TILE4-1 転入初日
「貴方....何処かで御会いしませんでしたか?」
そう、少女が一人。
彼女の顔は一度も会った事がないのに、見慣れた顔の様に感じた。
「い、いや....」
俺がそう答えるとそうですか....と悲しそうに立ち去った。
一体なんだったのだろう。
そういえば。今日から此処に通うんだっけ。
昨日、突然妹と俺はイキナリ車に乗せられ元々住んでいた街を出た。
どうやら祖母が倒れたらしい。
まぁ、細かいことはともかく、今日から転入することとなった。
「こ....こんにちは。さか、坂下飛夜理です....」
うわっ、噛み噛みだし!と思うのもつかの間だった。
これから起こることを俺は知る由もなかった。
「飛夜理、よろしくね。」
「あ、あぁ...えっと、名前は....」
「愛歌よ」
愛歌....聞き覚えがある。
なんでだろう。
一度会ったか?いいや。
じゃあ、なんだ?
そんな自問自答を繰り返しているとまた、黒髪の短髪少女が話しかけてきた。
「飛夜理って言ったっけ?私、舞菜。よろしくね!」
笑う舞菜。
妙だ。舞菜も愛歌と一緒で一度あった事が有るかの様な感覚があった。
まぁ。いいや。
良く分からないまま、俺は転入初日が始まる。