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TILE6-8 いいチャンスさ。
今までの話で気になったことを聞く。まぁ、新しい話過ぎて正直分からなくなってるのもある。
「もう一人の優って?」
「鬼の人格です。空下村に伝わる、鬼、悪魔の人格ですよ。僕の中に違う人が居るんです。」
多重人格…………とは、言えないわね。人格が違うわけでもないし。
そんな事を内心思った。
「きっと………。姉さんです。姉さんが、姉さんが、あの僕を出したんです。………彼女を止めないと……!」
優は焦ったように冷や汗を流す。
どういうことだ?と飛夜理が問いかける。
「僕は………。いいえ、僕の別の人格が、舞菜さんを殺す予定だったそうなんです………。失敗したなら、姉さんは僕を………。」
「………優……?」
舞菜は怯えた表情を見せる。カタカタと震える。
問題を片付けるには飛夜理の言葉がずばりと通る。
「なら、『舞菜を殺せばいい』じゃないか。」
「飛夜理……!!?」
「違うじゃん。愛歌、話は最後まで聞く。」
飛夜理は「いい考えかはわかんないけどな」と苦笑いで呟いた。
「夢に動機も聞ける、いいチャンスさ。」
そうね、と私もうなづいた。