背後からの奇襲にご注意
今回とあるマニアックなネタがありますが分かりますかね?
アヴィスside
アヴィス「はぁ、はぁ、今思えば長いな出入り口まで!」
僕達は牢屋から出入り口に向けてダッシュしていた。
しかし行きではそんなに感じなかったのに、廊下がやけに長く感じる。
現在地は階段を降りたところ。ここから出入り口までは半分のはず。
逆に言えばようやく半分だ。
アヴィス「ん?」
ふと立ち止まると壁の向こうから何やら声が聞こえる。
これはセリーナさんの声だな。
ハイン「どうした?アヴィス君」
後ろからハインさん達が追いついてきた。
・・・ふむ、ひょっとしたら上手くいくかも・・・
アヴィス「ねぇハインさん、迷路の簡単な突破の仕方、て知ってます?」
勿論、正攻法ではないんですが。
だけど方向音痴の自分には丁度よい方法だ。
ハイン「・・・うーむ・・・あ、ひょっとしたら・・・」
ハインさんは僕に耳打ちをした。
アヴィス「それですよ」
その回答は僕の考えてと同じだった。
ハイン「よし、やってみようか」
そして二人で定位置につく。
後ろではマリアと女性達が不思議そうに見ていた。
ハデスside
盗賊は粗方やっつけた。今俺たちは増援を警戒するため入り口付近を固めている。
今のところこの辺りを通った者はいない。まぁやっつけた盗賊は正座させて説教 (セリーナさんが) してから紐で雁字搦めにしたから当たり前かもしれないが。
てか、今だにセリーナさんは説教している。
ハデス「しかし・・・」
セリーナ「全く、随分脆い武器使ってるね!こんなんだから・・・」クドクド
ハデス「怒る観点が違う気がするのは俺だけか?」(汗)
セリーナさんは何故か武器について怒っていた。
リリサ「まぁ鍛冶屋だからじゃないですか?」
ハデス「どうですかね・・・」
確かに鍛冶屋なら装備品にはうるさいだろうが。
リリサ「そうだハデスさん、シルヴァ、元気ですか?」
ハデス「殿下なら元気ですよ」
俺がいるアリメア帝国とここエストリア王国は同盟関係で築かれており、互いの婚儀も既についている。
そのうちの嫁が今俺の目の前にいるエストリアの姫君、リリサ=ファルバ=エストリア。
そして婿がアリメアの王子であるシルビア=アリメア、ということだ。
二人は親同士が勝手に決めて婚儀を行う、といった古臭いことは一切せず、お互い一目惚れでお互い父親に結婚したいといって婚儀が成立した。周りの国から見れば前代未聞なことだろう。俺もよく殿下の惚気話を聞く。
その時の殿下の顔が幸せそうでこちらも自然と微笑んでしまう。
因みにリリサ姫が言ったシルヴァというのは殿下の愛称だ。髪が銀色だから名前とかけたと殿下から聞いた。
そんなこんなでリリサ姫と話していると説教を終えたセリーナさんが此方に向いた。
セリーナ「どうする?アヴィス君達を追う?
それもとここで待つ?」
セリーナさんがそう聞いた時。
俺は見逃さななかった。
盗賊の一人がナイフでこっそり紐を切っていることに。
ハデス「セリーナさん、後ろ!」
セリーナ「え?」
そう叫んだ瞬間。
ブチッ
盗賊「覚悟ぉぉ!」
紐が切れて盗賊が解放されてしまった。
一人が飛び出しセリーナさんに襲いかかる。
セリーナ「きゃあ!?」
不意をつかれたセリーナさんは武器を構えるのが遅れてしまった。
ハデス「くそ、間に合え!」
俺はダッシュするが間に合いそうにない。
今正に凶刃がセリーナさんを襲おうとした、
その時。
ドカァァァァァァァン!!!
一同「「「「「「「!!!!???」」」」」」」
いきなり壁が爆発した。
・・・え?何が起こったの一体?
ハイン「背後からの奇襲にご注意〜!」
そして煙の中からハイン王子が飛び出した。
アヴィスside
マリア「ねぇアヴィス、さっき言った迷路の簡単な突破の仕方、て・・・」
アヴィス「そう、
壁を壊して真っ直ぐ進む」
マリア「反則でしょそれは!」
失礼な、いつかは出口につく簡単な方法なのに。
因みに壁は土属性のツァウバーカノンで破壊しました。威力高いんだこれが。
燃費も高いけど・・・
ハインさんは崩れた壁から飛び出し盗賊に攻撃する。
アヴィス「さて、僕もやりますか」
そして駄目押しで僕も介入した。
セリーナ「助かったよん、二人とも」
ハデス「危なかったな、二人の奇襲がなかったらセリーナさん死んでたな」
あの後盗賊は全員御用となり、三人と合流した。
聞いた話では相当やばかったらしいけど・・・
セリーナ「にしても背後からの奇襲にご注意、て私に言ったのかなん?」
ハイン「それは偶々です」
向こうも奇襲したみたいだね・・・
アヴィス「て、それよりも。三人とも、ここから誰か出ていかなかった?」
ハデス「いや?誰も来なかったが・・・」
ハイン「!?それは本当か!?」
ハデス「ど、どうしたんです急に!?」
ここに来てない?じゃあどこから・・・
ハイン「盗賊のリーダーが悪あがきかなにかは知らないが一人だけをつれて谷に行ったらしい。このままではその人が生贄になってしまう!」
リリサ「ええ!?じゃあ急がないと!」
アヴィス「もう何処から脱出したとかを考えるのはよそう。直ぐ谷に向かおう!」
僕らは女性達と盗賊をエストリアの兵士に引き渡した後、谷向けて走りだした。
タイムリミットは迫っている。
スキットは今回お休みです。
ネタは分かりましたか?奇襲の方じゃないですよ。迷路の突破方法の方ですよ?