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空色サプリ  作者: おじぃ
茅ヶ崎の夏休み

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52/70

アザラシと野獣とお昼寝と

 テレビの点いていない平屋建ての古いお家で畳の上に三人ごろごろ雑魚寝。静かだなあ。


 ああ、いいな、この井草の香り。ツンとくるのになんか落ち着く……。


 午前中に集合したとき、部屋で畳に寝転がってのんびりしようっていう彩加ちゃんの提案は正解。さすが彩加ちゃん、そこまで考えてたか。サンマー麺美味しかったし満足まんぞく。


 彩加ちゃんはアクティブだから、てっきりどこかイイ感じの場所に連れてってくれるかもと期待したけど、激暑のときはこれが正解。外出してもカフェでかき氷でも食べながらのんびりまったり暑さをしのぎたい。


 日本家屋ならではの木板と梁を張ったシンプルで味わい深い天井を仰ぎながら読書。私はほんわか系の日常漫画、大騎くんはお酒とか音楽とかいろんな世界のことをちょっとずつ紹介する雑誌、彩加ちゃんは右に左にごろごろ転がってるだけ。まるでアザラシ。お胸周りが特にまるっこい。


 お部屋には女二人にやんちゃな男の子が一人。でも大騎くんは秋穂ちゃんが好きみたいだからたぶん大丈夫。彩加ちゃんなんか全然気にする様子もなく谷間をちらつかせている。


 漫画のページをめくり、あぁ、こういう表現もあるんだとほんわか新鮮な感覚。


 いま読んでるのは料理好きな女子高生たちがお互いの家に日替わりで行ってそれぞれの得意料理を食べ、それを味わいながらふわぁっと幸せな気分に浸るハートフルな物語。


 青春恋愛モノとか熱血スポーツの少年漫画とかピュアピュアな少女漫画はちっちゃいころから結構読んでたけど、日常系は美容室とか診察を待ってるときにそこの本棚に置いてあるものくらいしか読まなかった。こうして単行本をじっくり読んでみるのもいいな。


 本屋さんに平積みされてたのをなんとなく手に取ってみたんだけど、買って正解だった。


 そのうちパタッと雑誌の落ちる音がして、大騎くんが寝落ちしたと気付いた。


 彩加ちゃんも横たわってスピスピ眠っている。


 わたしも眠い。そういえば最近睡眠不足気味だった。今朝だって早朝から散歩したし、普段は曲作りに苦戦して、気付いたら深夜1時から3時くらいになってる。


 日頃の生活を顧みながら省みて、私はキリのいいところまで読んだ単行本を頭の横にそっと置いた。

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