生贄になった後は・・・?
どんどんめちゃくちゃになってく気がする。
主人公の口調がおかしくなってたらごめんなさい。
なんというか、うん。なにここ。私は死んだはずなのに意識がある。というか、知らない人が目の前にいる。奥にも一人いる。
「また、来たのか。」
誰?不機嫌そうなのは新緑の髪を持つ青いつり目の男の人。とても機嫌が悪そうだ。奥にいる人は紫がかった銀色の髪に赤い目の男の人。苦笑いしながら私を観察している。
「そう言うなって・・・。しょうがないじゃん。おまえも俺もこっちに来た人を返せないんだから。」
「こっちの身にもなってみろ・・・。」
「あ・・・あの。」
状況がわからない。
「あっ。ごめんね。えっと・・・今の状況わかってる?」
それを聞くのか。
「私は私のいた世界の寿命を延ばすために生贄になったはずなのですが・・・。何か誤解があるみたいで実際のことはわかりませんが。あなた様の立場がどんなものかわかりませんが、あなた達は何者でしょうか?私が生贄になったことを考えれば世界の環にいる天秤の守護者様かと予想します。守護者様が一人か二人はわかりませんが。」
目の前の男の人達は顔を見合わせると噴き出した。
何、この人達・・・守護者様かもしれないんだから失礼のないようにしないと。
「何がおかしいのでしょうか?」
「いやね、今までここに来る人は皆泣きわめくは縋りついてくるわ・・・うっとおしいったら。それに比べて、おまえはあまりにも冷静だったからな。」
「あまり、いじめるなって。相手はまだ小さい子供だよぉ?」
「生贄にされた自分の運命を怨んでいない奴は初めてだ。ひどく珍しい思考回路を持っているようだぞ。」
「はぁ・・・。」
・・・・・・。冷静になれ私。取りあえず、現状把握。
「お話をされている途中、申し訳ないのですが。ここはどこで、あなた達は誰・・・というよりなんですか?失礼がありましたら申し訳ありません。」
「じゃあ、説明しよっか。こっちの目つきの悪い方が天秤の守護者って呼ばれてる・・・そうだなぁ、言うなれば君のいた世界の神様。世界って言うのは無数にあってそれぞれに神様がいるんだ。そして、僕は力ある傍観者。どの世界でも結構力を使えるけど、あくまでも傍観者。傍観してないじゃんって思われるようなこともしたと思うけど、僕の行動は全て規律に縛られる。それで、ここは世界の環。どの世界にも環があって、僕が移動するときは環に入るんだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。君が気になっているだろうことだけど。なんかこっちが申し訳なくなっちゃいそうだけど、言うね?ぶっちゃけ、足枷とか世界には無いんだ。だって、世界はただそこに在るだけだからね。なんか、ここの世界の前の神様がふざけて君の一族にちょっとした力を与えちゃってね。昔は君の一族は神様みたいに信仰されていた時期もあったんだよ。そんな中で君の一族の中で暴走した人がいてね。その人が作ったのが、君のやった儀式。確かに力があったからここまでこれたんだけど片道切符みたいなもんで帰ることはできない。簡単に言うと、無駄死に。かな?」
「おい・・・。言い過ぎだ。」
「大丈夫ですよ?だから何と言うこともないので。一つお願いがあります。その前に傍観者様は世界に干渉することはできますか?」
「それなら、神様ができるよ?まぁ、僕もできるけど。」
私は神様の方へ向き直る。
「私の次の生贄がここに来ることを防ぐことはできますか?」
「・・・・・・。唐突だな。おまえは世界が恨めしくないのか?」
「ないです。私の誰よりも大切な人が生きる世界ですから。大切に思うことはありますが、怨むことはありえません。」
つり目の男は目を丸くした。
「ねぇ・・・カルロス。だから言ったろ?君の守っている大切な世界を同じように大切に思ってくれる人はいるだろ?」
銀髪の男がつり目に言う。
「・・・。おまえの名は何と言う。」
「ロゥです。」
「ではロゥ。今更ながら自己紹介だ。俺はカルロス。お前の世界の神をやっている。」
「僕は傍観者。呼び名はラスターだよ~ん。よろしくね、ロゥちゃん。」
・・・・。で、これからどうしよう。
「ところで、カルロス。そろそろ時間が尽きるよ?いいの?」
「っ!そうだな。ロゥ。ひとつお前に問う。このまま消えるのと、お前を必要とする他の世界へ飛ばされるのと、どちらが良い?答えろ。もう、時間がないんだ。」
は?えっ・・・。まだ、少ししか生きてないからなぁ。
