話がそれてますぜ
「あー、そうだな。流石に銅級が金級でもなかなか取れないツデラ鳥を獲ってきたとなると目立ちすぎる。買い取りはできないぞ?」
うん?
「目立ちすぎる?……えーっと、目立つと何が問題なんでしたっけ?」
ギルド長に鼻をつままれた。
「おーまーえーはぁ!ギルドの臨時職員を何年やってたんだ!」
「1年とちょっとですってば!何年って言える前に首にしたのはギルド長ですよっ!」
はぁーと、ギルド長がため息をついた。
「銅級パーティーなのに、金級がとってくるようなツデラ鳥が取れるなんて知られてみろ。どうなるか分かるか?」
「うーんと、本当にお前たちがとったのかと疑われる?」
ギルド長が頭を押さえた。
「まぁ、普通はそうだ。普通はな。だが、このギルドでお前のことを知らない者なんかいないから誰も疑わねぇだろ」
そうね。一緒に働いていたギルドのみんなは私がそんなズルするような人間じゃないって知ってるもんね。
「それじゃあやっかまれる?生意気だとか……言われる?」
くっとギルド長が笑った。
「実力がすべての冒険者だ。やっかむような奴は上に上がれねぇだけだ。問題はそうじゃねぇ」
「じゃあ何が問題……はっ、分かった!目立つと、エディがモテる!」
ギルド長が私のほっぺを両手で挟んだ。
「そりゃ、強い男はモテるさ。だから、俺なんかもってもてだ」
「そうです、足が臭くてもモテるんだから、強くてエディみたいに足が臭くなさそうな見た目なら余計にもて」
ギルド長が私に顔を近づけた。
「シャリアの好みか?」
ギルド長の言葉に、エディが「え?僕が、シャリアさんの好み?」と声を上げた。
「残念ですけど、足が臭いよりは臭くない方がいいですけど、それだけで好みなんて語りませんし、なんならジャンなら足が臭くても世界で一番好きなのは一生変わらないと思うんで。あ、それは強くなくてもね!」
身体強化8かけで、ギルド長の手をめりめりと引きあがす。
「……ってか、俺の足、そんなに臭いか?」
ギルド長がミミリアさんに涙目で尋ねた。
「あー、沼地系ダンジョンに入った後には靴と足をしっかり洗ってください……水で洗うくらいでは……その……」
ミミリアさんが目をそらした。
「……っと、何で俺は、忠告をしてやろうとして、こんな悲しい目にあってるんだ?」
なぜかギルド長がエディに同情を求めている。
「えーっと、嫌いな男性には陰口で終わるのに、本人に直接言うということは、もっと素敵になってほしいというその、好意的な感情からでは?」
エディの言葉にギルド長がぱっと表情を戻す。
「そうか、俺は愛されてたんだな!」
「勘違いしないでください。上司として嫌ってないだけです。私も、シャリアさんも」
ミミリアさんの言葉に、ギルド長が助けを求めるようにエディを見た。
「目立つ存在になるとどういう問題が起きるんですか?」
エディさんがもはや何事もなかったかのように話を元に戻した。
「ああ、それだがな。指名依頼されると厄介だぞ?実力は金級だが、実際は銅級パーティーとなれば、依頼料は銅級基準。だが依頼内容な金級向けで指名がされてみろ」
首を傾げる。
「でも、そんな依頼ギルドではねればいいですよね?もしくは指名されたって、受けなきゃいいんですよね?」
はぁーとギルド長がため息をつく。
洗えばよいのだよ、洗えば。




