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空の下で夢を見るー正義と言う名の答えー  作者: 心井菜城愛
ほら。宴も、始まったよ....
25/46

TILE5ー10 如何にも....

流れ星、か。

村は空が広く見えるからある意味、外で見上げれば広く見える。


「そうか。」


「俺は....その....」


いつも見る飛夜理の目とは違った。色が、まず違った。

何を考えてるのかわからない『目』だったのに。

今は。少しわかる『目』。

奥に奥に、色がある。ずーっと、奥に。色。

深い、青。そんな気がする。しっかり、自分の考えが持ててる目。

....少しすると、思わぬ言葉を飛夜理が口にした。


「........迷信だと、思えねー気がするんだ。」


「....?」


「あのなぁ....なんて言おうか。村に来る前、なのか来た後、なのか....に、話を....」


「........もういいよ。飛夜理」


「あ、そうか....」


わかった。....確かに話したかもしれない。でも、話してないかもしれない。今となっちゃ、誰もわからない....唯、一人を、覗いて。


「....私、今日はここにいる」


「え?....それ、大丈夫なのか?」


「........」


「舞菜に余計心配掛けるから....ここは流石に辞めたらどうだ....」


「........」


どの道、私に帰る場所も、居ていい所もない。選りに選って、こんな時なんだから尚更。誰にも迷惑を掛けたくない。もちろん....飛夜理にも。


「風邪も引くし、多分中には入れないだろうし....どうするんだ....よ?」


「なんとかする。だから....」


「もういい。」とでも、私の口は言いた気だった。

舞菜にも心配を掛けるかも知れない。飛夜理にも....皆にも。

初めてだった。初めてこんなことを思った。


「なら....家、来るか?」


「....いい、のか?」


「まぁ。」


「....................なら。」


「じゃあ、帰ろうか。」


彼はにこっと優しく笑った。それで、家路に向かって歩いた。

真吾も「飛夜理君なら安心だな」と許してくれた。

家に着いて、事情を話したら彼の両親も妹も暖かく迎えてくれた。

....初めて。こんな家族の暖かさを知った。

私の家は基本、母はよく、帰ってこない日が多いし、父は夕方に帰る頃にはもう家にはいない。弟に関しては時々祖母が連れて帰る。食事も基本一人だ。家族団欒なんて、有り得なかった。


「愛歌ちゃん?大丈夫?」


「あ....はい」


そう答えると、ふふ、と笑い、料理を薦めて来られた。

そりゃあ、最初は慣れなかった。でも、一晩もしないうちにもう慣れていた。人間とは凄いものだ。


....なんて、思ったのも束の間。

次の日、学校に行くと、優の様子が変だった。


「優、どうした」


「あ....ぼ....僕....」


どう見ても、目も全て可笑しかった。カタカタと口元、手足は震え、言葉すら上手く話さない。


「落ち着け....今なら、許される事かも知れない....」


「そんなの....ある訳ないじゃないですか....」


如何にも変だ。

優は震える左手を右手で押さえて良く分からない方向を見て、そっと呟いた。


「ま....さ....を....殺....し............」


一度は何のことかさっぱり解らなかった。

もう一度、ゆっくりゆっくり話す。


「舞菜....さんを........殺し....た........んで............す」


「!!」


なんだか、不思議だった。別に怒りも込上げない。ただ、なんで?と聞きたい。

なんでこんな事をしたか....それだけが知りたかった。

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