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六
―――戦国時代。
後に生きる人々は、この時代をそう呼んだ。
室町幕府の権力が完全に失墜し、様々な戦乱と共に多くの大名が名を馳せた乱世。
ただの油売りが、下克上によって一国の大名にまでのし上がる、動乱の時代。
とある冬の山中で、一人の少年と赤子が出会った。
生まれた時から己の定めに囚われ続ける「忍び」の少年。
周りと違う容姿、違う血を持つ「異人」の赤子。
二つの孤独な運命が交錯した時、歴史は確かに新たな動きを見せていた。
戦国時代、それは動乱の世。
これは名高い英傑らの影に埋れていた、名も無き彼らの物語である…ーーー
『少年と赤子』・完