TILE5-1 秋祭りの前に
爽やかな秋風が漂う。
涼しいの一言に着きようか。
「まぁ。笹草もってけよ」
「うん」
飛夜理に言われ笹草を皆さんのとこへ持っていく。
そして、はたまた数枚笹草を貰って飛夜理の所へ戻る。
「飛夜....理?」
声を掛けようとするとあまり見覚えのない少年を見た。
彼女、の弟か。
何を話してるかなんて聞こえない。
でも、次の瞬間、少年が飛夜理に渡したものは遠くからでも黒光りしてはっきりわかった。
──────小型の銃、だ。
一体なんで?
なにをしようとした?わからない
「飛夜理。それは?」
見たらわかるが話を聞いてみる。
あー....と少しためらいつつ話す
「これ、護身用に....っててんまが....」
やはり少年....てんまか。
私は怪しいと内心思った。
「で、笹舟ってどう折るんだ?」
飛夜理が問う。
余程の事がない限りは下界では折らないんだっけ。
「私は、厳しいわよ?」
にっと悪戯に笑い、飛夜理に教えた。
やはり、疑問符が多い。
「....まぁ、こんなものね。」
もう分からない。教え方が分からない。
嫌になりそうだ。
「飛夜理は本当に不器用だな」
嫌味っぽく言ってみた。
「ひでー、なんか悲しいわ」
苦笑い気味にそう呟く飛夜理を見てると不思議な気持が生まれた。