そっと手を差しのべて
このメッセージは、心の病に侵された人々の周囲の方々へ読んでいただきたいメッセージです。
唐突に話を始めますが、あなたの周りには「死にたい、死にたい」と言っているくせに、なかなか死のうとしない人はいませんか? それは実は、死を求めるサインではありません。どちらかと言うと逆です。死にたくない。生きたいのです。
でも、【死にたい位ツラい】【死にたい位苦しい】から「死にたい」と言っているにすぎません。本当は心の中で叫んでいるのです。『助けて!!』と。
それでは何故、死にたい人が「助けて」と言わないのでしょうか。それは、深層心理に答えがあります。
答えを率直に言うと甘えです。しかし、甘える事が恥のように感じてしまう人ほど、他人に、いえ親、兄弟姉妹にすら「助けて」と言えないのです。しかし心の中は違います。『助けて!!』『死にたい位苦しいから助けて!!』と、喉が張り裂けんばかりに叫んでいるのです。
そんな人に励ましや「頑張れ!!」なんて言葉は逆効果です。基本、『死にたい』と考えてしまう人は、真面目に生きていきたいのです。また、真面目に生きてきたのです。頑張って頑張って、これでもか! って位、頑張って生きてきたのです。もうそれ以上頑張るという事は、「頑張りが足りないから死ね!」と言われているのと同じようなものです。
よく聞く言葉に、【死ぬ気になれば何でも出来る】なんていうのがあります。これは、心に傷を負った者ではない人へ、励ましの言葉として発せられるものです。
心の病を患った人に向けて発するのは、多きな間違いです。何故なら【死ぬ気になれば、死ぬことしか考えられない】からです。健常者の方には、少し難しい話かもしれませんが、心で『助けて!!』と叫びながら、言葉で「死にたい」と言っている人は、死ぬ気になっているのではないのです。出来ることなら、自分の心のサポートを願っているのです。藁にもすがる思いで、目の前の人に、「死にたい」と言葉にして『助けて』とすがり付いているのです。
本当に死にたい人なら、他人(親や兄弟姉妹を含む)に「死にたい」なんて言わずに、どうやって死ぬかを考え、そして実行に移すでしょう。
あなたの側の「死にたい」と訴えている人には、話を傾聴し、共感し、そして「そっか、ツラかったんだね」と優しく接してあげて下さい。あなたのその優しさが、「死にたい」人の心を癒した時、「先ずは自分自身が、自分自身の心を愛してあげる」事を伝えてあげましょう。
難しい話ではありません。あなたの優しい手をそっと、差しのべてあげて下さい。
これは、心に傷を負った人達の周りにいる人達へのメッセージです。難しく考えないで下さい。『助けて』って思いながら、「死にたい」「殺して」と言っている人ほど、生に執着しているのです。言葉の裏側にある真実の思いを察し、そっと手を差しのべてあげて下さい。
私も、もう七年心の病に悩まされています。けれども、悪化したり軽減したりを繰り返しながら、軽減していっていってると願っています。
鬱病などは、「心の風邪」などと呼ばれ、薬を飲めば直ぐに治る病気だなんて認識もありますが、長期にわたり苦しんでいる方も沢山おられます。
誰でもふとした拍子に患ってしまう心の病。百聞は一見に如かず。一度騙されたと思って、実践してみてください。
あなたの大切な人の為に。