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11話目! 思わぬ再会

 ロシエトでの再会から数ヶ月の時は流れ……ることはなく、再会して5分後には私の横には広美がへばりついていた。


 「広美、くっつきすぎなんだけど?」


 「良いじゃない!4ヶ月ぶりなんだから!」


 取り付くしまもないとはこのことでしょうか?私がここに居る理由を尋ねてみると「召喚されたみたいだけど嫌な予感がしたので逃げてきた」としか言わないので、どう反応して良いのか分からないのだ。


 レイスさんは私達の様子を見て知り合いであることは確信したのか5分後に出発すると言い商隊の中央に戻っていった。



 「ねぇ。とりあえずもうどこにも行かないから離れようか?」


 「理亜が冷たい……」


 「じゃなくてね?くっつかれてたら私が話しにくい!ちゃんと全部話したらくっついても良いから早く話す!」


 「しょうがないなぁ……で、何から聞きたいの?」


 「何故この世界にいるのか。逃げ出したといってたけどどこからどうやってきたのか。最後に元の世界の私は本当に死んでいるのか……ってことかな」




 一つ目と二つ目に付いてはやはり召喚されたということと勇者スキルがあったので逃げ出すのは楽だったと簡潔に説明する広美。最後の質問に対しては暗かったがちゃんと自分の目で確認した事実を述べてくれた。



 「そっか。信じてなかったわけじゃないけど、私は死んだんだね……」


 「うん。私と別れてすぐ事故の音が聞こえたから私がすぐ確認しにいったよ。あの理亜の姿を見て私も気を失ったんだけどね……」


 「やっぱりグロイの?」


 「ノーコメントでお願い。これ以上思い出したくないことまで思い出しそうだから。……もう地球あっちではもう会えないけど今この世界に来たことでこうして理亜とまた会えたことは嬉しいから」


 「そうね。私の目の前にいるのはちゃんと親友の広美であることは間違いないんだしそれに関してはもう会えないと思ってたから私も嬉しいよ」


 「ところで理亜はこの世界で生きていくんだよね?私も一緒に良い?と言うかダメって言われても困るんだけど……」


 「……そうね。じゃあ……」






 ロシエトから出発した商隊の馬車は行きと同様、片道2週間かけてアイゼングラッドへ向かっている。

道中モンスターの群れが2度だけ襲ってきたが広美がどの程度戦えるのかを知るために、勇者の力とやらを見せてもらった。

 戦闘は開始間もなく終了した。なぜなら広美が光魔法で吹き飛ばしたからである。一応ステータス関連をきいたが広美も私と同じく後衛系なので遠くから高威力の攻撃で敵を倒すと言う役割になる。



 あぁ、広美とはアイゼングラッドの街で一緒に暮らすことにしましたよ?私の目的も理解してくれたみたいだし、その手伝いもすると言う。というか広美は私がほしいと思っていたスキルを所持していたので、許可を得て変身し、スキルを幾つか使えるようになった。勇者専用スキルだったらしい【真理眼】だけは取得できなかったが他の【透過】【幻影】が入手できたのでありがたかった。


 馬車の旅を終え、夜半にアイゼンの街へ戻ってきた私達はレイスさんから報酬を受け取り闇亭に戻り、ギエラさんに追加で一部屋を頼んだ。広美は一緒の部屋に来たがっていたが、何とか宥めて(と言う名の脅迫……内容は一緒に行動しないよと言ってみたら効果は覿面てきめんだった)別の部屋を取ってもらった。まあ隣の部屋ですけどね。




 「というわけで、私と一緒に行動するなら広美には冒険者ランクを上げてもらわないとね」


 「ロシエトで私も登録したんだけど登録して数ヶ月で銀7になってるなんて非常識よ。リリア」


 闇亭の私の部屋でそんな事を話している。あぁ広美にはこの世界の名前?であるリリアと呼んでもらうことにした。リリアの由来を説明すると広美は大笑いしていたけど、マリアさんに会ってみたいとも言っていたので時間を作って紹介しようと思う。そのときに記憶喪失と言う嘘についても誤ろうかな。後が怖いけど……。


 話は戻って広美の冒険者ランクは当然なりたてのため銅の1である。いくら攻撃魔法を使えても実績を詰んでいないのでこの評価と言うわけだね。このままじゃ広美だけ宿代を払えないで追い出されてしまうのでそれは可哀相でしょ?


 「え?リリアが助けてくれないの?親友なのに?」


 「あたりまえでしょ?私は親友だからってお金が関わることで広美を甘やかしたことはないよね?」


 「うぅ、そういえばパフェに誘われた時、おごってくれるのかと思ったら割りかんだった……あの時もお金なかったのに」


 「何でそういうことを思い出すかな?とにかく今は広美はランクをあげるために依頼を消化すること!私はそうね魔具作りでもしておこうかな」


 「リリアのケチィ!手伝ってくれても良いじゃないのよぉ~。依頼先で男性に襲われたらどうしてくれるのよ!」


 「今の広美なら余裕で撃退できるよ?」


 「うっ!?正論っぽいから言い返せない……」


 「ほらほら、私のお手伝いするならランクを上げてくるの!分かったら行動!!」







 「銀4になったよ!これでリリアと組めるのよね?」


 こうして広美のケツを叩いてあげることで馬車馬のように働いた広美は1ヵ月と少し後には銀4になることができました。……まあ討伐依頼できるようになれば速いとは思っていたもん。仮にも勇者だし(偽がつくけど……) 

 

 広美が外のモンスターと戦うときは広美から頂いたスキルで隠密行動を更に強化することで追尾した。広美が気づいていない位置から襲おうとしている魔物は私の弓によるヘッドショットであの世行きですよ。後から聞いた話、私が支援していたことはバレていました。リリアセンサーなるスキルを得たそうですよ奥さん。……嘘ですけどね~。



