王宮庭園風
日常が変わった。
朝、エディがやってきてから朝食。
ギルドに行って目立ちすぎない程度に依頼をこなし、昼過ぎにはギルドに戻って、エディと家に戻る。
ジャンが玄関にやってきて、エディに飛びつき、私が膨れるまでもが日常だ。
夕飯までエディがジャンと遊び、夕飯を食べたらエディは帰る。
また次の日もエディが来ると分かってからは、ジャンの「いやいや」はなくなった。
「パパしゃんまたね!」
大きく手を振った後に、ジャンは私に抱き着いてくる。
エディに甘える時間と私に甘える時間を分けているようだ。
くっ。甘え上手すちる!きっと私とエディがギルドに行っている間は師匠に甘える時間なんだろうな……。
「で、今日はどうするんだい?」
朝食を食べ終わると、アイシャさんがエディに尋ねた。
今日は休みの日だ。いつもならこのあとエディと私はギルドへと足を運ぶのだけど。
そういえば、エディは休みの日には何をしているんだろう?
私はジャンと一日楽しく過ごしている。あとはたまった家事。さすがに全部アイシャさんに任せるわけにはいかないので、掃除と週に1回のシーツなど大物の洗濯をしている。
「えっと、あの……」
エディがちらちらと私の顔を見ている。
何だろう?どう答えればアイシャさんが満足するのか考えている?
箒で追い回された記憶がまだ残っているのかな……。
「全く、予定がないなら、ないと素直に言やぁいいものを。それとも、素直に言えない下心でもあるのかい?」
にやにやとアイシャさんがからかうようにエディに話かけた。
エディがまるで図星をさされたというように、顔を赤くして気まずそうな表情をする。
それから、意を決したように口を開いた。
「予定がないので、一緒に、その……過ごさせて……ほ、ほし……」
ちらりとまたエディが私を見た。
「くふふ~、そういうことね!」
下心ってそういうことか。
「ジャン、今日はお休みだけど、何がしたい?」
「ママとおんも、あしょぶ」
なんですって?ここはパパしゃんと遊ぶっていう場面では?
その言葉を聞いて、エディお願いできる?と尋ねようと思ったのに。
私と外に出かけて遊びたいの?
そうか、やっぱりエディより私なのね。ニヨニヨ。
「パパしゃんも、いっちょ」
うん?エディよりママじゃないの?
「あにょね、みにゃみ行くの。ジャンがおしえたげる」
ジャンがエディの手をつかんで引っ張っていく。
「みにゃみ?」
エディが首を傾げた。
だから、かわいいな。
「ちょう、みにゃみ」
ジャンが教えてあげようと自慢気な顔をする。
もう、かわいいな。
エディがジャンを抱っこした。
「あっちよ、あっち」
ジャンが指で方向を示す。休みの日に何度か連れて行っているからすっかり覚えたのだろう。
「昔ね、王宮の庭園を真似て南門の外に木を植えた人がいてね、今では街が管理する公園になっているのよ」
「へぇー」
「子供たちに人気の遊び場になってるのよ」
エディが首を傾げた。
「王宮の庭園に子供が遊ぶようなところがあったかな?」
「見たことあるんですか?」
貴族ならば誰もが王宮に足を踏み入れられるわけではない。伯爵令嬢だった私も、3度王宮主催の舞踏会へ足を運んだ切りだ。会場となる広間など一部の場所しか立ち入りは許されていなかった。
エディは王宮の庭園へ出入りが許されるような、伯爵よりも上の地位にある者なのだろうか?
「あー、その、騎士だしな」
騎士なら王宮の警護にも当たるから当たり前か!
「じゃあ、王宮の庭園とあまりにも違ってびっくりするかも」
ねみゅい




