表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Code abyss  作者: Σ@Code狩人
abyss 〜生きる意味を求めて〜
2/18

出会い

ゲストキャラ投稿有難うございました。


今回はLim(h→0)さんのゲストキャラが登場です。


他のゲストキャラもなるべく早く出せるよう頑張ります。

僕が辿り着いたのはエストリア国領の中心街、エストリアだ。


エストリアというのは代々この地を収めている所謂王族の名字らしい。


国と言ってもどこぞの帝国と比べたら小規模だが、民主主義という周りの国にはない政策と国王の人柄からかなり民にとってすごしやすい国となっている。


聞いた話では父親はこの国の城の兵士長だったらしい。



さて、そんなこんなでエストリアに入った僕だが、一つ問題に直面していた。



アヴィス「・・・腹減った・・・」



そう、空腹である。


ただ空腹ならば慣れているから問題は無い。


しかし今の状況は武器とサバイバル用具と魔物から得た素材以外全く無しという状態だ。


保存食は朝で使い切ったし、金は無一文だ。



この世界ではどこぞのRPGみたく敵を倒すと金が出る、てわけではない。その代わり魔物から得た素材を換金場で金に変えて資金を得る。


これだけでかい街だと間違いなく換金場はあるだろうが、初めて来た場所だ。どこにあるか分かるはずがない。


さらにどうも僕は方向音痴みたいだ。迷子になりやすい。・・・その為にこの移動で半年余分に費やしたんだからな・・・


これだけでかい街だ。地図も無しに歩いたら迷子確定だ。


・・・とは言え、動かない訳にもいかないからな・・・


とりあえず近くの人に道を訪ねよう・・・


・・・とした、その時。



アヴィス「・・・ん?」


遠くから悲鳴が聞こえた気がした。


僕は自分で言うのもあれだが地獄耳だ。ある意味、生きる為に得た体質なのかもしれないな。


アヴィス「こっちからだったよな・・・」


とりあえず悲鳴が聞こえた方に向かって歩いた。


・・・しかしほんと腹減った・・・




しばらく歩くとなにやら焦ったような声と共に人だかりができていた。


なにか事件でもあったのか?


