難しいです。


 謝らせてしまった以上、私も駄々をこねるわけに行かないので、大人しく城へ登城しまして転移装置の説明と設置、利用するに当たっての注意や利用料金などの取り決めを行いました。

 あっ、王様は凄くいいヒトでしたよ!おじさんだけどきっといい王様だから人気あると思います!



 そういった3ヶ月でした!

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