「どちらでもいいですが、その私を必要とするというのはどういうことですか?」
「それは、僕が教えてあげよう。」
ラスターが胸を張る。イラッと来たのは仕方がない。
「神様が守っている世界でも、イレギュラーなことは起こるもんで。普通、世界に生まれた人は役目を終えるまでは死なないもんなんだが・・・たまに死んじゃう奴がいるんだよ。そういう時はまた、この世界なら同じ役目を持った子供をカルロスがうみだして世界に入れるんだけど。今回はちょっと勝手が違って。傍観者たるこの僕がここに来たのはあまった人生の持ち主が、つまり、まさに君みたいなイレギュラーな存在がいないか探しに来たんだよ。これまで、もぅ12も13も世界をわたりまくってて疲れたよ。」
「勝手が違ったとは?」
「今回は、まぁ役目を果たすまでには時間があるんだけど。ちょっと赤ん坊から始めるのには時間がなくてね。」
「わかるか?」
馬鹿にしているのだろうか。確かに驚いてはいるが、私には利益しかない。私を必要としてくれる存在があるのならば、お姉ちゃん以外にそんなものが存在するなら。私はそのもとへ行きたい。
「ここではない他の世界で、赤ん坊から生まれなおしたのでは遅いような役目をもった者が死んでしまったため、誰かイレギュラーな存在を探していたら、丁度いいタイミングで私がここにいた。ということですよね?」
ぱちぱち。馬鹿にしたようにラスターが手を叩く。
でも、死んでまで私は手駒にされるつもりは毛頭ない。
「確かに、もう一度人生を送れる・・・魅惑的な響きですよね。ですが、それが私にとって利益になると思いますか?」
「思わないね。」
「おい。」
カルロスさんは私になにか言いたいことがあるらしい。
「なんですか?」
「俺としてはこの世界を大切に思ってくれていたお前には他の奴らみたいに無駄死にして欲しくない。俺としては珍しく気に入ったんだ。」
だからなんだ。
「お前はもう一度生きたくないのか?と、いうよりもむしろ、お前を必要とする世界があるのに見捨てるのか?」
・・・いや。だって、私に利益があると思うか?って聞いただけなのだがなぁ・・・行くも行かないも何も言っていない。
「・・・。何か勘違いをされている様ですが私は行くも行かないもあなた方に任せます。ここまで、他人の意志によって行動し続けて来た私ですので・・・今更、私はこうしたい、どうしたいなんて喚くつもりはありませんよ?」
「お前に自分の意思はないのか?」
「ありますよ。今は死んでいますが?って死んでるのか?まぁ、取りあえず人間ですから。今までも、今も私は自分の意思で動いています。 私は誰かの操り人形になるのも、生贄になるのも、全部が全部私の意思。他の誰かに私が産んだ現実を結果を歪みを未来を背負わせるのは道理に合わない。・・・私はそう思う。」
うわああああああああああああ・・・。語っちゃったよ。神様相手に。鼻で笑われるだろうか?
「そうか。俺はいいと思うぞ。」
私とカルロスさんは互いに目を合わせて・・・・・
「ねぇ、僕のこと忘れてない?」
忘れてました。それにしても、結構深刻な現状なのにこんなにコメディチックなんだ?
「確かに傍観者だけどね、空気じゃないんだよ?」
「で、ロゥ。」
無視しましたね。ラスターさんいじけて体育座りしてますよ?ほっといていいんだろうか。
そう思いながらラスターさんを眺めていると(放っておけ。)と目で語られた。
「なんでしょう?」
「俺達に任せてくれると言うなら――――――――――もう一度、生贄として死んだ君には、申し訳ないが。行ってきて欲しい。」
「はい。神様の言葉に従いますよ。私もそうしたいです。」
「すまないな。」
「・・・。問題はありません。それより、私はどうすればいいのですか?」
「簡単に言うとロゥにはトリップしてもらうことになる。本当は転生させた方が世界に馴染むのが早いのだが・・・。」
「トリップだと何か問題があるのですか?」
「それは、僕が説明するよ~ん。」
復活したらしい。なんだろう、なんか神様達の空気に流されているような――――――――って一応この人神様と、なんか取りあえず神様ぐらいには力を持った人だった。危ない、敬語辛い。特にラスターさん・・・
「お願いします。」
「実は・・・君に行ってもらいたい世界には魔法があるんだよね。」
「私は、体術や剣術・・・こちらの人間がやる武道のほとんどはマスターしていると自負しています。」
「本当なの?カルロス。」
神様だからわかるのかな?
