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13話目! 古代書盗難事件

 ガラパゴの街から旅立って早1ヶ月。私達二人はとうとう、聖国の首都で【創造魔術】の書物が保管されているという神殿のある《サラスディーア》へ到着した。


 道中の描写は手早く済ませますが、途中の村や町で頼まれたモンスターの巣をつぶしたり、私達二人に猥褻なことをしようとした盗賊たちを懲らしめ奴隷落ちの上、鉱山送りにしました。




 「リリア。神殿がある街についたとはいえすぐに行って見せてもらえるものなの?」

 「そんなわけないじゃない。まず間違いなく門前払いされて入ることは愚か見ることもできないと思うわよ」

 「……それじゃあやっぱり忍び込むの?」

 「うん、それが手っ取り早いでしょ?そのために最高級の魔石で魔具を作り上げたんだからね。でも、万が一、バレたら捕まって大変なことになるでしょうね」

 「私は別にリリアちゃんと一緒ならどこだって平気だよ」

 「うん……ありがとヒロミ」



 とは言ったものの即日で侵入する程の胆力はないのでやはり逃走経路くらいは知って置かないといけない。はやる気持ちを抑えて数日は冒険者ギルドで依頼を受けたりして過ごし情報収集に専念しました。


 ですが、幸運は私に来ていたようです。ある日の依頼にその神殿からの依頼が張り出され、募集資格も金ランク以上というではないですか。私はすぐにその依頼に飛びつき受注すると、早速依頼主である神官に話を聞きに行きました。



 「実は、我が神殿で保管していたある重要書物が紛失……いえ実は盗難にあいまして……それを探して頂きたいのです」


 その言葉を聞いたとき私は耳を疑った。私よりも先に盗むとは生意気な!と。


 「え?ちなみにどういったものですか?」


 どういったものかは分かっている上で聞いてみるとやはり


 「我が神殿では遥か昔より【創造魔術】といわれる最古代魔術といわれるものを守ってきました。

とはいえ、今となってはこの【創造魔術】を取得できるものは誰一人といません。おそらく人々の中から【創造】するという意識が薄まったせいでしょう」


 「盗まれたとしてその犯人は一体どういうつもりなのでしょうか?」

 「おそらくですが、古い書物というものは闇市においてそれだけで高価な値がつくものです。それを狙っているのでしょう。そしてその闇市が開かれるのは、おそらく数日中……」

 「そこまで分かっていながら冒険者……それも金ランク、いえさらには他の土地から来たものという条件もありましたが?に指定した理由というのは?」

 「……他の土地から来たものであれば、闇組織に通じていない可能性を信じたからです」

 「私がその闇市と繋がっていないという証拠は?」

 「ありませんね。もしそうだとしたらこの依頼は失敗に終わり我が神殿は祭るものがなくなる名前だけの神殿となるだけです」



 神官は目を伏せながらそう答えた。


 「まあ安心していいですよ。私は神官様の言う闇の組織と繋がっていませんし、これからも繋がる気はありませんから。まあこの言葉を信じてくださいというのもおこがましいですけどね」


 私がそういうと神官は一言「信じます」とだけいい、神殿の奥へと下がって行った。




 「とりあえず、私より先に書物を盗んだ犯人はとっつかまえるとして、どうやって探そうかな?」


 私は、ヒロミの待つ宿へ戻りながら方法を思案する。途中イカツい男とぶつかってしまったようけど、男のほうも急いでいたらしく「どこみて歩いてんだこのアマぁ!」とだけいうと裏路地の方へ走り去っていきました。



 宿に着き、神官の話についてヒロミとともに考える。


 「リリアのスキルで何か使えるのないの?こういう時こそスキルの出番でしょう?」

 「それがね。なかなか良いのが浮かばないのよね。嗅覚強化とかあっても元々の物が分からないことには探しようがないしね」

 「それじゃあやぱり神官の人がいっていた闇市で取り戻すしかないかもしれないね」

 「うん。それは最後の手段ね。できれば闇市が始まる前に取り戻して神殿に返しておきたいの」

 「え?なんで?」

 「神官さんと約束してね。速く取り戻すことができれば【創造魔術】の本を読むのは構わないって言ってくれたのよ」

 「取り戻した後【複製】使って返すつもり?」

 「うーん。私としては原本を読んで創造魔術を取得できなかったら諦めるつもりだから複製はどっちでもいいかな」




 その日、もう一度神殿に赴き、私は一応嗅覚上昇スキルを活かす為、本を保管してあった場所の匂いを嗅がせてもらい匂いを覚えておきました。




 街で卑しい仕事をしている輩を中心に聞き込みを続け有力な手がかりとなりそうなものを得たのは依頼から2日後のこと。


 「リリアちゃん。ニュースニュースゥ!」

 「どうしたの?ヒロミ」

 「明日の夜、闇市が開かれるって!」

 「そうなの?思ったより速かったわね。私のほうでも本がありそうな場所の目星はつけているのだけど警備というか見張りが厄介でね。でも明日闇市が開かれるというなら忍び込むしかないわね」



