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空色サプリ  作者: おじぃ
日常
21/70

◇月曜日の朝は

 う~ん、ねむ~い。もう朝かぁ。いけないいけない、ちょっとお寝坊しちゃった。月曜日の朝は何故か身体が重くて苦手。家から最寄りの停留所には三分前後の間隔でバスが来るから良いとして、問題は駅から学校に向かうバス。これはなんと三十分間隔。海岸地区はマイカーや自転車の利用者が多く、バスの需要は私が住む山側一帯より遥かに少ない。


 カーテンの隙間から僅かに差し込む光と、夏だぁ! って感じさせるしゅわしゅわ元気なクマゼミの声。今朝も彩加はたった一人の部屋、たった一人の古く小さな借家で枕を抱いたまま身を起こし、あくびをしながら両手を天に掲げ、身体を反らし、うーんとめいっぱい伸びをした。


 そろそろクーラーかけたい季節だなぁ。でも環境のためにも家計のためにも節電しなきゃだし、なるべく軽めの格好でしのごう。


 そんな彩加が身に纏っているのは下着のほか、ヘリアンサスの花が大きく描かれた肩出しティーシャツのみ。節電志向もあるが、元々ラフな格好が好きなのだ。


挿絵(By みてみん)


 起床したらまず洗面所を兼ねた浴室で口をゆすぎ、洗顔する。朝は石鹸を使わず水で目やにや小さなゴミを洗い流した後、ぽんぽんと顔を軽く叩きながら化粧水を肌に染み込ませる。肌が荒れるため化粧はしない。


 ワイシャツって関西ではカッターシャツっていうんだっけ。Y字型だからワイシャツっていうと思うんだけど、カッターってどういう意味なんだろう?


 あ、お腹周りのお肉がちょっと増えちゃった。おととい寝る前にマーロウのプリン食べたからかな。ビーカーいっぱいに詰まってるのに、とろっとまろやかな舌ざわりとのどごし、口いっぱいに広がるたまごの旨味と、それを引き立てるさらっとしたカラメルソースが絶妙で、ペロッといけちゃうよ。一緒に食べた秋穂ちゃんも太ってないかな。


 ふふっ、また秋穂ちゃんを心配できる日が来るなんて……。


 いけないいけない、今朝はお寝坊しちゃったから急いで着替えなきゃ!


 シャツのボタンをテキパキと嵌め、ソックスとスカートを穿いてスッとチャックを閉じる。


 部屋へ戻り寝間着から制服に着替えている彩加だが、ワイシャツを羽織ってからボタンを嵌め終えるまでに色々と考えて時間を消費する癖がある。彩加はそれを、浪費とは思っていない。ちょっとした関心の一つひとつが、やがて自らを知識の宝庫に育てるからだ。


 着替えを済ませたらキッチンへ移動。ステンレスの細い持ち手が付いたイタリア製のグラスマグに注いだオレンジジュースを立ったまま一気飲みして、レーズンロールを二個頬張る。


 胸から全身に浸透する目覚めの一杯! 朝はやっぱりオレンジジュースじゃなきゃ! レーズンロールも生地と果実がしっとりしててほっぺた落ちそう。爽やかな朝、美味しいお食事、私は今日も幸せだ。

 お読みいただき誠にありがとうございます!


 本作は小説家になろうユーザーの方、それ以外の読者さまほか、様々な方に支えられ、連載を続けられております。これもひとつの大きな幸せだなと感じるこの頃です。

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