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空色サプリ  作者: おじぃ
取り残された望

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空色サプリ

「ああ、生き返る~」


 サザンビーチのコンビニで瓶のレモン果汁入りクエン酸飲料を買った水城先輩。買い物ついでに僕に好きなものを買ってくれるというのでペットボトルのサイダーを買ってもらった。


 会計を済ませて店を出ると、店舗左側のスペースに寄ってさっそく開栓し、ちびちび飲み始めた。僕も続いた。


 なんでもないようなひとときの幸福というものを、彼女と出逢って僕は知った。


 呑気な人が苦手な僕だけれど、水城先輩は苦手ではない。率直にいえば好きだ。


 なぜなのか論理的に考えると、彼女は論理的で合理的だからだ。


 合理的とは、極限までの切り詰めではなく、たわみを持たせて物事を多角的に捉え、例えば路上で重い荷物を持った高齢者がいたら荷運びを手伝えるくらいの余裕がある状態だと、彼女といると気付く。


 僕が勉学に励んでいるのだって、元を辿れば余裕を得るためだ。なのにそれに囚われて、雁字搦めになっている。


 ふと、空を見上げた。


 宇宙の中に、僕らの生きる世界が在る。


 なのに自己の利益ばかりを求めていては、世界は循環しなくなる。節約ばかりしていても経済が回らないのと同じ原理。誰かのために、未来のために己の能力や財産を投ずる。


 では己の能力とは何か。


 僕の場合、勉学に励んでいるものの教師や塾講師になりたいとは思わなかった。


 能力を引き出すための投資、その一つが『遊び』なのかもしれない。


 余裕を得るための基幹に勉学があるとしても、生きるための主食に穀物があるとしても、それだけでは栄養不足。食事は野菜、肉、魚などで栄養を補えるが、人生はそうもゆかない。


 だから、心のサプリメントが必要なんだ。


 しかもかなりたくさんの。


 空模様が常時変わっているように、たくさんの色合いが必要なんだ。


 ああ、勉強も遊びもしなきゃいけない。


 人生って、忙しい。

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