 その夜、私は認識阻害・隠蔽、消音の効果をもつ魔具を持ち、アタリをつけていた地下倉庫に忍び込んだ。交代のタイミングで忍び込んだので出るときに注意すれば問題ない予定だ。



 地下倉庫には宝石や高ランク魔石など色々なものがあったがそういったものには目もくれず、目的のものを探すと間もなくそれは見つかった。


 「あった。一応鑑定しておきましょうか……。うん本物ね。じゃあ、複製っと。これをここに残しておけばいいわ。複製したものは最長2日で消滅するから証拠は残らないものね」





 目的の本は私の空間魔法内に保管しておき、次の問題はここからどうやって出るかになるのだが既に手を打ってあるので早速使ってみる。


 「ヒロミ聞こえる?」

 「うん聞こえるよ。本はあったの?」

 「えぇ、もう確保済みよ。今から【転移】使うから、そっちの魔具の起動をお願い」

 「任せてっ!」



 しばらく待つとヒロミの魔力が私に繋がるのを感じた。そのまま空間魔法の転移を発動する。


 「まあ私に掛かればこんなものよね……」


 発動寸前こういう言葉がその場に残ったが聞いていたものはいない。



 やはり神官に本を返す前に読んでおこうと思い空間魔法内から魔術書を取り出し読み始めた。

その内容は私の中にすごい勢いで流れ込み気づけば読み終わっていました。ステータスを見てみると念願の【創造魔術】と特殊技能という項目が追加されており【創造魔術・オリジナル】が増えてました。



 創造魔術・オリジナルとは、古代の叡智と現在まで発展した技術を全て自分のものとし、新しく生み出すことができる。要するに私はたった今から経験もないのに、過去存在したものから現在進行形で研究されているものまでクラフト系スキルを余すことなく取得したということです。

 さすが古代の魔術ですよね。これこそほんとうのチートというのではないですか。





 ということで私は依頼どおり創造魔術の書を返却し、一応読ましてもらえるか聞いてみると、神官はお前達冒険者に神聖な書物を読ませるわけがないだろう!帰れ帰れ!と言い出す始末。

 流石にカチンときたので、書物を奉納しに行った神官に【令術】をかけて写本を作らせ、そして原本は私が頂きました。

 令術というのは正式名称【命令術】といい、隷属化させたりする禁呪の一つです。ですがこの程度のことで死ぬまで服従させたらかわいそうですし、教会本部より原本を紛失した罰を受けて頂こうかと。

 神官なのだから神に仕える人として(ちなみに私は私の転生に関連した神様しか信じません)最低限約束は守ってほしいものですね。


 後日、教会の本が写本であることが明るみに出て、神官は写本を作り原本を金欲しさに売却したとして本山へ連行の上、重罰を受けることとなったみたいですよ。その時、私たちは既に用事が済んでいたのでもう街から出てましたから聞けたのは噂話程度ですけどね。




 【創造魔術】を使用することで転移魔具の使用コストを下げることに成功したので帰りは、転移魔法でハルトたちのいるガラパゴへ戻ってきました。

 ここからさらにアイゼングラッドに転移で戻るので、ハルトたち4人を迎えに来たわけだけどモンスターの強さや収入的にもいいというのでしばらく滞在するとの事でした。


 私はハルトたちに別れをつげヒロミとともにアイゼングラッドへ転移し、数ヶ月ぶりに懐かしの地を踏んだのでした。

 蔵咲理亜 ヒューマンLV34

 職業 魔狩人

 体力 452

 魔力 593

 腕力 240

 敏捷 388

 幸運 120


 スキル:【棒術】【鑑定】【隠れ身】【採取】【気配察知】【弓術】【魔具製作】【空間魔法】【交渉】【変身】【生活魔法】【調理】【腕力強化】【疾走】【命令術】【幻斬】【複製】【分解】【消滅】【不可視】

【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【異臭(封印)】【嗅覚上昇】【分裂】【槍技】【水陸両用】【幻夢】【耐寒】【絶氷】【地獄爪殺法】

【擬態】【魅惑】【透過】【幻影】【魔力増幅】【消費魔力半減】【○○(種族)特化】【神速】【早駆け】【悪路走行】【飛行】【堅牢】【気功】【威圧】【死圧】【創造魔術】

 職業スキル【隠蔽】【遮音】【鷹の目】


 職業特性【追跡】【魔獣・獣特攻】


 特殊技能  【創造魔術・オリジナル】

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