表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子連れ冒険者シャリア~婚約者に売られ妊娠したけど元騎士様が代理パパになってくれるそうです~  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/64

問題発生の朝

 ちなみに、私たちが住んでいる家はアイシャさんの持ち家。

 1階にキッチンとダイニングとリビング。それから庶民の住む家には珍しいトイレと風呂。……どうやら風呂が家にあるのは貴族と金持ちだけらしい。トイレも壺に用を足してたまれば捨てに行くか、共同トイレまで足を運ぶかが普通らしい。魔法的な処理が施された処理が不要のトイレも貴族や金持ちの家にしかないらしい。

 2階には小さめの寝室が4部屋。それぞれベッドが1つずつと小さな物入がある。ここもそのうち宿にするつもりだったのかな?

 とまあ、お屋敷のような大きな家ではないけれど、風呂とトイレがついているし、キッチンの調理器具は火おこしも火の調整も簡単な、これまた魔法的な処理が施されたものだし、暖炉もなく部屋を暖められる道具これまた……という具合に、設備は貴族並み。

 アイシャさんは本当にすごく稼いでいた冒険者なんだろう。……誰も教えてくれないけど、ミスリル級だったんじゃないかな?

 で、今も時々頼まれて依頼をこなすことがある。半年に1、2回ほど。昔の仲間に頼まれちゃいやと言えないねぇなんてぶつぶつ言いながらも楽しそうなので、昔の仲間とのつながりが続いていることが嬉しいのかもしれない。

 ……でも、アイシャさんだってもういい年だ。

 もし、無茶なことを頼まれたときに「弟子にやらせるよ」と任せてもらえるようになれば恩返しになるのでは?

 いつまで老体に働かせるつもりさね!って本気じゃないけれど、いつかは本気でそう言う時が来るかもしれない。

 よぉーし、頑張るぞ!

 ……と、意気込んで眠ったけれど。


 翌朝、起きたらそんな決意がかすむほどの問題が発生していた。

「師匠、こうなるの分かってましたね?」

 昨日言っていた大変になるとはこのことだったのね……」

 アイシャさんは駄々をこねるジャンを抱っこし、私に手紙を差し出した。

「今日はギルドでエディと朝ごはん食べな。で、この手紙はエディに渡して、返事は帰った時でいいよ」

「すいません、お願いします」

「ジャン、ママはお仕事に行ってくるからね。いい子で待っていてね!」

 アイシャさんはぎゃーぎゃー泣き叫ぶジャンの手をとり、ばいばいと振ってみせた。

 困ったなぁ。……どうしたらいいんだろう。

 しょんぼりしてギルドに向かうと、ギルドの入り口でエディとかち合った。

「おはようシャリア。どうしたの?体調が悪いなら今日は止めておく?」

「え?全然平気だけど……その……ちょっと困ったことが……」

 エディは首を傾げた。朝からかわいいな。

 ……今日はちょっと頭の上の髪が跳ねてぴこんってなっていて、何倍もかわいくなっている。

 貴族世界じゃ身だしなみが整っていないと恥とされることだ。髪を整えてくださる方もいらっしゃらないの?と侮蔑の目を向けられることもある。……冒険者なんて半分以上は髪はもしゃもしゃ。その中ではしっかり整えられている方だよ。エディさん。

 でも……貴族的な立ち振る舞いに、整った顔をしていると、そのぴよんと飛び出した髪が妙に目立つ。

「寝ぐせ」

 つい、指摘してしまった。

「え?どこ?」

 エディが明後日のほうに手を伸ばすので、思わずはねている髪を整えてあげた。

「あ……」

 エディの顏が真っ赤に染まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