血の因縁とアヴィスの過去
・・・え〜大変お待たせして申し訳ありませんでした。レフェル様のゲストキャラの登場です。・・・口調間違えてないよね?
アヴィス「よし、攻撃の回避方法は大体分かった!」
アヴィスはギルティとの一騎打ちを続けて行く最中、ギルティの技の挙動と回避方法を見出した。
アヴィス「とはいえ、あれで全部とは思えないが・・・」
ギルティ「なにブツブツ言ってんだい!」
アヴィス「独り言だ!気にするな!」
ギルティ「気になるわ!声に出過ぎだっつうの!」
・・・なんか愉快だった。
ハイン「・・・なぁ、あの二人本当に因縁の敵なのか?」
セリーナ「そのはずだよん・・・」
周りの皆もこの様子である。
ギルティ「しかし、流石に拉致があかないねぇ・・・」
ギルティは大きく距離を取る。
アヴィス「魔術詠唱・・・ん?これ何か聞き覚えが・・・」
人差し指を上に掲げ、グルグル回していたギルティがニヤリと笑い、動きを止める。
アヴィス「そうだ!思い出した!これは・・・」
アヴィス・ギルティ「「サイコバインド!」」
二人が叫ぶや否や、ギルティが魔弾を飛ばす。
アヴィス「危ない!」
アヴィスは難なく回避。
アヴィス「そうだ・・・確かあれは魔弾に触れたものを精神面から侵食し、完全に動きを封じる禁術の一種・・・ん、まてよ?」
アヴィスはふとまだ動かない二人を見る。
アヴィス「そうか・・・二人ともサイコバインドで動けなくされてるわけか・・・」
サイコバインドは侵食から時間が経つと眠ったように動けなくなる。二人はきっとその状態なのだろう。
アヴィス「・・・て、また来た!」
ギルティ「考え事してる場合かい?」
今度も回避。
ギルティ「ん、そうだ。良い事思いついた。なんでもっとはやく思いつかなかったんだかねぇ・・・」
ギルティはまたサイコバインドの詠唱を始める。そしてその弾道を・・・
ギルティ「それじゃ、部外者には眠ってもらおうか」
隅にいたマリア達に向けた。
アヴィス「!しまった!」
アヴィスは気づくや否や駆け出す。
アヴィス (何か、何か突破口は・・・!)
同時に何ができるかを考える。
アヴィス (あ!これだ!もっと早く使えばよかった!)
そしてとある道具を左手に持つ。
マリア「アヴィス!」
アヴィス「させるかぁぁあ!」
キョキン!
ギルティ「な・・・グゥ!?」
アヴィス「レギン王にこれ貰ってて正解だった」
アヴィスの左手に握られたもの。それは魔力反射鏡。
魔弾を跳ね返すのなら、と使ってみれば見事反射し、サイコバインドはギルティに命中した。
ギルティ「グゥ・・・月が・・・元に・・・」
アヴィス「あ、本当だ」
いつから始まっていたのだろうか。気づけば月食が終わっていた。
ギルティ「くそ・・・計画が・・・狂った・・・だが・・・まだ、策はある・・・今こそ・・・碧の民の・・・く、間に合わない・・・!異端者風情めが・・・!」
そう呻き、ギルティは煙を出し消えた。
アヴィス「いかにも三流らしい逃げ方だなこりゃ・・・」
はぁー、と大きく溜息を吐きアヴィスは脱力する。
ハイン「済まない、見ていただけで・・・」
アヴィス「いいですよ・・・奴と一騎打ちできてなんか荷が軽くなりましたから・・・さて、聞きたい事があるならどうぞ」
ハイン「まぁ、なんだ。聞きにくいことだが・・・フロイデ=エイウィス、というのは・・・」
アヴィス「まぁ、お察しの通りだと思いますが昔の僕の名前です」
アヴィスは態勢を整えて語り出した。
