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TILE5-3 揺るがす
「ちょ....愛歌....それは....」
飛夜理の声を無視して私はその場所を去って行った。
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まだ生温い風がすぅっと通る。
それに乗って葉っぱが散る。
どん、どどん
太鼓の音。
それと同時に、肩を叩かれる。
「愛歌」
「なんだ、なにか用かな」
「いや。なにしてるのかなって」
巫女服の、舞菜が大きな目を見開いて聞いてきた。
「いいや、なんでもない」
そう少し微笑んで呟くと舞菜は何故かにこっと笑ってきた。
なんだというのだ。
「暇ならさ。どっか見ようよ」
最初は意味がわからなかった。
でも面白そうだから舞菜についていくことにした。
それが、これから先を大きく揺るがすとも知らずに....