表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の下で夢を見るー正義と言う名の答えー  作者: 心井菜城愛
ほら。宴も、始まったよ....
28/46

TILE5-12 明日なんてあればね

あの後、帰ってきたのは夢、一人だった。

「用事が出来たみたい、お母さんから連絡があったみたいよ」と夢は話す。

事情はもあ先生も知ってる....ならおかしくはなかった。


「さぁ、授業始めましょうか」


先生が話した。

....何一つ、頭に入らない授業。今日がとても長く感じだ。

一体何時間経った?

今は一体何時?

そんな疑問だけ、私の脳内がぐるぐる回る。脳裏を走って、消えて....なんにもわからない。


「....さて、今日は終わりね。

....また、明日なんかがあったら....会いましょう。」


....彼女も察してる。

この村に『明日』なんかがあるかすら、わからないことを。

........わから、ないことを。


「帰ろう、か。愛歌。」


「....................うん」


飛夜理に声をかけられて、私の意識は(げんじつ)に戻る。我に返る。

........でも、わからないことはわからない。


「........此処で、いい」


飛夜理に言ったら、彼は驚いた表情をした。


「あ、でも...」


「いいの....真吾は、もう家に戻ってもいい、と言ってた........遺体も撤去ようだし....もう。生活環境も....整ってるわ。」


「........」


「....大丈夫、よ」


そう言うと、もう飛夜理は口を開かなかった。

「何かあったら....」と言葉を続けようと思ったが辞めた....。


「また明日ね。」


ただ、それだけを言って、私は自分の家に向かった。

心配そうな目の彼を背に。


『愛歌....。貴女、馬鹿ですね』


「....は?」


『私が話さなかったのも悪かったですけど........』


「....なによ、ふぶき」


声は、途切れた。

ノイズだけが彼女の声の代わりに聞こえてくる。


「なによ。意味わからない」


呟き、歩いて家に着いた。

二階で鞄を降ろし、私服に着替え、一階のソファに腰を掛け膝掛けを掛けてテレビを付け、音と光だけを観ていた。時間は三時過ぎ。暖かい....。日差しが暖かい。


「....」


プルルルル........プルルルル........


電話の音がした。

....時間は............7時。

四時間も寝ていたか....


電話の音をまた聞き受話器を手に取った。


「はい」


『愛歌ちゃん....!今すぐそこなんだが....出られる様に用意をしておいてくれ!話はそれからだ....!』


「ちょ、真吾さ....?!」


プツッ


ちっ、あの野郎。なんて思いながら表に出る。


「愛歌ちゃん、乗って。病院に向かうよ!」


「説明....を」


車に乗り込むと話を切り出した。

実は....と真吾は息を整え話す。私は「修羅場を、私なんかより....違うはずよ。」と。


「実はな....」


彼の話を聞いた時、私の中に声に出来ない、言葉に出来ない感情が生まれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