碧の民
今回は急展開?あと地味にゲストキャラ登場です。
本格的に登場するのはもう少し後かな?
アヴィスside
盗賊のアジトを飛び出した僕らは大急ぎで東の谷に向かう。タイムリミットまでもう時間がない。
谷へと続く街道をひたすら走っていると、道端で何かが倒れていた。
ハイン「これは一体・・・?」
それは小さな女の子・・・いや、人にしてはなんか小さ過ぎるような・・・
リリサ「ねぇ、この子動かないよ!?」
アヴィス「落ち着いて・・・うん・・・脈はしっかりしているんだけど・・・」
その子はまるで眠っているかのように動かない。脈があるから死んではいないと思うけどそれにしてはなにか様子が可笑しい。
・・・なんか、何処かでこんなような感じになってる人、見たことあるような・・・
ハデス「兎に角今は連れていかれた人の救出が優先だ。この子は命に別状はなさそうだし、ひとまず後回しにする。とはいえ、流石にこのままにしておくのは危険だからこのまま連れていこう」
ハデスさんの意見に反対する人はいなかった。
・・・しかしなんだろう、この身体中を駆け巡るざわつきは・・・
noside
???「全く、この小娘といい王国の者といい手間を増やしてくれるわ・・・」
時は進み、場所は谷の頂上、黒いローブに身を纏った者が何やら準備を初めていた。
そばには先程アヴィス達が保護した女の子と同じような状態になっている少女がいた。
???「だがこれまでよ・・・もうすぐ・・・もうすぐ世界を碧色に染める第一歩を踏み出せれる・・・!待っていてくれよ、同志よ・・・!」
謎の者が少女を抱えようとした、
その時。
アヴィス他「「「「「「背後からの奇襲にご注意〜!!」」」」」」
ドガッ ドスッ ボカッ
???「ぎゃぁぁぁあ!?」
・・・やたら賑やかに彼らが到着した。
アヴィスside
ハインさんが生み出したこの言葉、
「背後からの奇襲にご注意〜」
なんか僕らの合言葉になりそうだ(汗)
ハイン「いた!きっとあの子だ!」
ハデス「子供・・・か?」
ハインさん達は連れ攫われていた少女を救出。
ハデスさんが子供かと言ったが・・・多分小さな女の子、だからか?確かにこの中の最年少のリリサさんよりも小さく見えるが・・・何故だろう、何処と無く雰囲気が僕らと同年代な気がするんだけど・・・て、そんなことは今どうでもいい!
マリア「あなたが盗賊の親玉ね!おとなしく降伏しなさい!」
さっき吹っ飛ばしちゃった人に対し全員で戦闘体制をとる。こういった場合大概素直に応じてくれるとは思わないからね。
???「ふん・・・おとなしくyesと言うとでも思ったか?」
一同「「「「「「いいえ全く」」」」」」
???「なら聞くな!たく、ほんと、人間とはまぬけた奴ばかりだな」
・・・なんだ?何処かで聞き覚えのあるような・・・それよりもさっきから身体中を駆け巡るざわつきはなんなんだ!?
???「ん?ほう・・・そこのお前」
アヴィス「な、なんだ?」
・・・そうか、この感覚、思い出した。
???「お前・・・フロイデ・エイウィスという異端者の名を知ってるか?」
やはり間違いない。こいつは・・・!
???「そうか・・・つまり・・・そういうことかぁぁ!!」
ガキンッ!
黒いローブを着た人はいかにも禍々しい剣を取り出し襲いかかってきた。が、すぐ反応した。
???「ぐぅ!?少しはやるみたいじゃないか!」
アヴィス「なんの、これしき!」
鍔迫り合いになるが、弾きとばす。
マリア「アヴィス大丈夫!?」
アヴィス「このくらいなら日常茶飯事だ。それより・・・」
僕はもう一度・・・敵に向かって剣を構える。
???「あの泣いて怯えていたガキがこんなになるとはねぇ・・・」
アヴィス「何年経ったと思ってるんだ。・・・まぁ、あんたらにとっては僅かな時間だろうがな・・・!」
周りの皆は何がどうなっているのか理解できていない感じだ。
・・・いや、マリアだけは何と無く察したようだけど。
アヴィス「異端者狩りの次はなにをするつもりなんだ・・・碧の民、いや、ギルティ!」
今も忘れられぬ名前。これを叫んだ時周りの空気が変わった。
ギルティ「異端者風情に話すつもりなんてないさ・・・まぁいい・・・どのみちお前は計画の邪魔になりそうだ・・・今のうちに殺す!」
そう叫ぶや否や、再び剣を構え襲いかかる。
ハイン「異端者、て・・・どういうことだ?」
セリーナ「いや、それよりも碧の民、て・・・」
状況が飲み込めず、周りの仲間は戦闘体制をとったまままごついていた。
碧の民。エリーズィウムの東に住んでいるエルフの一種族。全てが女性として生まれることで有名である。
周囲の交流などは一切せず、独自の文化を築いてきた種族がなぜここにいるのだろうか。
マリア「・・・アヴィス・・・」
唯一マリアはあらかた事情を聞いているのでなんとなく察しはついていた。
アヴィス「やはり強いな・・・!」
ギルティ「なんだい、さっきまでの威勢の良さはどこいった!?」
状況は互角。どちらもダメージを与えれていない。
日が沈んだ谷で、ただ刃と刃がぶつかる音だけが響いていた。
背後からの奇襲にご注意はこの作品で流行らせたい(笑)