TILE4-6 夢....か
なんでだ....?誰が殺した....
誰が....こんな惨劇を....
「忍事件って聞いたことがある....」
ぽつり、とつい言葉が出る。
「知ってるの?」と愛歌が聞いてきた。
「いや、よくわからないんだが」
俺は苦笑いをした。
なんなのだろうか、こんな風な気分は....
一体....なんなのか....
「深く、考えないで。未来は、変わらないのよ」
愛歌がそう呟いた。
なんでだろうか。その意味が少しわかる気がした。
「飛夜理。テジャヴって言うの?こう、何度も繰り返してること」
舞菜が聞いてきた。
一つ言葉を取っても同じ事ばかり。
疑問を抱えながらも、午前中は終えた。
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その日の夜の夢。
薄暗いけど、山が見えた。池も川も。村のあるところ....村外れの小さな河川だ。
そこで、苦しそうな声がした。
『あぁ、また、死ぬのか』と....
その声は掠れてた。息が切れそうなんだろう。
グニュ、と潰す音が小さく聞こえ、水飛沫の様な音もそのあとにした。
声は、叫んだ。苦痛の叫び声。
痛々しい声に泣きそうな声。
人影が近づく。それは見覚えがある女性....いや、少女だった。
俺は木の陰に隠れてた....
それから、村の家、一軒一軒から空気の漏れるような音がする。
そして、赤い、地面の方に行く。
地面を見た途端、言葉にならない声が出た。
そして、はっと現実に引き戻された。
一体なんなんだ....やはり、考え過ぎだろうか....
「おーにーいー、朝だよー」
妹が起こしに来た。
あーはいはい、と部屋を出た。