「・・・。信じられないがな。11のときには全て。」
「君、本当に人間?」
「そのはずですよ?産まれたときに何かあったということもありませんし。」
「・・・。でも、魔法には太刀打ちできるかどうか。」
「なら、ラスター。お前が何か能力か魔力とかつけてやれ。」
「だって・・・そんなことしたらチートじゃんか。」
「何か問題あるか?」
「チートとは?何のことですか?」
「・・・。知らなくていいよ。簡単に言うならこの世界の人からみた君みたいなことを言うんだよ。」
「?」
「まぁ、ともかくそこそこの魔力とか・・・生活に必要なものは頭に入れとくし。今回はしょうがないから魔力とその使い方も入れとくよ。」
「お前、一応役に立つときあったんだな。」
「失礼な。」
「来るたび来るたび、なにか食わせろと来ては愚痴るだけ愚痴って去っていくだけだったからな。」
「僕はやればできる子なのさ!見てろよ!!」
「で、ロゥ。」
あっ、無視した。さっきも同じような光景があったけど。ほっとこう。
「私は、何をすればいいのでしょうか?」
「あぁ・・・それは言えないんだよね。君の魂に刻みこんどくからいつの間にか役目は終えるよ。君は放りこまれた世界で自分の思うように生きてくれればいいよ。 それが、あの人からの頼みだしね(ぼそっ)。」
「何か?」
「ううん。で、さっそくだけど行って来てくれる?」
と、唐突な。でも、私がここにいてもやれることは何もない。ただ、まだ聞きたいことがある。
「その前に、答えて下さい。私より前に誤って生贄として来てしまった人はどうしたんですか?」
「消滅したよ?」
「えっ・・・。」
カルロスさんは言いにくそうな顔をしながら言った。
「ここに生贄として送られた者は、私達に必死に命乞いをした後。塵一つ残さず消えた。」
「ですが、私は今こうして動いています。」
「だから、言っただろう。他の世界でも、役目を終えていないのになんらかの異常で神のいるここの様な空間にとばされてしまうものはいるんだ。ただ、ここの空間に拒まれ存在を否定され体が持たずに消えてしまう。だからこそ、ラスターはいろんな世界を回って本当の意味でイレギュラーを探していたんだ。」
「だって、君。役目を終えていなかったのに死んだんじゃないんだよ。ほんと・・・」
「黙れ、ラスター。ロゥはまだ俺の管轄下にある。ヘタに手を出すと、お前でも容赦はしない。ロゥ、お前もこのことは気にするな。何かの偶然だ。」
「は・・・はい。」
「はいはい。わかったよ~。」
いや、無理があるだろう。
「あと、俺からも選別として、・・・撰別になるのか?とにかく、なにか一つ能力を付けてやろう。」
「能力ですか?・・・。あの、その代わりに一つお願いを聞いてはもらえませんか?」
「ものによるが。」
「今回のように生贄に出されるのは私で最後にしたいのです。お願いできますか?方法はなんでもかまいません。私の姉に被害が来ないものであれば・・・。」
「もしも、ロゥのお姉ちゃんに被害が出るならどーうすーるの?」
このくそ野郎が。
「どんな手段を使おうとも私の満足のいく報復をさせていただきます。」
私は冷笑で答えた。それをみて、カルロスは何とも言い難い顔をし、ラスターはただ楽しそうに笑った。
「そ、そうか。確かにできるが・・・良いのか?お前がより行く世界で生きやすくなれるのだぞ?」
「私が私の姉よりも価値があるわけがないでしょう。石ころよりも私なら宝石を大切にします。」
「もし、君のお姉ちゃんが石ころをくれたら?」
カルロスはもう頼むから余計なことを言うなと肘でつつくがラスターは無視する。
「姉が私に何かくれるということ事態ありえないと思いますが・・・もしくれたのならそれは石ころではありません。それは宝石です。もし、誰もそのことを信じないのならば。権力や武力を行使して信じさせるまでです。」
「・・・・・・・・・・。面白いねぇ。ロゥは。これから君の魂に刻む役目はきっと君に馴染むよ。」
「・・・・・・・。そろそろ、行ってこい。ただ、お前の言ったことは条件の代わりにならない。なぜなら、それはもとは神が起こしてしまったことが原因だからだ。お前にひとつ、能力をやる。」
もらえるものならもらっておこう。
「それなら・・・一度見た映像も声を何もかもを記憶し続けることができる能力を。今まで私が見て来たものを忘れないように。もちろん、その能力に耐えられる体でなければいけませんが。」
「いいのか?その能力では、辛いこともあると思うが。」
「私は未来の幸せより、過去の幸せな記憶の方が大切です。だから、お願いします。」
「・・・。わかった。俺からはあと一つ。これをやる。」
カルロスから綺麗な扇子を渡された。とても丈夫そうだ。
「これは?」
「もしおまえがここに来なかったら、お前の姉から誕生日の祝いとしてもらっていたものだ。神だからな、それぐらいはわかる。」
こ、これは嬉しい。どうしよう、顔がゆるむのを感じる。
「ありがとうございます。本当にありがとう。」
私の顔をみてカルロスさんとラスターが顔を逸らす。何故だ?
