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空色サプリ  作者: おじぃ
茅ヶ崎の夏休み

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曲作りの前に

「響ちゃーん、もうシラス丼できてるよー!」


「わーごめんなさい!」


 お店の軒先まで戻ると、彩加ちゃんが奥の卓から手を振りわたしを呼んだ。参拝だけのはずが、景色に見惚れて戻りがすっかり遅くなっちゃった。


 ふわふわした食感のシラス丼を美味しくいただいて店を出た頃には昼間と黄昏時の境にあり、ヒグラシの合唱がよく似合っていた。


 これからの時間、観光客は徐々に家路を辿り始め、江ノ島は地元住民が集うお食事処や酒場と化す。わたしも時々家族で島内のちょっとリッチな回転寿司を食べに来る。


 わたしたちもこの辺りでは見かけない風貌の観光客に混じり江ノ島を出て、電車を乗り継ぎ茅ヶ崎へ戻った。


 一日中歩いて疲れたのか、帰りの電車内ではみんな口数が少なかった。


「じゃあ、わたしはあっちだから」


 改札口を出たら、いまは市内北側に住んでる彩加ちゃんとお別れ。


 南口から雄三通りを南下して、雄三通り中央交差点ではみんなと別れ、独りになった。


 もうちょっとみんなといっしょにいたかった。けど楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。そんな想いを抱き、遠回りで家路を辿る。夜が来れば朝が来るように、朝が来れば夜が来る。そしてそれは、新しい朝への期待を連れて来る。


 陽はだいぶ傾いてきたけど、開けた通りにはまだ遠くからアブラゼミの声が聞こえる。


 きょう体験した感覚を忘れないうちに、お家へ帰ったら一日のことを日記帳に書いておこう。書き忘れたきのうの分も。


 と、意気込んで帰宅したけど、なんだか頭がモヤモヤして上手く書き込めない……!


 えーとなんだっけ? 花火大会の後にみんなが来て、新たな出会いがあって、演奏して寝て夜が明けて江ノ島に行って景色に感動してシラス丼を食べた。そんな感じだ。


 わー、概要だけだとなんだかすごい淡白。


 そうだ、じゃあこの淡白感も書き足して、それを一つの詩にしよう。


 その前に、お風呂入って寝よう。

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