TILE6-1 明日も、こうだといいのに。
秋がやってきた。
私は『彼』と共に1ヶ月も過ごしていないだろうけど、何年も前からの友達みたく感じる。
『彼女』とはもう4年も経つ。
秋がやってくると不思議と怪しむ人間がいる。
「愛歌ー!行くぞ!」
「早く早くー!」
「あ。うん。」
私は彼ら、飛夜理と舞菜の方へ走り出した。
そう、今日は村が出来てから50回目の秋祭りなのだ─────・・
「秋祭りつっても収穫祭じゃないのはわかった。しかし、綺麗な祭りだな。」
飛夜理は呟いた。
舞菜は「そうだねー」とにこやかに話す。
「ふぶき........。変よ。」
二人がにこやかに話す反面、私は、不思議に思ったことがあった。
「秋祭りから【今】が始まるなんて、可笑しい....いえ、初めてよ。何か、企んでるの?」
『いいですか、己と時間は繋がらない、だから、どこに飛ぶかもわからないのです。』
「....で。」
『ただ、これは【最後の世界】であることは確かなのです。』
やっぱり....と私は心情を明かしたが、もう一つ、ふぶきに言った。
「それじゃ、私は、【今】を楽しむわ。」
そうと言って置いていかれそうな彼らを追った。
さっきの言葉にふぶきは、『それならそれでいいのです』と言い顔を下に向けた。
とは言ったものの、1日が経つのは実に早かった。
「偉く、今日の愛歌楽しそうだったな。」
飛夜理がにっと笑って言った。
確かに、楽しかった。舞菜らといろんな風景を見て、色んな屋台を見て、村の人とも出会って....。
「明日も、こうだといいのに....」
素直にそう思った。
飛夜理は一瞬キョトンとしたが、すぐに笑って、「そうだな」と呟いた。
これから何があるかわからないけれど。明日が怖いけれど。