「俺は、断じてロリコンではない。」
「僕が好きなのはグラマーな美女だけ・・・。」
「大丈夫ですか?」
二人とも正気に戻ったようだ。なにがあったんだ?
「な、何でもない。そろそろ行くぞ。だけど・・・お前がそろそろここに来るのはわかっていたから少し観察したが、姉の気持ちに気付いてやれよ。」
私はその言葉を聞いて固まった。私は何かお姉ちゃんにやってしまったのか?いったい何を?
「私がなにかやってしまいましたか?」
私の勢いに押されてたじろぐラスター。さっさと答えろ!!
「そろそろ、世界を渡りまくんのに疲れてちょっと休ませてもらっている間にロゥのこと観察してたんだよ。で・・・。お前が傘を届けに行ったときお姉さんにいわれて答えただろ「何であなたなの・・・。」って言われてさぁ。」
「確かに柄でも無いことを言ってしまいました。ですが。」
「チゲぇよ。あれは、気になってお前の姉ちゃんの心ン中覗いたら、「私だってロゥと話したいのにぃ・・・。こいつがいなかったら傘も使わせてもらったのに。てか、わざわざ届けてくれるなんてなんて優しい子なの!!」みたいなので頭いっぱいだったぞ?」
「な・・・それ本当ですか。」
「あぁ・・・。」
「それは、良かったです。本当に好いていてもらえていたのですね。」
思わず感極まって涙が出て来てしまった。
「お、おい泣くな。それに・・・言いにくいんだが、お前の見た記憶や感情はトリップ後もお前のもんだが、体が違うからなぁ、思い出せるかわからないんだ。」
「問題ありません。」
「何故だ?」
「私が姉を思い出さないわけがありません。」
涙をそっと拭きながら断言する。当たり前だ。
「そ、そうか。」
「はい。私は満足しました、では行きましょう。」
「おう。じゃあな。カルロス、たまにはこっちにも来てロゥの様子を教えてやるよ。」
「わかった。じゃあな。ロゥ。お前に頼まれたことは俺が責任を持って果たす。安心しろ。あと、これは個人的な感情からだが・・・お前の姉の幸せは俺が保証する。」
「ありがとう。」
「じゃあ、ロゥ。新しい世界に行くためにちょっと気失ってもらわないといけないんだ。」
「はい。」
そのまま、ラスターの手が私の頭に触れようとして止まった・・・。
「そう言えば、見た目がどんなのか決められないし人型であることは保障するけど人間かどうかもわからないし、どこにいるかもわからなければ、記憶もないから。頑張って!大丈夫、お姉さんからのプレゼントは君の生存確率を上げてくれるように進化させとくから。」
それは・・・・・・・・・・・・・先に言え。
ぼんやりとした光の中で思ったのを最後に最後に私の意識は掻き消された。
「あ、それなりの能力はつけとくから安心して~。」
昔、同じようなことがあった気がする。彼女は今度こそ本当に世界から消失した。
ロゥを新しい世界の環にぽい・・・じゃなかった、世界の環を渡らせてきて戻ってきたカルロスとラスターの会話。
「ねぇ、カルロス。大丈夫かな?」
「何がだ。」
「大神の長から直々の命令で見守ってくれって頼まれてる孫娘さんを異世界トリップさせちゃって。むしろ、実際は帰れないから転生もどきさせちゃって。」
「もう、遅い。それに、あいつは本当に役目を持っていなかった。そのことの方が問題だ。俺でもお前でも役目と言う物は誰でも持っているものなのに。・・・。新しい世界でも、あいつに役目が馴染むか心配だ。」
「あt・・・。それについては問題ないから大丈夫。」
「何故言い切れる。」
「だって、あの子の役目は役目を持たずあの世界をかき回すことだもの。」
「はぁ?」
「そんな、役目を持つというよりもそんな風に世界に求められる人は滅多にいないし。」
「・・・。心配になってきた。おい、ラスター。今は違うと言えどもロゥは俺の世界の住人だった。何かあったら承知しないからな。肝に銘じておけ。」
「は~~~~い。でも、本当に心配かも。あの世界、神々の争いの中心地だった。」
「おい。歯をくいしばれ。」
「じゃ、じゃあね!!」
「待てっ。」
なんてことがあったとか無かったとか。
これはちょっとした、序章に過ぎない。彼女が紡ぐのはまだまだこれから。
・・・。疲れた。まだ、書き始めたばっかなのにマジ カオス。
この後、どうしようか なんも考えてなかったりするんです。
ついでに二話目で出てきた縦ロールさんのたくらみは神様によって完璧につぶされました。
えっ?まさか・・・書くのがめんどくさかっただけなんてわけないじゃないですか
(・。・;ノシ