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新しい出会い?

・・・。マジカオス。


わかったこと


私の中で魔法とされている能力は・・・攻撃から防御。さらには治癒系統まで網羅している。しかも、呪文とかはイメージさえできれば何でも出来そう。どう、唱えればいいかは口が勝手に動いてくれるので気にしなくてもいいが、自分がイメージしやすい言葉を自分で考えた方が制御しやすい。


どこで覚えたのかは知らないが自分の記憶なのに数えるのが面倒になる程度の数の武術を使いこなせる。どの程度のレベルなのかはわからないが。


なお且つ、さきほど一瞬見たことを細部まで思い出せるのは才能と言う言葉におさまりきらない。能力と言うべきだろう。


あと、新しい発見。というより、自分の記憶を漁ったら出て来ただけ。


耳についている、小さな扇。念じれば手に収まるサイズにも乗れるぐらいのサイズにも変わる。しかも、重さも変幻自在。売ったら高く売れるかもと考えても見たのだが・・・何故かどうしても手放せない。


あと、名前がないと不便だと思っていたときにその扇にロゥと刻んであったのを見つけたためロゥと名乗ることにした。やけにしっくりくるのは何故だろうか。


まぁ、なにはともあれ障壁を自分の周りに常に張るようにした。これで、多少のことが起きても大丈夫だろう。それに、この耳と角は錯覚で神殿で会った人と同じ感じにしておいた。


これって・・・。私、だいぶ強いのでは?・・・・・・・・・・・・。個人的に自分と同じ能力をもった敵とあったら倒せる気がしない。





いやいや、慢心はいけないな。油断していると命がない。




あと、付け加えておくならば私はサバイバル経験もあるらしい。


だけど、経験に伴う思い出といわれるやつが欠片もない。何と言うか、記憶と言うよりもはや知識と呼ぶべきだろう。


わからないことは考えても仕方ない。わかりそうになったら追求すればいいだろう。






そんな事を考えながら、イノシシに似た生き物を焼いて食べている。さっきも言った通り、知識はあるのだ。だから、出来なことはないと思って、ダメモトで狩りをやってみたら・・・・。出来てしまった。風の魔法をぶっ放したら、イノシシの首が放物線を描いて飛んで行った。ただ、血が飛び散るのがいただけない。次からは・・・。後で考えよう。


なにはともあれ、今私はイノシシをさばいて焼いて食べている。余談だがちゃんと後に残った皮や骨も有効活用させてもらうことにした。皮は普通に歩いていると小枝が足に刺さって痛いので靴に加工し(糸とかはどうしたかって?丈夫そうな植物のつるを使わせてもらった。)たり、骨は硬い石で削って小刀にした。こんなことまでできるなんて、我ながら何者だ?





ひとまず、やわらかい寝床が欲しかった。自分の格好を流れていた小川で見たら・・・・・ひどい有様だった。着ていたのは光に反射してやわらかい白い光を反射する肌触りのいい生地、それもだいぶ丈夫で高そうだ。私の記憶でいえば民族衣装に似たワンピースの様な感じだ。袖がとても広がっている。動くたびに裾がひらりひらりと待ってとてもきれいだ。――――――――――があいにくと汚れがひどい。特にさっきイノシシの首をとばした時に飛んだ血のせいで尋常じゃない。