アヴィス「もうマリアには言ってあるんですけどね。僕は人間と碧の民のハーフです。本来ならあり得ない話なんですけどね。僕の母さんと実の父さんは相思相愛になったんです。それで碧の民が祀っている四神のひとつ、海神の助けもあって二人は結ばれ、僕が生まれました。フロイデという、喜びの意味をもつ名を持って。・・・それから暫くは確かに幸せでした。周りは女子ばかりだったけど、少なくとも同年代は仲良くしてくれて、碧の民の若い世代と両親は僕の理解者でもありました。・・・でも古いしきたりを好む比較的老いた世代は良くは思ってなかったんでしょうね。なにせ男と結ばれ生まれたハーフエルフであるうえに男なのだから。そいつらの中にギルティもいました。そして僕に物心がついてそこそこ自立も初めてきた9歳のある日、事件は起こりました。・・・まぁ、お察しできると思いますが。幼馴染や父さんの力もあり、僕は海神のいる神殿まで避難できました。しかし連中はそこまで追ってきました。自身が崇める神よりも異端者を殺すことが優先だったんでしょうね。僕の両親は海神に志願し、僕を遠くに飛ばしました。僕が最後に見た二人は、凶刃が突き刺さったまま手を振っている姿でした・・・」
重苦しい空気が夜空を支配した。
アヴィス「それからは偶然の連続によってダイク=ハーヴァンと出会い、その元で暮らし、彼の死後、この名前を名乗った、て次第です」
ハイン「・・・そうか・・・」
なんとも居た堪れない雰囲気の中、アヴィスがふと思った事を言った。
アヴィス「・・・にしても、連中は仮に呼び出したとして、何をしようとしたのだろう?」
ハイン「あ・・・そうだ、そういえばそうだな。アヴィス君の抹殺が目的だとしたら、やけに大掛かりな気もするが・・・」
アヴィス「まぁそれもきっと目的のひとつだとおもいますがね・・・碧の民がどうたらこうたら言おうとしてたとすると一族を巻き込んでなにか企んでいるか・・・」
ハイン「兎に角、一度城に戻ろうか。この二人の容態も気になるし」
アヴィス「あ、それならもうすぐ・・・」
???「「ん、んぅ・・・」」
アヴィス「ほら」
???「ん〜・・・?あ!トゥラーシュ!トゥラーシュを・・・あ、あれ?」
???「ん〜・・・?んみゅ?ルイセなんで人間になってるの?」
ハイン「・・・え、えーと?」
アヴィス「サイコバインドとはいえ、時間経過で回復するんだよね、一応・・・」
???「トゥラーシュ〜!無事だったんだね〜!」
???「え、えーと・・・どうしたのルイセ?」
???「どうしたもこうも、あの女に連れ去られて助けようとして人間化したら返り討ちにあって・・・」
アヴィス「さりげなく自虐してるな」
???「誰今ひどいこといったの!?・・・て、あれ?貴方方は?」
???「え、えーと、ルイセ、とりあえず戻ったら?」
???「あ、そうだね〜」
ポン、と光に包まれたルイセと呼ばれたものは人間の姿から狼の姿になった。
ルイセ「えーと、紹介するとこの子の使い魔のルイセです」
トゥラーシュ「まねごとでしょ、あ、助けてくれて有難うございました。トゥラーシュ=アルカディアといいます。一応言いますけど17歳です」
ぺこりと御辞儀して自己紹介をした。・・・3人ほどトゥラーシュの最後の言葉で驚いてるが。
アヴィス「あ〜なんとなーく雰囲気的に子供にしては大人びてるな〜とおもったらやっぱりね・・・」
セリーナ「お姉さんもその背の所為で子供扱いされるからねぃ!気持ちわかるわよんなんとなく」
一同「「「「「なんとなくかい((ですか))」」」」」
ボケも決まったところで・・・
ハデス「・・・で、城に戻るんじゃなかったのか?」
ハイン「あ、そうだった。二人とも、とりあえずついてきてくれるかな?」
トゥラーシュ「わかりました」
ルイセ「はーい」
こうして、エストリアの国を巻き込んだゴタゴタは終わった。
約一名セリフがなかった件について・・・済まなかった