アヴィス「あの・・・何かあったんですか?」


とりあえず近くの街人に聞いてみた。


街人「近くの山賊が街の娘をさらおうとしとるんだ。助けに行こうにも、さらった娘を人質にしててな・・・」


それ聞いてよく見てみると、確かに男の集団が一人の少女を囲んでいた。そのうち一人が娘を人質にするように抱えている。


てか、ここの街人勇敢だな。同じ街の娘を助けようとこんなにも集まってる。中には武器と思しき物を持ってる人もいる。


・・・ならば。


アヴィス「すみません・・・この街、て抜刀御法度ですか?」


僕も助ける側に加わりますよ。


街人「正当な理由でなら大丈夫だが・・・まさか奴らに挑む気か?」


アヴィス「僕は剣士です。腕には自身がありますし、今彼女を助ける為のシュミレーションを組み立てました」


街人「なら・・・頼む。くれぐれも殺すのはだめだからな。正当な理由であれ、この国では裁かれる」


アヴィス「承知の上ですよ」


僕は鞄からある物を取り出しポッケに入れた。


そして前に出た。


・・・さぁ、覚悟しろよ、山賊ども。


食事の前の運動にしてやる。


山賊1「なんだてめぇは!」


一人が気づき、威嚇する。


・・・うん、ゴブリンよりも迫力ないな。


因みに今右手には腰に差してある剣の柄がある。いつでも抜刀できる構えだ。


山賊2「これ以上近づくな・・・近づいたらこれだぜ?」


???「う・・・ひぃ・・・」


恐らくリーダーと思しき山賊が嫌な笑みをしながら人質の少女の喉元にナイフを突きつける。


うん、ここまでは予想通りだ。


僕はその場に留まり、剣の柄を持ちながら山賊と睨み合っている。もし僕の予想が正しければ・・・


街人「あんた!危ない!」


・・・取り巻きが後ろから頭を狙うはずだ。


僕は街人が叫ぶよりも早く反応した。


ゴブリンよりも分かりやすく殺気が出てたからバレバレだ。


アヴィス「翔鷹月波!」


さっきのゴブリンの時みたいに振り向きざまに蒼い衝撃波を飛ばす。とは言え人間相手なのでかなり威力は抑えている。


山賊3「ほべっ!?」


鉄斧を持っていた山賊は呆気なく吹き飛んだ。


ありゃ頭打って気絶したな。


そしてここから手早く動かなければならない。


恐らく少女を抱えた山賊は今の報復で少女を刺そうとするだろう。


しかしここから距離がある。僕の剣技に遠距離攻撃はあまりない。数少ない遠距離攻撃も届く前に相手が早く動くだろう。


ならば。


アヴィス「せや!」


山賊2「いだっ!?」


・・・飛び道具を作ればいい。


今投げたのはさっきポッケにいれたサバイバルナイフ。愛用品だ。


獲物を遠くから狩る為に得た投函技術が役立った。


ナイフは山賊のナイフを持った側の腕に刺さり、山賊はナイフを落としたと同時に少女を離した。


アヴィス「吹き飛べ!牙竜砕(がりゅうさい)!」


山賊2「ほべらっ!?」


そして瞬時に近づき回し蹴り (素足で魔物を吹っ飛ばせるレベル) を力を抑えて放った。


・・・まぁ軽く吹っ飛んでいったが。


アヴィス「大丈夫ですか?」


僕は少女 (何故か手足を縛られていた) を救出。縛っていた縄は山賊が落としたナイフで切り落とした。


・・・あとでナイフ拾いにいかないと。


???「あの、えっと・・・」


アヴィス「皆さん!人質は救出しました!やるなら今ですよ!」


僕は武器を持った街人に向かって叫んだ。


街人「でかした青年!さぁ皆!あの山賊を捕まえろ!!」


一同「「「「「「「うおぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」」


おお、なんて凄い団結力。


そして山賊達は呆気なく御用となった。



・・・ぐぅ~・・・



アヴィス「・・・う・・・」


いかん。腹減ってたの忘れてた。


???「あの~・・・」


すると助けた少女がもじもじしながら話かけた。


アヴィス「どうしました?」


???「もしよかったら・・・お礼もしたいので私が働いている喫茶店に来ます?」


おお、なんていいタイミングなんだ。


でも・・・


アヴィス「ごめんなさい、今お金ないので・・・」


今の自分は無一文だ・・・


???「大丈夫。私がおごります。助けてくれたお礼です」


今日僕は久しぶりに神様に感謝した。




話を聞くと、彼女の名前はマリア・アルバトロス。買い出しの途中山賊に襲われたらしい。

なんでも山賊は犯すつもりでさらおうとしたらしいが・・・全く、とんだ変態もいたもんだ。


マリア「ただいま~・・・あれ?マスター?」


店に入ると、誰もいなかった。出払ってるのか?


マリア「ごめんなさい、ちょっと待ってて。あ、席は好きなとこに座っていいから」


そう言ってマリアは奥に行った。まぁ、仕事着に着替えてくるんだろうな。

とりあえず近くの席に座った。


メニューを見ると・・・食べた事もない物ばかりだ。僕は基本魚と干し肉と山菜を使った料理くらいしか食べてなかったからな・・・


マリア「お待たせ~」


奥からウェイトレスの姿をしたマリアが戻ってきた。


・・・やばい。正直言ってめちゃくちゃかわいい。


マリア「ん?どうしたの?」


アヴィス「・・・ん?あ、いや、ちょっと考え事」


うん、嘘はついていない。


マリア「ふーん、どんな?」


アヴィス「ん~ざっくばらんに言うとこれからどうしようかとかかな?」


咄嗟に言ってみたがよく考えたらほんとにこれからどうしようか?


マリア「これから?ご飯食べるんじゃないの?」


アヴィス「あ、いやそういう意味じゃなくて・・・」


まぁ確かにこれからする事だけども。


マリア「あ、仕事しないと。ご注文はお決まりでしょうか?」


マリアが仕事モードになった。うん、さっきと雰囲気がちがうね。


どうしようかな・・・よし、これにしよう。


アヴィス「オムライスとオレンジジュースを一つずつ」


マリア「かしこまりました」


そう言ってマリアはまた奥に行った。


・・・あれ?マスターいないんじゃなかった?


・・・まさかマリアが作る、てことか?


