TILE5-9 流れ星
「あー....う....う....」
壁を伝ってしゃがむ。
頭の中が、真っ白になった。何もわからない。....わから、ない。
「愛歌ちゃん....一晩どうする?」
心配そうな部下の女の人。
こっちは名前知らないけど、向こうは私を知っている。
表情的に、うまく笑えていなかった。
「一晩....でいい、の....?」
「うぅん....どうする?明日には、家戻りたい?」
「別に....願望はない....」
と言ってそっぽを向く。
じゃあ....と話を勧めた。
弟の居場所がわかる?と言う質問だった。
わからないから、黙ってた。わからないから....
「....どう、しよっか....」
「さぁ....まい....」
舞菜。そうだ、彼女が居た。
彼女の所で少し泊めてもらおうか....
そんなことを思った。
きっと、あの子なら分かってくれる....でも、秋祭前は忙しいか....と悟り、辞めた。
なんとかなる。
内心はそう思ってた。
「愛歌ちゃん。ちょっといいか?」
声をかけてきたのは真吾だった。
作業に没頭しながらも、私に声をかける。
「この二人は....『何で』モメてた?離婚話?それとも....」
真吾の声が、シリアス調に変わる。
息を一度吸い、息を吐く。
そして、話した。
「『死姫』の事、かい?」
「....え?」
耳を疑った。
なんで、死姫の話が出るの....あの二人は、『何も知らない』はずなのに....!
そこで、1つだけ、心当たりがある事を思い出す。
「知った...げんは...た....り....」
『村の事を知り、下界人に教えた場合は祟によって.... 』
昔から、教えられ続けた言葉。
それは、ここの取締でもあった。
何百年間も守り続けられてきた取締。
『祟によって...殺される。』
これは、村の外の人間....いわば下界の人間に村の話をしてはならない、というものだ。別に、村の事を知るのは、罪でもなんでもない。
ただ、もしも、話してしまえば....其の者は、祟....つまり、祟りに殺されるというもの。それは、下界との接触を拒んだ村の為来りであり、村の取締の1つだった。
「ま....まさか....」
まさか....そう。
父と母はどうやってかはわからないが、死姫のことを知り、第一、父は元、下界人だ。でも村で暮らし始めたから一応は空下の人間....。父方の親戚の誰かに話した....?
血繋がりでも、その祟りは取り締まられる。つまり........
『祟りが発生しても、可笑しくない』
と、そういう事になる。
「....!」
ふら、と立ちくらみがする。足取りが掴めない。地を、踏めない。そして、暗闇が迫ってきた。
それから意識が一遍に途絶えた。
何日私は眠ってたんだろう。いや、夢を見ていたのかもしれない。........それは誰もわからない。
「....ん?....っ」
「愛歌....?」
舞菜と飛夜理....?
私が二人を見ると、ぱぁっと表情を明るくした。
部屋は....病院、診療所か....
唐突に、突然...怒られた。
どういうわけか、怒られた。
あれから、何日経つのだろう。
「2日だよ。」
「は?」
唐突な飛夜理の声に聞き返す。
「2日」とまた飛夜理は言った。眠ってたのは....2日....?
「あ!うち、明日の用意しに戻るね!」
と、舞菜が言った直後だった。
「こんにちは」と部屋に入ってきたのは、優だった。
そういえば....今年は空下家が役員だったわね....
「じゃ、いってきます!」
「舞菜さん、行きますか?」
それじゃあ、と二人が病室を後にした。
それで....また、沈黙。
飛夜理がふと、外を見ていたら突然口走った。
「流れ星。な。」
「....は?」
「流れ星。ほら、前に話してくれなかったっけ?」
「....したかしら?」
流れ星の話し。流れ星が流れ、願いを掛ければ来世に生まれた子が遠い円を伝って願いを叶えてくれる....そんな話があるらしい。
「迷信でしょう?」
「....さぁ、それはどうかな?」
飛夜理はにっと笑った。
いつか、わかる日でもくるのか....?
はい、こんにちは....ですかね。
心井菜城愛です。
このあとがきがご覧頂けているという事は....今年最後の投稿が、完了した、という事はですね。
はい。無事、あげてから年が明けられるのは、はい。光栄です。
こうして....ね。空の下で夢を見るシリーズも、連載して、初の年越しです。
これを書いてるのは、投稿の....二日前....かな?いや、二日前ですね。
日付は31日にしていますけど(笑)
解答編の挿絵が手についていないのは、両方、忙しい為でもあります....。
無事、1年が終われる事に感謝しつつ、読者の皆様にも新年のご挨拶も兼ねさせて頂きます。
この一年が、2014年が、皆様にとって良い年になる様にお祈り致します。
これにて、新年のご挨拶とさせて頂きます。
皆様、良いお年を。そして、来年も空下村を宜しくお願いします。
空下制作一同
2013年12月31日 年越しの田舎街より