この格好で誰かに会ったらまず攻撃されるだろうなぁ。


ともかく腹は膨れた。食べきれなかった肉はさっきから私を襲おうと周りを囲んでいる狼に似た集団にやろうと思う。


「乱風。 切り裂け。」


魔法を使うのは気分が良い。ただなんというか、運動をした後の爽快感に似ている。余った肉を程よく風の刃で切り分け、周りを囲んでいる狼たちの前に落とす。


グルルルル


警戒しながらも肉を加えて去って行った。まぁ、狩りをせずに飯が食えりゃあ得だからな。

「ともかく、どこかに村があるか探すかな。」


そろそろ、日が沈む。










私は、とにかくやわらかくて清潔なベットで寝たかった。


「探索。」


感覚的に少し歩いたところに村があるのがわかった。この見た目だと・・・あまりにも凄惨なので魔法の恩恵にあずかり服を綺麗にしてから出発することにした。


「洗浄。」


服が綺麗になった。・・・。魔法ってホントに便利だなぁ。




村にはお年寄りが多い。まぁ、こんな森の奥だから稼げるもんもないのではないだろうか。きっと若い人達は稼ぎに出ているんだろう。そう予測した。何はともあれ、村人と接触しなければ何も始まらない。村から続いている道を荷物を背負って歩いている男を発見。


「あの、すいません。森に迷い込んでしまったのですが、ここがどこかわかりますか?」


さりげなく声をかける。一応様子見で木の陰から声をかける。

さっきまでとキャラが違う?当たり前だろう。


「・・・。子供か。何故隠れているんだ。」


おっ?あんまり驚いてないなぁ。見えないところから声かけてんだけど。


「すいません。この道をずっと歩いていたんですが疲れてしまって少し休んでいたんです。」


そう言って男の前に出る。と。


「ま、魔物!」


は?なんか、前と同じ展開か?


「何で?何で魔物だと?」


男は私を憎い相手を見るような目で睨めつけて来る。


「その、邪悪な色の目と髪・・・どこをどう見ても魔物じゃないか。」


・・・。マジですか。この男の人、魔物にちゃんと答えてくれるんだ。親切だな。


「私は魔物じゃありません。」


ちょっと声を作ってみる。ほだされてしまえ。


「・・・。だまされるか。」


男は荷物に括りつけていた、護身用のものであろう剣を私に向けて来た。



面倒。ただ、それしか思えなかった。一番手っ取り早くこの男を黙らせるにはどうするか。       殺すか?


私がせめて痛くないように一撃で仕留めようとしたそのとき

「おにいちゃ~ん。おっかえりなさ~い。」

気の抜けた声が聞こえて来たんだ。


男は声の主であろう少女に向かって叫ぶ。私は、ちょっと無茶があるがやらないよりはましだろうと錯覚の魔法を使って髪と目の色を茶色に変える。

「く、来るな。俺の前にいるのは魔物なん・・・ってあれ?」


「おにいちゃん、何言ってるの?って、うわぁ・・・綺麗な子だね。」


気の抜ける声を出してきたのは小さな少女だった。男は髪の色が変わった私を見て唸る。


あ・・・あほがいる。だけど、これならごまかし切れるか?


