TILE4-8 秋祭りが近付く頃
秋祭りも近くなった頃の話だ。
妹に風邪をうつされた。おかけで体が怠くて仕方ない。
当たり前の様に母親は仕事、妹も学校。つまり半日は一人で自室で過ごす事になる。
「げほっ、げほっ」
流石に今日はきつい。
熱は下がらないし、なんか怠いし、夏風邪でもないし....
布団を被って上を向いた。
ぜいぜいと息が荒いのがわかる。もうどうしたらいいのかも不明だった。
ふと時計を見た。
カチカチと動く秒針。時間を確認する。
12:23....昼飯....を確か母親が作り置きしてくれていた筈だ。
布団にくるまってのこのこと階段を降りる。
その時、フローリングの床でつるん、と足を滑らせた。
そのまま体がふわりと浮かぶ感覚があった。
もう、熱も上がってきた事だ....そう思って重力に身を任せることにした。
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一体、あれから何時間経ったのだろうか....
俺は母親の作った昼食を食べにリビングに向かって階段で足を滑らせて....何弾落ちたのか....
でも床みたく固くない。
ふわふわとした知っている感覚....
ベッドの上か?でも....誰が....
「飛夜理、起きろバカ」
低い。聞きなれた、この声も知ってる。
眠そうな声。愛歌だ....
「なんで、お前が....?」
「心配だから見に来たのよ。そしたら、なんか廊下で寝てるし。」
「お兄の馬鹿!愛歌さん地味に心配してたからね!」
妹に怒られた。二人がいるって事は、授業自体は終わっている様だ。
「ってぇ....薬....は?」
「飲ました。水飲ませたらすんなりと」
なんなんだこいつは....
まぁ、さっきよりは熱が下がっている様だし、体の怠さもマシだった。
「ありがとう....」
はあ。と愛歌は1つため息を吐いた。