 私と同じく登録されて余り時間を立たずに銀になった広美は有名になった。その上今までパーティを組まなかったリリアがその広美と組むと言う話が流れたらそれはもう冒険者の中で凄い騒ぎになったらしい。冒険者ギルドのマイカさんは私が広美と組むと言うとすごく嬉しそうに手続きをしてくれました。一人で行動する私のことがよっぽど心配だったようですね。お気遣いありがとうございます。



 私は広美がランクあげのために倒して集めてきた魔石を魔具に加工しアイゼンの街に流通させていった。今回の魔具は【腕力強化】の指輪型魔具です。これは冒険者や鉱山などで仕事をする人が買ってくれており販売初日から白金貨に迫る売り上げとなりました。


 その売り上げの一部はちゃんと広美に還元しています。その金額に驚いた広美でしたが後日、その大金をはたいて【魔力増幅】がついたロッドを買ってきました。まあ武器も防具も冒険者には必須ですからね。私にそのスキルがあれば複製できたんだけど……と感じました。


 そんな私に広美は思いがけないことを言ったのです。


 「スキルがほしいならこのロッドに変身したら習得できるんじゃないの?」と。


 目からウロコですね。物品に対しては変身できるかなんて試していませんでした。

早速挑戦してみたところ変身はできませんでしたがスキルをコピー習得することはできました。そのおかげで街で見かけた武具などについているスキル名を広美に聞きながら武器についているスキルをコピーしていく。



 その後数ヶ月間はお金稼ぎに走りましたよ。武具屋で魔法の付与されていない高品質のロッドを購入し、【魔力増幅】【消費魔力半減】をつけることで高品質ロッドの値段が20倍以上に跳ね上がると言うわけです。

 武具系統では【腕力強化】【○○(種族)特化】等をつけることで戦士系冒険者からの支持も得ることができた。


 そのお金で自分達の装備を竜鱗のソフトレザーや天魔水晶のローブといった最高級のものにきりかえたことも述べておきますね。勿論その防具についていた効果もコピー済みなので量産し売ることができるのです。




 お金や装備が最高級になる頃には私の冒険者ランクは金の11、広美が銀の9となりました。

え?展開と進行が早い?そんなこと気にしてたらハゲちゃうわよ?



 私は凄腕の冒険者と凄腕の魔具職人としても有名になり、広美もそんな私の片腕と言われる冒険者になりました。


 そうそう、ハルトのことだけど、何度か私に注文してくるくらい稼げるようになったので色々おまけしてあげたら私より冒険者ランク高くなっちゃったのよね。実力では負けないつもりだけどなんか悔しい……。今度試合を頼んでみようかな?




 あとはそうね~、グリンガバイト帝国から勇者の連中がやってきたんだっけ。広美を見るなり帝国に連れ帰ろうとしたから返り討ちにしてあげたけど……、そういえばあの中の何人か中学の時のクラスメートだったような?お化けでも見るような眼で私を見てたのが印象に残ってますね。


 何度か撃退した後もしつこく広美を連れて行こうとするので、ちょっとどころじゃないくらい痛い目にあってもらおうと思い、とある地方にある恐怖の泥人形に【擬態】【魅惑】を付与し広美人形に変えて連れて行ってもらいました。


 その後ですか?グリンガバイト皇帝がベッドの上で死んでたそうですよ?なんかねぇ、体がグズグズにトロけて死んでたって……。皇帝が死んで内政が荒れてきた頃に宰相が内乱を起こした結果、帝国は滅亡しました。まさかあの泥人形一つで国が一つ滅んじゃうなんて怖いよね~。


 広美と一緒に召喚された勇者連中はと言うと残念ながら皇帝さんと運命共同体だったらしくて皆死んじゃったって言ってました。まあ私達に手を出したんだし、しょうがないよねぇ。しつこい人は嫌われるんですよ?

 同じ勇者の広美が死ななかったのは当然広美の機転のおかげだと思いますよ。広美が教えてくれた腕輪とか首輪のアクセサリがその魔具だったそうです。本来は王の命を守る為の身代わり保険目的で奴隷につけるものだそうですが、馬鹿な皇帝さんはベッドの上で人形相手にいろいろ頑張っていたそうです。(何を頑張っていたかは知りませんし知りたくもありませんけどね。クスクス)

 頑張るたびに勇者が一人ずつ苦しんで死んで行き首輪持ちの勇者がいなくなりようやく自分が死ぬことになったと言うわけね。




 滅んだ帝国の跡地には人も住まなくなったのでモンスターが闊歩する場所になり冒険者への仕事が増えました。あの辺は基本アンデットが多く出現するようになったようですが、私達が行くことはないでしょう。



 という訳でそろそろかねてより興味をそそられた【創造魔術】を習得するべく聖ジャパニエル宗教国(通称聖国)に行くことにしようと思います。習得するために必要なスキルは集め終わりましたしね。

 蔵咲理亜 ヒューマンLV29

 職業 魔狩人

 体力 422

 魔力 548

 腕力 203

 敏捷 311

 幸運 100


 スキル:【棒術】【鑑定】【隠れ身】【採取】【気配察知】【弓術】【魔具製作】【空間魔法】【交渉】【変身】【生活魔法】【調理】【腕力強化】【疾走】

【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【異臭(封印)】【嗅覚上昇】【分裂】【槍技】【水陸両用】【幻夢】【耐寒】【絶氷】【地獄爪殺法】

【擬態】【魅惑】【透過】【幻影】【光魔法】【魔力増幅】【消費魔力半減】【○○(種族)特化】

 職業スキル【隠蔽】【遮音】


 職業特性【追跡】【魔獣・獣特攻】

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