TILE6-5 祟り
結局また祭りは中止に。
....灯篭流しは今日だと言った。
ふぶきは「明日でも、大丈夫なのです。」というけれど....心配だ。
次の日は学校だった。
灯篭流しはまた別の日にするそうだ。
「あ、夢....?」
舞菜の声がした。怯えた、声。
私は声のする方へ行った。
そこはガラガラの教室だった。とてつもなく、目を疑う光景だった。
「夢....っ!?」
....彼女の母。空下羅依が血まみれで倒れていた。
「ふふ。愛歌?どうしたの?」
どうしたもこうしたもないわ。....なんで。
そう聞きたかったが口がカクカクして言葉を出せない。
私は、教室を駆け出した。
舞菜にはなんとも言えなかった。
訳わかんなくって、あの光景を全て洗い浚い忘れようとした。
「愛歌?」
舞菜が笑顔で話しかけてきた。
きっと私は酷い顔をしているだろう。前の世界も、なんだかんだ言って、そうだった。彼女が死んだあと、酷い顔だったに違いない。
そして、気づいた。私は誰かに支えられないと立ってる事すらままならないんだ、と。
それに、もう一つ悟った。暗闇で顔が良く見えなかったが、容姿はわかる。....脳裏で何かがフラッシュバックした。
青黒い空に黒い影の長い髪が揺れる。キラッと怪しく光る銀の刃物。立ち方からして、女性なのが見て取れる。
....................それから、暗闇がまた現れた。
「あのさ、愛歌。勘違いしたらダメだよ....?」
....舞菜?なんの事を言っているの。意味がわからないわよ?
「夢のお母さん................『死んでた』んだよ。あそこで。」
「!!」
「夢たちにお弁当を持ってきた時に、殺されたみたいなんだよ。」
....は?意味がわからない。
「それを、夢が発見して....凄く驚いてたみたい。」
「........」
なんとも返せない返答。....でも、いつもと違うのは羅依さんが死んでいる、というところ。
「........でもね。おかしな事も起きたんだよ。」
「おかしな............事........?」
「うん。....発見直後、夢が笑って、「作戦」がどうのこうの言ってたの。それから、これは祟だって。」
........................祟り。
それは、この50年の不可解な殺人の理由。
どうなのだろうか。....私は最後の真実までたどり着ける様に。
これから1年、更新出来ない事が多くなりますが、どうぞ、よろしくお願いします。