「あの・・・私の髪は確かに濃い茶色ですので暗い所でみれば黒ともいえないこともありませんが・・・。魔物じゃないですよ?」


「・・・。そう、みたいだな。」


男はポカンとした表情のまま謝ってくる。

ハッ。ちょろい。


「まったく、お兄ちゃん。ダメじゃない。ごめんね。」


「ううん、わかってもらえたみたいだから。」


「でも、こんな辺鄙なところに何しに来たの?」


さて、どうするかな。何の知識もないしな。


「実は、頭を強く打ったみたいで記憶がないの。でも、そばに誰か知りあいがいるんじゃないかと歩いてたんだけど、知り合いどころか人に会えなくて困ってたの。」


可愛らしい声ってつかれる。


「そんな・・・かわいそう。ねぇ、お兄ちゃん。この子家に連れて帰ろう。」


「なt・・。そんないきなり。無理があ・・・」


「私の名前はサラキア。あなたは?」


なんか、聞いたことのある様な。


「私はロゥ。なんかよくわからないけど、ありがとう。サラキアさん。」


なんか・・・サラキアねぇ。なんか思い出せそうなんだけど。まっいっか。


「サラキアってよんで。」


「いいの?」


「もちろん。私のお兄ちゃんが失礼なことをしたわ。ごめんなさい。」


「いいえ、しょうがないわ。魔物と思われるとは思わなかったけど。」


「そういえば、お兄ちゃんのなぁ絵を言っていなかったわね。お兄ちゃんはルーキ。」


「ルーキさん。か。教えてくれてありがとうサラキア。」


「いえいえ。」


可哀そうに、男は自分の名前を言うことすら許してもらえない。完全な蚊帳の外。流石の私も不憫に思う。だがしかし、わざわざ助けはしない。


「でも・・・迷惑じゃないの?基礎知識も結構ぬけちゃってるみたいだからよくわからないんだけど、人を食わせていくのも大変だと思うの。」


「・・・。それは否定しないよ。凶作続きでね。」


「・・・。」


なら、なんで私を連れていくのだろうか。人攫いにでも売りつけるのか?たしかに容姿は悪くは無いと思うが、売るなら売るで町に出れる可能性があるからまぁ、拒まないが。


「だって、あなたみたいに綺麗な子じゃさらわれちゃいそうなんだもの。」


「・・・。綺麗かどうかはわからないけども、売ればそれなりのお金はもらえるよ?」


これは私の本音だ。


「私の村は、確かに貧しいし。あなたの口には合わないかもしれない様な貧相なご飯しか出せないわ。だけど、だけどね。記憶もなければ助けを求めて来た人を売り渡すほど腐っちゃないわ。」


面白いことを聞いた。この村の人間はまさか・・・そんなに信じやすいのか?だったら、それはそれでそんな村に行くのが心配になってくる。

「そうなの。ありがとう。」


でもこんな人間もいるんだな。こんなのがたくさんいたら苦労しそうだ。何故そう思ったのかもわからないけどぼんやりとそう思った。


「さて、お兄ちゃん。もうすぐ暗くなるよ。早く村に返らないと魔獣達に狙われちゃうよ。」


「あっ、あぁ。そうだな。」


男の方は私を信じきれないようで訝しげに見ている。

良かった。この少女が変なだけだよな。私は思わず縋るように男を見てしまった。


・・・。顔が赤い?―――――――――――――あぁ、魔物とか言うやつだと思っていたから緊張していたんだな。
















私はサラキアとルーキに連れられて村に着いた。ずいぶんと寂れたところだった。私は二人に引っ張られながら一軒の小さな小屋の前に連れてこられた。


「お父さん、お母さん。お兄ちゃん帰ってきたよ~。あと、私に友達ができた!!拾って来ちゃった~。」


今の発言でサラキアの両親はどこまで理解できるのだろうか。


「ルーキが帰ってきたのね。おかえりなさい。あら、その子は?」


「・・・。サラキア。そちらのおきれいなお嬢さんはどこからさらって来たんだ?」


「私のお友達よ。お兄ちゃんが魔物かと思って攻撃しようとしてたのを止めたら・・・。なーんと、記憶がなかったの。だから、連れてちゃった。」


だからの意味がわからないのは私だけだろうか。


「すいません。お邪魔だと思うのでお礼をしに来ただけです。ただ、帰り道だけ教えていただけると・・・。」


控えめに尋ねる。もちろんぶ厚い皮をかぶってだ。さぁて、なんて返事が来るかな。


「・・・。辛かったわねぇ・・・。さぁ、入りなさい。ここが、今日からあなたの家よ。あなたは今日から家族よ。」


は?


私が思わず眼を疑った。サラキアの母親であろう人はぼろぼろと大粒の涙を溢れさせている。横で父親が苦笑を洩らしている。


っておいまてい。苦笑するなら止めろよ。てか、常識的に見知らぬ人を簡単に信用しちゃだめだしって家に入れちゃだめです。


無理やりに近い形で家に押し込められ小さな椅子に座らされた。サラキアと母親はぼろぼろと泣き続け父親とルーキは妙に達観した表情で見守っている。



こうなるとは思わなかった。殺されかけるよりもよっぽどピンチ。









誰か              たすけて。



ねぇ、誰か

かっこいい呪文とか作ってくれませんか?

切実な願いです。

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