ならおごるということもあらかた納得できるが・・・


5分くらいしただろうか。待っている間この街の地図を見ていた。換金場はここの近くだった。


マリア「お待たせしました」


奥からオムライスとオレンジジュースを持ったマリアがやってきた。


・・・オムライス、めっちゃ美味しそう。


アヴィス「では、いただきます」


僕は手を合わせて、オムライスにスプーンを伸ばす。


・・・一応スプーン使った事はあるからね。


アヴィス「お、美味しい・・・」


オムライスはめちゃくちゃ美味しかった。僕が作る料理 (と言えるかも分からない) とは雲泥の差だ。


マリア「有難う♪」


あ、マリアがさっきの雰囲気に戻った。


美味いオムライスはみるみる内に無くなっていき、オレンジジュースも飲み干した。


アヴィス「ふぅ・・・ご馳走様でした」


マリア「お粗末さまでした♪」


マリアは皿とコップを持って奥にいった。


戻ってきた時にはまた普段着 (だと思われる) に戻っていた。


マリア「改めて・・・あの時は有難うございました」


アヴィス「気にしないで、て。当たり前の事しただけだよ。僕としては手が出せなかったとはいえ勇敢に挑もうとした街人の方が凄いと思うけど・・・」


マリア「ここの人達は皆そうなの。皆が家族、て感じで、お互い助け合いながら暮らしている。私も近所でよくお手伝いしてるの」


そうなんだ・・・僕の故郷とは大違いだな・・・


マリア「どうしたの?アヴィス」


アヴィス「ん?ああ、なんでもない」


いかん、また黙りになってしまったな。


マリア「そう?なんか悲しそうな顔してたよ?」


アヴィス「・・・」


やっぱり・・・言葉で騙しても顔まで騙せないか・・・


マリア「何かあったの?無理には聞かないけど・・・」


少し心配させてしまったかな・・・ここまで来たら仕方ない・・・


アヴィス「話してもいいけど、聞いて後悔するかもしれない。それでもいいか?」


マリア「・・・うん。アヴィスがなんで悲しそうなのか、聞きたい」


・・・初めて会った人なのに・・・なんでこんなにも安心できるのかな・・・


僕は彼女に話した。


自分の生まれ故郷の事を。


自分がハーフエルフである事を。


自分が男でありハーフエルフであることから迫害を受けた事を。


自分が命を狙われた事を。


その中で両親を失った事を。



・・・言ってる自分が悲しくなった。



マリアの目には少し涙が溜まっていて、明らかに怒りを露わにしていた。


マリア「なにそれ・・・そんなのが許されるの・・・?」


アヴィス「信じられないだろうな。でもこれは紛れもない事実なんだ・・・でも」


僕は言葉を区切った。


アヴィス「ある意味、そのおかげで父親に会えた。と言っても、義理だけどね。新たな名前も貰えた。生きていても絶望しかない僕に、生きる意味を探すきっかけを作ってくれた。だから今の自分がいる。勿論、あの事は忘れたくても忘れれない。今もそれは僕を苦しめる。でも今の自分なら乗り越えられる。そう思うんだ」


この一年で考え、行き着いた自分なりの答え。まだ未完成だけど、紛れもなく自分の本心だ。


マリア「・・・強いんだね。アヴィス、て」


アヴィス「そうでもないさ」


マリア「じゃあさ!私の夢を聞いて?今の話をしてくれたお礼替りに」


アヴィス「いいの?」


マリア「うん。でも、今のアヴィスの話程重くないし、ちょっと可笑しいかもしれないけれど・・・」


アヴィス「笑わないよ。それに笑ったりなんかしたら自分の事言えないしね。生きる意味を見つける、てことなんてそれこそ雲を掴むような話なんだし」


自分で言ってなんか切なくなった。


マリア「じゃあ言うよ・・・これ、アヴィスが初めてだからね。身内以外に話すの」


アヴィス「ん、わかった」


マリア「私ね、自分の好きな人と結婚して、二人で仲良く一緒に喫茶店開くのが夢なの。それこそ、世界一を狙えるような!・・・変、かな?」


アヴィス「・・・いや、変、と言うより、立派な夢だと思うよ?」


マリア「本当!?」


アヴィス「うん。立派だよ。てか、マリアなら本当にいけるんじゃない?料理美味しかったし」


マリア「そ、そうかな/// なんかストレートに言われると恥ずかしいな・・・」


アヴィス「あ、ごめん」


そして少し静まりかえった。




マリア「・・・それにしても」


アヴィス「ん?どうした?」


マリア「不思議だよね。アヴィスとは今日初めて会った人なのに、こうしてお互いに夢や秘密を言い合える、て」


アヴィス「・・・そうだよね。僕もそう思った」


なんでだろうな・・・マリアと話していると、妙に安心できるんだよな・・・


なんて考えていたら、後ろで扉が開く音がした。



こんな長い文章書くの初めてかもね・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